PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/8000, F2.8, ISO 100, Photo by TA

TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

一足先にニコン用が発売されていたタムロン「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2」ですが、いよいよキヤノン用も発売になりましたので、こちらもレビューをお届けします。モデル名の末尾にある「G2」からも分かる通り、2012年に発売されたModel A007のジェネレーション2となる本レンズ。ボケの美しさと精緻な描写で定評のあった12群17枚のレンズ構成はそのままに、あらゆる角度からリファインが施されていますが、特に大きな進化点としては逆光に強くなったことと、手ブレ補正がさらに強化されたこと。撮影を担当したのはTAとNazです。


Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/8000, F2.8, ISO 100, Photo by TA

2017年。処暑

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/3200, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/3200, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/800, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/8000, F2.8, ISO 100, Photo by TA

日常シーンでも常用したい大口径標準ズーム

3歳の頃から何十年もピアノを弾き続けてきました。1日に8時間もピアノに向かっているなんてこともざらにありましたが、それを苦痛に感じたことは一度もありませんでした。ある日、友人から「貴女は何故(そんなに)ピアノを弾くの?」と聞かれたことがあったのですが、なぜだろうとしばし考え、「そこにピアノがあるから」と答えていました。ジョージ・マロリーの有名な「そこに山があるから」を真似たのかもしれませんが、それが正直な気持ちだったのです。

今の私にとって、日常の写真撮影はそれに似た感覚です。何を撮りたいとか、それをこう撮りたいとか、そういう感情はもちろんあるのですが、それ以前に「そこにカメラがあるから」というのが、写真を撮る理由をもっとも正しく言い表している気がします。ですからカメラはコンパクトでもマイクロフォーサーズでも、インスタントでも良いのです。出かける先や気分によって、今日はこれで行こうという感じです。そんな風に「日常の中での写真」を旨としてきたので、正直なところ、重くて大きいイメージのある大口径の標準ズームレンズを持ち出そうと思ったことはほとんどありませんでした。しかし今回、タムロンのこのレンズを使用してみて思ったのは、これからはアリ、ということ。

今年もまた、夏の終わりを迎えようとしています。賑やかで開放感に溢れていた、あの素晴らしい夏休み!それが残り少ないと悟った時の、なんとも言えないもの悲しさ。そしていよいよ8月のカレンダーが無情にもビリビリと破られ、9月のカレンダーが現れると、やり残したことがないかと焦燥感にも苛まれたものです。大人になるにつれてそういう感覚も無くなってきましたが、果たしてそれが良いことなのか悪いことなのか。今回は、そんな「夏の終わり」を感じさせるテーマで撮ってみました。大口径標準ズームレンズでありながらも、気張らずに撮影ができるタムロンのこのレンズ。大人になって忘れかけていた感覚、ちょっと切ない気持ちを、ファインダーを介して鮮やかに思い起こさせてくれたと思います。(TA)


Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/3200, F2.8, ISO 100, Photo by Naz

秋隣

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/1250, F2.8, ISO 100, Photo by Naz

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/160, F4, ISO 100, Photo by Naz

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/20, F4, ISO 3200, Photo by Naz

Canon EOS 5D Mark III, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/250, F5.6, ISO 200, Photo by Naz

ゆるさの一切ない写り、ライバルは単焦点レンズ。

どんなに暑い夏であっても。必ず終わりがやってくるようで。8月も下旬になると、厳しい残暑の中にも秋の気配を感じられるようになってきます。それは、空の青さだったり、雲の高さだったり。先にお届けしたニコンFマウント版の実写レビューを読んで、その高い光学性能から期待いっぱいにロケへと持ち出してみましたが、わかってはいてもその写りには唸らせるものがありました。結論を先に申し上げてしまえば、標準ズームレンズの購入を考えている方が候補に加えるべき1本です。

特筆したい点として、ピントピークのキレのよさを感じさせながらも、アウトフォーカスへと繋がるボケの美しさ。トーンもなだらかで「雰囲気を捉えるのが実に巧いレンズ」だと感じました。カリカリせず、繊細で濁りのない素直な描写は、スナップやポートレートなど様々なシーンで活躍してくれることでしょう。

プライベートでは「標準域ぐらい単焦点レンズを刻んで持っていたい」と28/35/50/75mmあたりをガチャガチャと付け替えながら撮影していますが(それはそれで楽しいものですね)、やはり無段階に画角をコントロールできるズームレンズは実に偉大。しかも最短撮影距離は0.38mとテレ端ではフード先端からわずか20cm程度です。簡易防滴構造に(もはや当たり前ですが)高速で無音なAF、存在を感じさせないほどに自然な動作の手ブレ補正(これが実に強力!)まで備え、「これ以上何が必要なんだ」と思わされてしまいます。

コンパクトで性能のよいズームレンズをリーズナブルなプライスで送り出してくれているタムロンから登場した渾身の大口径標準ズームレンズ。いつもよりちょっとお高めな設定ではありますが、それも自信の表れだなんだと使い込むほどに納得させられる仕上がりです。(Naz)


  • PHOTO YODOBASHI暮れなずみ空一面が薄いブルーて覆われたかのような美しい一瞬にいつも目を奪われます。まさにその時、目の前を、いい感じのおじいちゃんが通りかかったので、急いでカメラを構えてその場でフレーミング。このような時はやはりズームレンズのありがたみを感じます。(TA)
  • PHOTO YODOBASHI最短距離38cmで一枚。F2.8通しの明るいレンズですからテレ端ともなればボケ量もなかなかのものです。ピント面はクリアかつシャープでありながら、素直で美しいボケが得られます。寄れてボケが美しく、トーンも豊かとくれば、日常の何気ないシーンやテーブルフォトなどもつい撮りたくなってしまいますね。(TA)
  • PHOTO YODOBASHI夏の九十九里浜、とはいってもお盆を過ぎた平日の浜辺に人の姿はほとんどありませんでした。湿り気のある強い海風が吹く薄曇りの天気、その湿度が写らないかとあえてオーバー目の露出で狙ってみました。トーンの繋がりがいいレンズでないとこんな風にはなかなか写らないと思います。(Naz)
  • PHOTO YODOBASHI単焦点でレンズでいう24/28/35/50/70mmあたりをカバーしてくれる本レンズ。望遠ズームや広角ズームのようにズーム域の端を積極的に使うというよりも、意識としては35〜50mmあたりを軸にして、ズームリングを少し回してフレーミングを追い込む使い方がストリートスナップには有効です。この写真は車道を挟んだ反対側から撮影しましたが、前後に足を使えない場面ではこのズームが実に便利。(Naz)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

お求め易くて、高性能

ニコンFマウント版の時にも同じことを書きましたが、大事なことなのでここでも価格の話を。これを書いている2017年9月1日現在、ヨドバシカメラではフルサイズ対応の24-70mm F2.8というレンズは7メーカー・9種類を販売しています(同じレンズのマウント違いは除く)。その中で、本レンズより販売価格が安いのは1つだけ。つまり全体で2番目にお求め易いレンズということになります。一番高いレンズの半額以下。ここまで作例をご覧いただいた上でその事実を知ればもう、このレンズの魅力はじゅうぶん過ぎるほど伝わると思います。

( 2017.09.04 )

Loading..
Loading..

タムロンのお家芸とも言うべき手ブレ補正は新たな制御システム「デュアルMPU」を採用したことで、最高クラスの5段を実現。精緻なピント合わせを快適に行うことができます。もちろん簡易防滴構造を採用していますから、さまざまなフィールドで活躍してくれます。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

高画素機にも対応するプロテクトフィルターです。特殊弾性緩衝剤によってフィルターガラスへの負担を限りなくゼロに近づけ、レンズの底力を引き出してくれます。防汚コートのあるレンズでも、レンズ前面に触れるのは躊躇するもの。保護フィルターをぜひどうぞ。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..