PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/250, F5.6, ISO 100, Photo by Z II

TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

8月2日、タムロンから「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2」が発売されましたので、早速レビューをお届けします。モデル名の末尾にある「G2」からも分かる通り、2012年に発売されたModel A007のジェネレーション2となる本レンズ。ボケの美しさと精緻な描写で定評のあった12群17枚のレンズ構成はそのままに、あらゆる角度からリファインが施されていますが、特に大きな進化点としては逆光に強くなったことと、手ブレ補正がさらに強化されたこと。24-70mmズームは「ザ・普段使い」のレンズ。付けっぱなしにしておけばまず困ることはないというレンズですが、この生まれ変わった第二世代の実力はどうでしょうか。ぜひご自身の目でご確認ください。撮影を担当したのはZ IIとAki-3です。


Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/40, F2.8, ISO 400, Photo by Z II

港町を味わう。

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/200, F4, ISO 100, Photo by Z II

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/25, F4.5, ISO 100, Photo by Z II

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/250, F6.3, ISO 100, Photo by Z II

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/640, F4.5, ISO 100, Photo by Z II

焼津人情ロケ。

焼津という町をご存知でしょうか。静岡県にあります。先日、同じ静岡県の沼津という港町に(二度も)行きまして、江戸っ子気質の残る東京の下町に住んでいる筆者にはとても静かなところに感じたのですが、かえってそれが心地よく、すっかり港町の虜となりました。こうなったらまだ見ぬ港町を訪ねてみたいという衝動が起き、沼津の少し先にある焼津という、聞いたことはあるけど行ったことのない港町を訪ねてみることにしたのです。相棒はタムロンの新製品Tamron SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2。機能面やレンズ自体の品質がめきめきと上がってきたタムロンが「クラストップレベルの高画質」と言い切るほどのレンズです。最新のレンズと筆者の昭和人情モノとのコラボレーションを見てもらえたらと思います。

港町だからといって魅力的なのは漁港や、海鮮丼だけではないのです。焼津に長年住んでこの街の歴史を知る居酒屋の店主の話を聞けたり、車で20~30分のところにある蓬莱橋や焼津市が一望に見下ろせる笛吹段公園など海、山、川、人の魅力はいくらでも挙げられます。そういう普段目線のものを切り取るには24-70mmという、いわゆる標準ズームはちょうど良いわけで、それもF2.8通しという大口径はボケ味を生かした人物写真、ワイド端24mmを使っての港町の風景など、見たままをさらに印象強く切り取れます。しかも強力な手ブレ補正機能や防塵防滴機能も付いていますので、天気がイマイチで光量が少ない時や、夜間や店内での撮影も積極的に連れ出せるセットです。今回出てこなかったみかん、おでん、富士山など、その他の静岡の魅力はまたの機会に。静岡人情シリーズはまだまだ続きます(たぶん)。(Z II)


Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/15, F5.6, ISO 200, Photo by Aki-3

由宇にて。

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/30, F3.2, ISO 400, Photo by Aki-3

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/1600, F2.8, ISO 100, Photo by Aki-3

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/60, F3.2, ISO 1600, Photo by Aki-3

Nikon D800E, TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A032, 1/2000, F4, ISO 200, Photo by Aki-3

それでもちゃんと「タムロンらしさ」が残っているのがうれしい

今回撮影をしたのは山口県の由宇(ゆう)というところ。岩国からさらに西へ向かった海沿いにある、人口9,000人の小さな町です。今回使ったタムロンは24-70mmズーム。つまり撮るものを選ばず、目についたもの、心動かされたものを次々と撮れるレンズです。さらにそこへF2.8通しという明るさがあれば、まぁ怖いものはないでしょうね。

使い始めてまず感じたのは、テレ端近く、60-70mmあたりのボケがとてもきれいだということ。画が濁らず、なめらか。ピントが合ったところからボケに移っていく描写などは天下一品です。一方、ワイド端近くでは多少周辺が落ちますが、これがまさに私好みの落ち方で嬉しい。周辺落ちを無くそうと開発努力をされていることを分かった上での敢えての発言ですが、広角での適切な周辺落ち、これ大事。タムロンのレンズは昔から折に触れて使い続けてきましたが、ここ数年の性能の底上げというか、レベルアップには驚くばかりです。それでもカチカチのコントラストで描写をシャープにするのではなく、シャープな中にも柔らかさを残し、暗部をしっかりと描写するあたりは変わらぬタムロンらしさで好感が持てます。今回は暗い森での撮影も多くしましたが、シャドウの表情をしっかり残してくれて助けられました。

重さは900グラムと、ものすごく軽いというわけでなく、むしろ先代のA007から少し重くなっているのですが、バランスがいいんでしょうか、ニコンD800Eに装着しての山歩きでは重さをまったく感じませんでした。今回の進化点として挙げられているゴースト・フレア抑止、手ぶれ補正も暗い山の中で存分にテストできましたが、これで10万円代前半ならものすごいハイコストパフォーマンスだと思います。(Aki-3)


  • PHOTO YODOBASHI店主が若かりし頃にマグロ漁船に乗った話を聞いたり、女将さんに撮ってもいいですかと聞くと顔がポッと赤くなったりするのを見るのはたまらなく好きです。そういう瞬間を切り取るとするならやはり標準域の大口径ズームレンズに勝るものはないですね。人を撮るのが好きというよりは人が好きなのでしょう。初めて入ったお店でしたが帰る頃には常連のように笑い合えるのは筆者の特技かもしれないです。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHIずっと先にお兄ちゃんが走って行ってしまい、追いかける弟の後ろ姿をAF-Cで狙いました。遠ざかる被写体にもAFは迷うことなく合わせてくれます。カメラを構えながら次男坊である筆者もいつか見た懐かしいシーンに一瞬タイムスリップしたような気分になりました。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHI森の木々の隙間から差し込む光を敢えて逆光で。いろいろな条件で試してみましたが、ゴースト・フレアの抑止能力はかなり高いです。かといって無味乾燥な描写にならないのが素晴らしい。ふわっとした光の柔らかなカタマリが、正に「こもれて」おります。(Aki-3)
  • PHOTO YODOBASHI最短撮影距離は38cm。シャープだけど、いやな硬さの無い、実にいい描写だと思います。プチトマトの表面の張りのある弾力や、梅干しの柔らかさ、さらには酸っぱさまで、簡単に想像ができます。ヨダレが出ます。(Aki-3)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

お求め易くて、高性能

24-70mm F2.8というスペックに、ゴースト・フレアの発生を極限まで抑え、5段の手ブレ補正効果が備わっているとなれば、「カメラに付けっぱなしのズーム」としてまさに怖いもの無しと言えると思います。予期しない時に、あらゆる状況に対応することが求められるレンズですから、これらは確実に役に立つ性能・機能です。

価格の話を。これを書いている2017年8月1日現在、ヨドバシカメラではフルサイズ対応の24-70mm F2.8というレンズは7メーカー・10種類を販売しています(同じレンズのマウント違いは除く)。その中で、本レンズより販売価格が安いのは2つ。そのうち1つは本レンズの親にあたるA007ですからそれも除くと、全体で2番目にお求め易いレンズということになります。一番高いレンズの半額以下。ここまで作例をご覧いただいた上でその事実を知ればもう、このレンズの魅力はじゅうぶん過ぎるほど伝わると思います。

( 2017.08.02 )

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手ブレ補正5段を実現したフルサイズデジタル一眼レフカメラ対応の大口径標準ズームレンズ。防汚コート、簡易防塵防滴構造を採用していますので、さまざまに変化する屋外の空模様にも不安なく撮影を進めることができます。

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高い防汚性能を備えた撥水・撥油コートをガラス両面に施し、水滴、油、指紋などの汚れが付着しにくい保護フィルター。超低反射ARコート「ゼロワンARコート」を採用し、NIKKORレンズにも採用している高品質な光学ガラスを使用しています。

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