PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/80, F2.8, ISO 400, Photo by TA

SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

シグマがレンズラインアップを3つのカテゴリに分類すると発表して3年近く経ちました。Artラインの「F2.8 大口径標準ズーム」の登場です。まさに満を持しての登場。昨今のデジタルカメラシーンでは、高画素化やローパスレスセンサー搭載機の増加など、レンズに求められるものは年々厳しくなってきています。そこでシグマは大口径標準ズームを最適化してきました。光学系を一新し、手ブレ補正機構「OS」を搭載。大口径標準ズームは、ズーム倍率が高いうえに大口径ということもあり設計の難易度が高いそうです。加えて手ブレ補正機構まで実装するとなると、ただでさえレンズが肥大化しそうなものです。持ち出すには億劫になるサイズのものが多い中、手渡されたレンズは意外なほどにコンパクトで軽い。これなら普段使いにも気軽に持ち出せそうだと感じました。今回スタッフ2名がそれぞれテーマを設定して実写レポートをお届けします。1人は、肩から提げてぶらり1日横浜まで。もう1人は、少し足を伸ばして同じく1日沼津を撮り歩きました。大口径単焦点レンズをマウントしたくなるような撮影行ですが、つまり、そんな気軽さ、単焦点のような写りの魅力を感じられるのか、そんなレポートです。


Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/1600, F3.2, ISO 100, Photo by TA

6月の空

Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/125, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/800, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/200, F2.8, ISO 100, Photo by TA

Canon EOS 5DsR, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/1250, F2.8, ISO 100, Photo by TA

画に説得力を添えるコンパクトな大口径標準ズーム

実は普段使いにはコンパクトで明るい単焦点レンズをマウントすることがほとんどなのです。大口径標準ズームレンズを所有していますが、スナップ撮影を楽しむには大きくて重いので、なかなか手が伸びません。今回登場した本レンズを手にしたとき、想像していたものよりもずっとコンパクトで軽いことに拍子抜けしました。カメラやレンズの大きさや重量は、それによって気が重くなったり軽くなったりするものですが、これならスナップ撮影も楽しめそうです。あとは、魅力ある単焦点レンズのような写りを見せてくれるのか、ですね。

レンズをマウントして横浜を1日撮り歩いてみました。ひとくちに横浜と言っても広く、1日となるとやれることは限られてしまいます。季節は取材班にとって頭の痛い梅雨時。その日の天気予報とにらめっこした結果、そのまま「6月の空」をテーマに撮ってみようと。この季節の空は、猫の目のようにクルクルと表情が変わります。空一面が鈍色に沈んでいたかと思えば、雲の切れ間から青空がのぞきます。肌をジリジリと刺す陽射しは夏そのもの。そしてまた雲が空を覆い雨が落ちはじめる。まるで変奏曲のようなこの季節を、このレンズがどのように写しとめてくれるのかを楽しみに撮影しました。

この季節は、どんなシーンであっても湿度があって空気が重いものです。撮影後モニタで画像をチェックすると、その「空気の重さ」がちゃんと写っていました。6月の温度や湿度までをも写し込む本レンズの描写力に、思わず変な笑みがこぼれました。コミカルだったり、シリアスだったりといった様々なシーンを見事に再現してくれるだけでなく、画に説得力を添えてくれました。(TA)


Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/80, F2.8, ISO 400, Photo by Z II

港町のひと

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/30, F2.8, ISO 400, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/30, F2.8, ISO 100, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/50, F2.8, ISO 400, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art, 1/8000, F3.2, ISO 100, Photo by Z II

沼津にはだいぶ詳しくなった

写真を撮りに沼津へ行った。もっと正確に言うと、東京−沼津間を3日間で2往復した。どうしてかというと、「撮り直し!」の一言を編集部から頂戴してしまったからだ。えっ!マジですか。マジだよ。時間は無い。で、3日間で2往復。いやー久しぶりに聞いたなあ、「撮り直し」。ちょっと懐かしくすらあったが、もう無いようにしたい。自分への戒め。

というわけで写真はすべて沼津だ。「港町」という言葉から連想される郷愁。活気と静けさが隣り合わせる感じ。そういうものを、しかも「人」を題材として撮りたかった。交通手段はあえてクルマを使わず、新幹線と在来線で。おのずと行動範囲は限られるが、よく知らない町を撮るとき、実はそれが大事だったりする。限られた時間で。限られた範囲で。あとは自分の観察力と勘を信じる。そういう「出たとこ勝負」の撮影には、ズームレンズ以外考えられない。それも使い勝手のよい焦点域を持った、コンパクトかつ明るいズームレンズが。シグマの24-70mm F2.8 DG OS HSM | Artは、まさに今回のような撮影にはおあつらえ向きで、わずか3日間ではあったが(いや、本当はもっと短かい筈だったんだけど)よき相棒になってくれた。少なくともレンズの性能に関する限り、心配事は一つもなかった。「撮り直し」の理由がレンズの性能ではなく、自分の性能にあったことなんて、あえて書くまでもないと思うけど、いちおう記しておく。(Z II)


  • PHOTO YODOBASHI変な笑みが浮かんだ、というのはこのカット。青空が見えますが、太陽は雲の中。その模様がよく再現されています。ハイライトからシャドーまでトーンの厚みを感じる描写です。
  • PHOTO YODOBASHI中央の女の子にピントを置きました。開放からシャープで、なによりクリアな描写です。信頼の置けるレンズだと感じました。一方でシグマがアナウンスしているとおり球面収差も意図的にわずかに残されているようで、適度な柔らかさを感じます。
  • PHOTO YODOBASHIお店を探す時は検索するより店の面構えを見て決めるのがZ IIのポリシーでありロケの楽しみでもある。沼津駅の南口をで出て気の向くまま歩いてみる。お、小さいが、負けん気の強そうな面構えの店がこっちを見てる?いや、こっちが見てるか。自分の勘を信じ躊躇なくガラガラと引き戸開け一人なんですが大丈夫ですかと聞くとおねえさん(おばちゃん)がにっこり大丈夫よ~と言ってくれた。1人で切り盛りする店のようだった。これぞ、ザ・沼津だろう!と心の中で小さくガッツポーズ。明るい24-70mmなら、こんな状況でもおばちゃんの表情をしっかり捉える。
  • PHOTO YODOBASHI朝の3時に宿を出発。漁港まで歩くことおよそ20分。当然まだ暗いが市場の中は明々と照明が灯りその下では真剣な顔の男達が競りをしたり、フォークリフトで右往左往している。ISO 400のF2.8ならあの素早く動き回るフォークリフトも流し撮りできそうだなと狙ってみた。手ぶれ補正のおかげもあり、いい雰囲気の写真が撮れた。このレンズはそれなりの大きさと重さもあるが防振付きでF2.8通しの標準ズームレンズとしてはじつはコンパクトで軽いほうなのかもしれないと思えてきた。

PHOTO YODOBASHI

レンズメーカーとしての自負を感じる1本

シグマといえば、リーズナブルなレンズを提供する「互換レンズメーカー」という印象がありましたが、矢継ぎ早にリリースされるプライムな単焦点レンズ群や、Contemporaryと銘打ちつつArtシリーズに決してひけを取らない描写と、レンズラインアップの実力底上げに並々ならぬプライドと意地に感心させられる昨今。コンセプトと直結したレンズを提供するレンズメーカーという印象にすっかり書き換えられてしまいました。

Artシリーズの1本としてリリースされる、大口径標準ズーム。広角から準望遠と難しい焦点域であり、かつズーム倍率が高く、設計難易度が高い1本です。あげく高画素化時代への対応や、撮り手の使い勝手を考えての手ブレ補正機構の実装。もはやテンコ盛り状態で、だからといって肥大化は許されないわけです。針の穴を通すように解を求めていった設計開発が目に浮かびますが、Artの名に恥じない見事なレンズに仕上がっています。

魅力的な単焦点レンズが揃う焦点域であり、その描写に魅せられた人達がこのレンズを手にしたとき、画角の制約を受けないということに感じ入るのならば、シグマは正しい仕事をしたのだと思います。そして、おそらく殆どの人がそう感じるのではないかと。常にマウントする、そんな“標準ズーム”に仕上がっています。

( 2017.07.07 )

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プロフェッショナルはもちろん、カメラを持っている人なら24-70mmという汎用性の高い標準ズームレンズは一本持っていたいもの。ズーム全域で開放F2.8というスペックなら、屋内外を問わず、幅広いシーンで多彩な撮影にトライできます。

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航空・宇宙産業などでも用いられる高強度素材ガラスセラミックを使用し、光学機器に使用できるまでの透過率を実現した新素材を採用した、シグマの保護フィルターです。いいレンズにはぜひいい保護フィルターをご使用下さい。

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シグマ自慢の単焦点も置いておきましょう。F1.4と2段明るくなりますが、3本を合わせた金額、そして重さ。あなたはどちらを選択しますか。

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レンズ交換の手間を惜しまないなら単焦点レンズも捨てがたい。そんな潔さに人は憧れるものです。その上でこのズームレンズの描写、いかがでしょうか。

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ズームレンズ1本でも単焦点レンズを1本ずつ揃えても幸せにはなれます。でも、両方揃えたらもっと幸せが見えてきそうな気がしませんか?(そう、そこなんです)

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