PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SORI2 - 新宿光學總合研究所

第6話
カイハツのハナシ
そこには未開の荒野が広がっている?

原理試作

PHOTO YODOBASHI

3号

ここで試作に入るわけでござるな。ところで原理試作の「原理」とはどういう意味でござるか?

例えば「こういう効果を与えるフィルターを作ろう」と決めたとします。でも、それを実現させるやり方は、まだこの時点では無数にあるわけです。過去にやったことがある方法だけを組み合わせてできちゃうなら簡単なんですが、実際にはそうではない。

カイハツ髙橋

だからいろんな情報を集めて、いろんなやり方を自由に考えてみる。この段階ではまだ発売時期とか、開発/製造のコストとか、いっさい考えない。

カイハツ北村
1号

そういう制約があると、もうこの時点で打てる手が限られてしまうからですね?

そう。自由であることがまず必要。だから「どうやったら出来るか」だけをルール無しで考え、実行してみる。それが原理試作。

カイハツ髙橋
2号

でも、今までにやったことがないやり方を、どうやって考えつくんですか?

開発のヒントになるようなコト/モノがどこかに無いか、世の中を広く見回して探すのです。

カイハツ髙橋
3号

世の中を? 見回す?

知らない世界に足を踏み入れてみるんですよ。例えば、よく利用するのは展示会。

カイハツ髙橋
4号

展示会って? CP+みたいな?

よく注意して見ると、実はいろんな展示会がしょっちゅう行われています。加工機械の展示会とか、新素材の展示会とか、新技術の展示会とか。われわれが棲んでいるカメラや光学の世界だけじゃなく、いろんな展示会にせっせと足を運んで、フィルターに応用できる技術や素材がないか探し回るんです。

カイハツ髙橋
1号

そういえば以前にも「あらゆるものがフィルターになりうる」っていう話がありましたね。

「この展示会には目ぼしいものは無さそうだな」なんて先入観を持たず、とにかく行ってみる。行けば必ず何かしら発見があるし、使えそうなものが見つけられなかったとしても、そこで得た知見は次に繋がる。実際に見る。手に取る。話を聞く。そういうのってすごく大事です。

カイハツ髙橋
2号

まるで宝探しですね。

まさにそんな感じ。すごく刺激を受けますね。もちろんネットでも情報を集めるし、いろんな業界紙(誌)も丹念に漁る。おっ! というものが見つかれば、そこから関連する基準や規格を調べたり。

カイハツ髙橋

そうやって、いろんな要素を掛け合わせたり、積み重ねたり、既存の技術と組み合わせたりして、混沌としたところから少しずつ幅を狭め、自分たちが目標とする方向に駒を進めて行くわけです。

カイハツ北村
1号

暗闇を手探りで進んでいるうちに、少しずつ光が見えてくる・・・みたいな。

2号

なんだか楽しそう。でも大変そう。

そうなんです。楽しいけれど、実はここがいちばん時間がかかるところでもあります。やっと見えてきた光が急に消えてしまうことだって、フツーにありますしね。過去には、ここに4年かけた例もあります。

カイハツ髙橋
1号

4年! 確かに「まず企画ありき」だったら、それは不可能だ。

「このぐらいでいいんじゃね?」っていう発想が、われわれには無いんですよ。時にはそういう力を抜いた考え方も必要だとは思うのですが、いつもやり過ぎちゃう。

カイハツ北村

諦めが悪いんですよ、ここの人たちはみんな(笑)

オヤカタ関