PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

待ってました!と思うか、やっとですか〜と思うかは人それぞれでしょうが、ボケ味には定評のあるSIGMA Artシリーズの切り込み隊長、SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | ArtのEマウント版がいよいよ発売されました。Canonマウント版を試写したのはもうだいぶ前、2012年11月のこと。繊細な描写と開放での独特な写りに惚れすぐに購入。それ以来、ここ一発の勝負をかけた撮影に無くてはならない相棒になっています。SONY Eマウントユーザー向けには、これまでもマウントコンバーター「MC-11」を使うことでのAF撮影は可能だったのですが、レンズをEマウント化することでAFをレンズごとに最適にチューニング、カメラ内の手ブレ補正機構、収差補正機能も使えるようになりました。さて使い込んできたこのレンズ、SONY α7Rのセンサーとどのような化学反応を見せてくれるのか、楽しみですね。

( Photography & Text : A.Inden )


SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

夏待ち

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

予想通り、繊細に描かれた線が見せてくれる、狙った被写体が少し浮き出したように見える描写は健在でした。正確に言うと、3640万画素、ローパスフィルターレスのセンサーを搭載したα7Rを使うことで、その特徴がさらに強調されたような感じを受けました。そして、開放で一番特徴が現れる繊細な写りが楽しくて、気がつくとレンズに絞りは付いてないの?と言われても仕方がないような作例を連発してしまいました。まぁそんなことは今に始まったことじゃありませんので、これがPYということでお許し下さい。

梅雨のじめっとした雰囲気の1週間、気分転換に夏を近くに感じられる風景を探してみました。湿度のある風景をうまく描写するには、階調の豊富さはもちろんですが、質感を丁寧に描いていく方法で立体感を表現する描写が必要になってきます。35mm F1.4 DG HSM | Artの繊細な描写は、ピントが少しボケているところまで丁寧に質感が描かれていて、被写体の手触りまで感じさせる素晴らしい写りです。暗部のトーンもα7Rとのマッチングの良さもあると思いますが、かなりアンダーなところまで質感が感じられます。開放では若干周辺光量落ちが感じられる作例もありますが、このあたりの好みは分かれるかもしれません。(私は大好物ですけどね)


35mm F1.4 or 24mm F1.4

今回は、24mm F1.4 DG HSM | Artと35mm F1.4 DG HSM | Artの2本を同時に渡され、「どうせなら同時に撮影に持ち出して、2本のレンズを比較してみて」というお題をもらいました。レンズレビューという仕事で、同じメーカーの複数のレンズを同時に試すというのはなかなか無い機会。2本の描写の違いを比べてみたいと同じようなシーンを撮ってみました。実際に撮り比べてみて、ハイライトの飛び具合、発色、全体のトーン、ピントピークの繊細な描写など本当に似ているなと感心しました。レンズの特徴が同じということは、レンズ交換しても描写の傾向を変えずに撮影を続けることができますね。Artとネーミングされたレンズの特徴が同じということには好感が持てます。レンズのラインナップをArtで揃えれば、安心して同じ雰囲気の作品を作ることができますね。あまりにも描写が似ているので、どちらのレンズで撮ったものか考えていただきたいと思い、同じ条件で撮影したカットを横に並べてみました。まぁパースのつき方ですぐわかる作例もありますが、一見どちらで撮ったかわからないように撮影した作例もあります。じっくり観察することで24mmと35mmのレンズの違いを再確認していただければと思います。撮影は全て開放。答えは一番最後のカートの前です。

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大きくて重いけど、使わずにいられない

Artシリーズが登場して少し経った頃、シグマの開発者の方にお話を伺う機会がありました。描写についてベタ誉めした後で、こんな質問してもいいのかなと思いつつも我慢しきれず、「どうしてこんなに大きくて重いのですか?」と単刀直入に訊いてみると、「Artシリーズは描写性能を徹底的に追求したレンズ群です。それだけを見据えて一切の妥協を排した結果です」との答え。本当はもう少し小さくて軽いレンズを作って欲しいなと思って質問してみたのですが、真剣な眼差しでこう言われて、100%納得した記憶があります。いま冷静に考えれば、使い方によって “Art” “Contemporary” “Sports” という3つのシリーズを展開しているからこその言葉と理解できるのですが。機材は小さくて軽いほうがいいと普段から真剣に思っている私ですら、この繊細な線で描かれたような独特の描写を見ていると、このレンズでしか撮れない世界があることが分かる。だから結局使う。確かに大きくて重いですが、ここぞという撮影にはいい仕事をしてくれる。そんな相棒のようなレンズだということは、自信を持って言うことができます。

もみじ
左:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/320, F1.4, ISO 100)
右:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/200, F1.4, ISO 100)


左:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/6400, F1.4, ISO 100)
右:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/5000, F1.4, ISO 100)

商店街
左:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/2000, F1.4, ISO 100)
右:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/1600, F1.4, ISO 100)

あじさい
左:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/800, F1.4, ISO 100)
右:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/1000, F1.4, ISO 100)

( 2018.06.29 )

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シグマArtシリーズのフルサイズ用としては一番最初に出た、あの名作レンズがいよいよEマウント化。6年の歳月を経て"Reborn"した35mm F1.4です。

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どんなフィルターをつけるかは、そのレンズへの「敬意」の現れでもあります。ぜひ、プロテクトフィルターも最高のものを。

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