PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM X100S / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2

1stレビューでご覧頂いたように、ハイライト側のトーンを美しく表現してくれたX100S。新しくなったセンサーと画像処理エンジンの力を感じました。そこで2ndレビューでは、少し露出を切り詰め気味にして、シャドー側のディテール再現力や被写体の質感描写力がどれほどのものか、というのを確かめてみたいと思います。ロケ地は北海道。まだまだ真冬並みの寒さが続き、相当気合いを入れて外に飛び出して行かなければなりません。そんな厳しい条件の中でX100Sを使ってみて感じたのは、撮り手が望むであろうことをよく考えて作り込んでいるなあということ。シチュエーションに応じて切り替えることの出来るファインダー、ストレスを感じない速いオートフォーカス、開放F値の明るいレンズ、優れた高感度特性…といった、撮影者のストレスを軽減してくれる沢山の要素が上手く詰め込まれているのです。各メニューの変更なども迷うこと無く出来る上、露出補正など頻繁に使うものは上部のダイヤルで的確に行えます。こうした操作性って、本当に使い込む人たちのことをリアルに想像しないと生み出されないと思うのです。「そうそう、こうじゃなきゃ」といった要素をキチンと踏まえて作られたカメラって、やっぱり愛着わきますよね。

( Photography & Text : T.Nakanishi )

いきなりクールな色調ですみません。暖かい部屋の中から、寒々しい外の雪を。X100Sは開放で撮ってください、と言わんばかりにNDフィルターが搭載されていたりするので、まずは開放撮影です。カリッカリのシャープさこそないものの、立体感があって味わいのある描写です。

太陽は街灯の真後ろ。空のトーンの実に豊かなこと。デジタルの階調表現も本当に良くなりましたよね。感じ方に個人差はあるかもしれませんが、フイルムのトーンてこんな感じだったよなあと思い出させてくれました。

雪って美しい反面、厳しいこともあります。美と恐怖が紙一重というところに人々が暮らしている。それが雪国です。そんなことはさておき、いかがでしょうこの質感描写。ウッドデッキを覆い尽くそうとする雪の冷たさ、みたいな空気感まで描いてくれていると思います。

晴れの日の日陰はブルーに被ります。そんな条件で一体どんな画を出してくれるのかとても興味がありました。このあたりの味付けは好みの問題も出てくるでしょうが、ナチュラルだなあという印象です。オートホワイトバランスの調整も含めて、センサーのチューニングはメーカーのカラーが出てくる部分だとおもいますが、やはりフイルムメーカーらしい色合いではないでしょうか。

マーブルチョコを思い出すようなカラフルなベンチですが、無人の駅にあると逆に寂しささえ感じてしまいます。そんな心情を表現したくて、暗めの露出で。X100Sのセンサーは濃厚な表現に対して抜群の相性を見せてくれるように思います。

ほぼ自然光のカフェ店内で撮らせてもらいました。こんな被写体はマクロモードで撮るわけですが、少し絞るのがおススメ。ピントピークはしっかりシャープに描きつつ、前後が滑らかに美しくボケてくれます。どうでしょう。泡立ったミルクの弾ける音まで聞こえてきそうになりませんか。

もうひとつマクロモードでの写真を。開放での撮影だと少しホワッとした描写になりますが、そこを上手く利用した柔らかい表現には向いていると思います。

X100Sをレポートするにあたって一番試してみたかったのが夜の撮影でした。明るい単焦点レンズと高感度に強いセンサーの組み合わせで、どれくらいの画をたたき出してくれるのか、とても興味があったわけです。この写真はISO400手持ち。日が暮れたばかりのブルーモーメントの時間に暖かみのある光を見つけました。これだけ写ってくれれば何も言うことはありませんよね。

こちらはISO800まで上げて手持ち撮影です。よくよく見ると多少のノイズは見受けられるのですが、ほとんど気になりません。ほのかな光を絶妙に描いてくれた印象です。

さらに上げてISO1600での撮影です。ここまで来ると、シャドー部のノイズ感は多少ありますが、夜の街を撮る場合には、逆に味わいをプラスしてくれる印象です。そうですね、フイルム的な粒子とでも言いましょうか。


ハイライトからシャドーまで、巧みにトーンを再現してくれるカメラだというのが素直な印象です。トーンの粘りなどにそう感じさせられるのです。すべて描ききるのではなく、描くところと描かないところの境界線の処理が巧みだと思うのです。これはやはりフイルムメーカーであるフジフイルムだからこそのチューニングだと言えるでしょう。ハイキーな表現から、すこし切り詰めた表現まで、フイルムをチェンジするように、撮影者の思いのままに画を変えることができる。そんな表現は決して大げさではないと思います。絞りの選択によって味わいが変わるレンズを持ち、ちょっと贅沢をしてでも持ち歩きたくなる、「フイルムライクなデジタルカメラ」。ずっと使っていたい気持ちにさせてくれます。

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普段使いのカメラで贅沢を。その気になって撮れば、周りのカメラが真っ青の描写。味のあるレンズ。カートボタンは右下にございます。

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これまたオールドなルックスのフード。正直遮光については性能的に怪しいですが、ノリで買ってくださいと用意されているのだろうと思います。取り付けると、まんまと格好よいです、口惜しいことに。

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ケースも力入りすぎですよね。実際素晴らしいケースですよ。

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電池はかなり持ちますが、もう1本あると便利。

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保護フィルムを置いておきますね。

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フードを付けたりする場合、被せ式のキャップを取り付けられないので、フィルターで保護するというのはアリですね。汚れればスッと拭いてあげればOK。

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フィルターを取り付けるのに必要なアダプタリングです。※フードを購入すると不要ですよ!

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路地を撮り歩いたりするのには便利なワイコン。35mm換算で28mm相当の画角となります。

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