PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by A.Inden

SONY SEL400F28GM FE 400mm F2.8 GM OSS

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ソニーEマウント系に焦点距離400mmの超望遠レンズがいよいよラインナップに加わりました。Gマスターシリーズ渾身の一本、「SEL400F28GM FE 400mm F2.8 GM OSS」です。Eマウントユーザーにとってはこの大口径超望遠レンズの登場を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか。東京で行われる2020年の世界的イベントも控えていることもあり、今年の7月に予約受付がスタートした受注生産品となります。

実際に手にしてみると、35mmフルサイズ対応レンズですからその存在感たるやなかなかのもの。全長359mm、重量2895gですからね。と、さらっと書いてしまいましたが重量はなんと3kgを切っているではありませんか!本レビュー執筆時点での、他メーカーのフルサイズ向け400mm大口径レンズの重量は3800gあたりですよ。これはもう圧倒的な軽さを誇っているわけです。感覚的には300mm大口径レンズに近いといえるでしょう。マグネシウム合金製の部品を積極的に使用し、光学ガラスよりも比重の小さい蛍石レンズを贅沢に3枚も組み込んでいるとのこと。おかげで大口径超望遠ながら手持ちの撮影でも、グイッと被写体に切り込んでいけるというものです。

スペック的なところをざっと見てみると、レンズ構成は17群23枚(フィルター1枚含む)を擁し、最大撮影倍率は0.16倍。駆動系には新開発のXDリニアモーターを2基搭載し、静かで高速・高精度なAF動作を可能にしており、動体追従性能にも磨きがかけられています。また、自然でやわらかいボケ味に寄与する円形絞り羽根は11枚。安心の防塵防滴に配慮した設計。という内容になっています。Gマスターの厳格な設計基準によって開発された光学系がもたらす、高い解像性能、そして美しいボケ味はいかに? 今回は、1秒間に20コマという連続撮影が可能なハイエンドモデルのα9ボディにマウントして、気合の手持ちにて撮影してきましたので、早速ご覧いただきましょう。


SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by Z II

躍動

SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by Z II

SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter, Photo by A.Inden

SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter, Photo by A.Inden

SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X Teleconverter, Photo by A.Inden

写りに関しては見ての通りキリッとシャープですが硬すぎず、しっとりとした湿度までもが写りこむかのような流石の写りでした。となると気になってくるのはAFの精度と速さでは無いでしょうか。こちらもある程度はすごいのだろうと予測をして挑みましたが、なるほど最高級とはこういうことかと。AFの動作は驚くほど静かで機敏。迷いのないその動きには優雅ささえ感じるほどです。つまり腑に落ちたということです。また動きモノの撮影には欠かせない追尾モードでも抜群のくいつきでロックオン状態を維持してくれました。これほどの動作性能と使い勝手を体感してしまうと、他の機材を使った時にまどろっこしくなるのでは無いかという別な不安が芽生えてくるほどです。今回のテスト撮影で使用したボディの「α9」は、高い連写性能や最新の手ぶれ補正機能に加えEVFも見やすく、この「FE 400mm F2.8 GM OSS」との相性は間違いなくベストな組み合わせですので、ハイアマチュアの方からプロの方の要求でさえも想像を超えた満足感をもたらしてくれることでしょう。(Z II)


SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X Teleconverter, Photo by A.Inden

残夏

SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, 1/4000, F2.8, Photo by A.Inden

SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X Teleconverter, Photo by A.Inden

SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, 1/500, F2.8, Photo by A.Inden

SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, 1/6400, F2.8, Photo by A.Inden

作例を撮るときは、機材の特質(レンズの場合は発色とコントラストとボケ味)が良くわかるような「テーマ」を設定してからスタートします。作品を取る場合、被写体と写真の表現方法を考え機材を選んでいくことが多いので、順序が逆になるということですね。後先は違うかと思いますが、このレンズを使うとこんな表現ができるんだなと想像しながら見ていただければと思います。

SONYからイメージする描写は、色ノリの良い、コントラストがはっきりしたインパクトの強い画作りです。こってりした画を撮ってみようと考え、今年の暑すぎた夏からイメージしてテーマを「盛夏」に決定、超望遠レンズ(と言っても、マグネシウム合金製部品を使用した重量は2895gですが)を担いで酷暑の湘南を歩いてみました。結果、タイトル「残夏」からおわかりのように真逆の表現になってしまいました。惨敗・・・でもこの優しい描写は私の好みなのです。近頃のレンズを見渡すと、シャープに見せるためにコントラストが高く、カリッとした表現が主流になってきたような気がしていました。ところが「FE400mm F2.8 GM OSS」はその方向性とは違い、シャープさ、コントラスト、階調、その全てに余裕を感じる品のいい描写をみせてくれます。そして11枚羽根円形絞りで表現されたボケ味は、絞った場合でも被写体の形を感じさせながら柔らかくスムーズにボケていきます。400mm F2.8というと、スポーツを撮るのに最適なレンズと思われがちです。でもこのレンズであれば、柔らかい描写を生かし、人物や生物の生き生きとした自然な表情を、威圧感のない少し離れた距離から写真に収めることができるのではないでしょうか。ところでレンズとは違う話ですが、「α9」いいカメラですね。久しぶりに気持ちのいいシャッター音とシャッターレリーズに出会いました。このフィーリングは写真を撮りたいと思わせるものですね。(A.Inden)


PHOTO YODOBASHI

とびっきりの画質を、軽快に得られる幸せ。

ホントまぁ、とにかく呆れるほどよく写るレンズです。やはりそこはGマスターレンズですからね。さらにその中において、最高額のプライスタグが付けられているのですから。当たり前と言ってしまえばそれまでですが、使う前からすでにハードルがドーンと上がった状態で撮影に臨んだわけです。そしてその期待を裏切らない、確かなアウトプットを披露してくれた「FE 400mm F2.8 GM OSS」。さすがです。緻密な描き込みはもちろんのこと、いわゆる両立が難しいとされる高い解像力と柔らかな美しいボケ味が、あたりまえのごとく共存していますからね。プロカメラマンやハイアマチュアの方々のために用意された極上の一本とはいえ、Eマウントユーザーなら一度は手にしてみたい、気になる存在となったのではないでしょうか。今回、2種のテレコンバーターを介して撮影しましたが、ほとんどと言っていいほどに画質の低下は肉眼で感じられず。最大となる800mm相当の画角でズバッと切り取るのもこれまた一興。とにもかくにも、フルサイズ用超望遠レンズでとびっきりの画質が、軽快に得られてしまうというありがたさ。手にした人だけが味わえるこの幸せ。ぜひ一人でも多くの方に体験して欲しいです。


  • SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 1.4X Teleconverter, Photo by A.Indenテレコンバーターが入っていると全く感じないぐらいシャープで、色の濁りも感じません。AFの合焦スピードも速く目の前を通り過ぎていくアオバトにもしっかりとピントが合っています。AF-Cモードで撮影しましたが、一度ピントが合えば最後までしっかりピントを追い続けていました。普段望遠で動く被写体を撮ることは少ないのですが、経験不足を機械がしっかりカバー。頼もしいです。
  • SONY α9, FE 400mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter, Photo by A.Inden波の雫一粒一粒まではっきり。テレコンバーターの使用で800mmF5.6相当となる撮影です。 Hモード秒20コマでは速すぎたのでMモードの秒10コマ、AF-Cモード。AF-Cでの撮影時はあらかじめ被写体を画面のどの位置に配置するかを考え、フォーカスエリアをそこに移動させておくと失敗のない撮影ができます。望遠が得意でない筆者でも正確な設定により、この通り撮影することができました。
  • SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by A.Inden少しお米の形がわかるようにまで稲が育ってきました。どこまで柔らかさが表現できるか、逆光の条件でテスト。説明はいらないですね。
  • SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by Z II2倍のテレコンバーターを使用。疾走する馬を狙って気がつきましたが、馬の動きと騎手の動きは全く別方向に動きますので、どちらもブレを止めるにはシャッタースピードを速くするしかなく、少し感度を上げて撮っています。波打つタテガミと800mmで切り取った画角は迫力があります。
  • SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by Z IIこちらも2倍テレコンを装着して着陸シーンを狙ってみましたが・・・流石に距離がありすぎて空気の揺らぎにやられました!被写体はまったくシャープには写っていませんが、これはこれで雰囲気はかなり伝わるのではないでしょうか?それにしても暑いっ。
  • SONY α9, FE400mm F2.8 GM OSS, Photo by Z II飛行機の胴体を下から狙ってみました。絞り開放、しかも2倍のテレコンバーターを挟んでいます。ずいぶんと遠くから被写体を捉えていますが、質感も立体感も申し分無いですね。

( 2018.09.21 )

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Eマウント待望の単焦点大口径望遠レンズがついに登場です。速写性に優れたα9ボディとの組み合わせで、ハードなスポーツシーンにも高画質で迫ることができます。

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5群6枚のレンズが入った光学1.4倍のテレコンバーター。マウント基準での厚みはたったの17.2mm(全長33.6mm)です。

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光学2倍のテレコンバーターでレンズ構成は5群8枚。全長は42.5mm。FE 400mm F2.8 GM OSSが800mm相当レンズに変身!

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