PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムXマウント専用として設計された大口径準広角レンズNOKTON 23mm F1.2 Asphericalを紹介いたします。本レンズは2022年11月の時点ではXマウントで使える焦点距離23mm(フルサイズ換算35mm相当の画角)で開放値の一番明るいレンズ。質量214g、全長43.8mmとコンパクトにまとめられていますが、レンズ構成6群10枚のうち両面非球面レンズ1枚、異常部分分散ガラス2枚と贅沢な作りから生み出される描写は、開放F1.2から高解像度。そして丸いボケを考え絞り羽根は12枚とこだわった作りになっています。さらにレンズマウント部に電子接点を搭載しているため、一部の機種ではボディ内手ブレ補正やパララックス補正にも対応します。高い精度で調整された総金属製ヘリコイドユニットがもたらすフォーカシングのスムーズさは、フォクトレンダーの魅力。開放でのマニュアルフォーカスのシビアなピント合わせを快適にしてくれます。さて、F1.2の薄いピントを気持ちよく楽しんでみたいと思います。

( Photography & Text : A.inden )

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

開放でステンレスの円柱にピントを合わせて撮影。カリカリとしたシャープさではありませんが、金属の質感をクールに再現する描写に好感が持てます。水平垂直を出し標準レンズのような雰囲気で撮影してみました。35mm相当の画角は、画面の作り方によって準望遠のようにも広角のようにも表現できる焦点距離です。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

夜景は画面に直接入っている照明から光の届かないシャドーの部分まで、かなり大きな明暗差での撮影が多くなります。Xマウント専用として設計された本レンズとX-T4の組み合わせは、全体の階調をうまくコントロールしているようで、ハイライトからシャドーまでいい塩梅に再現されています。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

開放でクローズアップ撮影をすると望遠レンズのようにボケを活かした撮影ができます。周辺は口経食が出ていますが、素直なボケ味です。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

これもクローズアップ撮影ですが、フェンスのパースを感じさせるさせることで広角らしさを強調してみました。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

最短撮影距離0.18mで撮影。開放F1.2は流石にピント面が薄く、タバコのどの部分にピントを合わせるか液晶で確認しながら撮影しました。ここまで微妙なピント合わせができるのはマニュアルフォーカスの強みです。


FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

影を潰しハイライトも若干アンダーになるように露出を決定。絞ると手前から奥までキリッとした描写です。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

太陽を画面に入れた撮影ですがフレアは見られないようです。シャドーになる子どもの表情がギリギリわかる露出で撮影。さすがに太陽は白飛びしていますが、全体の雰囲気はその場での見た目(感じた)通りに再現されています。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

水槽の中で海遊しているクラゲをマニュアルフォーカスで撮影するのは一苦労でした。でもクラゲはAFが苦手とする明暗差の少ない白い被写体と考えると、AFで撮影していたらもっと大変だったのかもしれません。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

緑と赤の色の対比と前ボケと後ろボケを活かして小さなバラを浮き立つように撮影してみました。クローズアップ撮影でないため、ボケはそこまで大きくありませんが、前ボケ、後ボケとも素直なボケ味ではないでしょうか。赤色も潰れずに花びら一枚一枚丁寧に描かれています。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

F1.2の開放ですが周辺まで像が流れずに細かな葉を再現しています。真ん中付近の白いビルにかかった枝にパープルフリンジが確認できますが、一部分だけなので後で処理できる範囲でしょうか。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

車をブラすためシャッタースピードを1/4秒の低速で切りました。横断歩道の上からの手持ち撮影ですが、ボディ内ブレ補正が効いて風景はシャープに写っています。

FUJIFILM X-T4, Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical


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大口径を日常使いに

コンパクトな大口径レンズ。一眼レフ全盛の時代にはありそうでなかった製品ではないでしょうか。過去にも魅力的な大口径レンズはありましたが、性能を追求すると大きくて重くなるのが当たり前のように思われていました。ともすれば大きくて重いのが性能の良いレンズなんて言われ、もちろん価格も気軽に手を出せるようなものではありませんでした。ミラーレス化が進み機材がコンパクトになり、NOKTON 23mm F1.2 Asphericalはついにここまできたのかと思えるほど小さくなって製品化されました。それもリーズナブルな価格、そして開放から高解像度、さらにボケ味まで考えられた描写で。コンパクトさは取り回しが良くなるだけではなく、最高峰のレンズを使ってるというプレッシャーからも解放されるようで、いつものように気楽にスナップできました。手軽に撮影しましたが、上がってくいる画はさすが大口径レンズという写りでした。性能と取り回しの良さを体現できる本レンズ。ボディにつけっぱなしでも日常撮影には困らないのではと、素直に思いました。大口径という言葉から感じるイメージが変わっていく、そんな時が来るかもしれません。

( 2022.11.29 )

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一般的な大口径と真逆の先細りのフォルムが美しいです。

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クラッシックな撮影スタイルで決めるなら、このカメラを選んでみてはいかがでしょうか。

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