PHOTO YODOBASHI

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Aマウント・アンセム 〜そこにレンズがあるから〜

Aマウント・アンセム! なぜ、Aマウントなのか。そこに答えなどありません。どうしてもというのなら答えましょう。そこにレンズがあるからです。正直カメラ1台レンズ1本でよいわけで、高倍率ズームなら尚可!写真の本質という意味からは、機材がどうのというのはまったく関係ないわけです!つまりレンズを交換するなんてことはムダなことなのです!切迫した現場でレンズを交換する暇などありませんし、それがイヤだからとボディ2台に焦点距離の違うレンズをそれぞれマウント? 肩に食い込むストラップ、支払い明細に深く刻まれる債務、ご苦労様です!・・それなのにも関わらずですよ? 世の中にはなぜこうも大量の交換レンズがきら星のごとく夜空に散らばるのでしょうか。話はかんたん、要はとっかえひっかえするのが楽しいってことなんでしょう。さしずめ、機材への興味と物欲をがぶ飲みする内燃機関・暴走列車! そのうちアンドロメダぐらい届かんかな〜。無理かな〜。

本題にまいりまして、、Aマウントですか? 当時、ツァイスの魅力ある最新かつAFレンズが数本ラインアップされていたのです。私がこのマウントのレンズに惹かれた理由は、ファインダー上で仕上がりが見える先進的なEVF搭載一眼レフの存在、豊富な交換レンズ群、そして先述の最新ツァイスレンズ、ボディ側で手ぶれ補正、つまりすべてのレンズで手ぶれ補正が効くといったところです。今回より3回に分けてお届けしますが、私が気に入っているAマウントレンズの世界を賛歌としてお届けいたします。みなさんもお財布握りしめてご一緒にどうぞ!

( Photography & Text : K )


SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

Vol.1 : SONY SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

PHOTO YODOBASHIBokehという絵筆
135mm、72cmまで近接が可能、開放F1.8。ファインダーにひろがる世界を見るだけで撮影の腕が上がったのではないかと錯覚させてくれるレンズ。寄れるレンズで、テレマクロ的なアプローチで被写体を捕らえると、大きく美しいボケが被写体を浮かび上がらせてくれます。引いてもF1.8という開放F値から、たいていの物事はボケが画面整理してくれます。引いたときのボケ味は、パレットに絵の具を重ねるような、嫌な輪郭を伴わない絵画的なもの。それが写真にちょっとしたものを添えてくれて、ファインダーを覗くのがともかく楽しい、導かれ撮らされる楽しさ。どんなものも、どのように撮ってもドラマティック。たまらなく、面白い。


SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

「密度」

このレンズの物事を捉える力、その密度の高さには、使う度に驚かされます。

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

空気、温度、湿度、被写体と自分の間にあるもの、そんなものは写らない。しかしなんとか写らないだろうかと、いつも考えます。フレームで、被写界深度で、露出で、または“ピーク”の一歩手前でシャッターを切ったり。いろいろな“手遊び”をしますが、このレンズを用いるということは、そのどれよりも効く気がします。たんに好みで、そんな気がするだけかもしれません、それもまた一興。


SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

「断片」

密度ある画を結ぶレンズの能力をそのまま活かすのも面白いし、135mmが持つ画角を利用してシーンの断片を拾い、捕まえるのも面白い。

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K

SONY α99 II, SAL135F18Z Sonnar T* 135mm F1.8 ZA, Photo by K


PHOTO YODOBASHI

“ZEISS Sonnar” そして、α99

Sonnarの135mmと聞いて、真っ先に思いつくのがCONTAXの一眼用135mm F2.8です。ZEISSにしてはコンパクトなレンズにまとまっていて、写りも素晴らしい名玉と呼ぶに相応しいレンズだと思います。当時、開放F2のPlanar 135mmがラインアップされていましたが、とても手が出ないレンズでした。後年試す機会に恵まれたのですが、これが大変気むずかしいレンズ。とても使いこなせるとは思えなかったのを覚えています。Planarと名のつくレンズにはこんな玉が結構あったりしますが、反面Sonnarでそんな記憶はありません。あらためて、手持ちのSonnar 135mm F2.8に惚れ直したものです。そして、今回紹介したSonnar 135mm F1.8は、その開放F値と「Sonnar」であることにまず惹かれました。ボディ側で手ブレ補正が効くのも魅力であるし、EVFで仕上がりが見えるのはもちろん、ピントピークの確認が光学ファインダーに比べて格段に「確実」なのです。レンズの方を先に手に入れましたが、後にα99が登場し、本来の画角で撮影可能に。惚れ込み、ボディとセットで随分使い込みました。描写の方はサンプルをご覧のとおりで、ボケ味も味わい深く、開放からピントピークのシャープさは目を見張るものがあります。画素数の上がったα99IIでもまったく問題のない描写。手に入れた初期の頃のように、さすがに街で振り回す機会は減りましたが、自分の好きな車やバイクを撮影する際には、いまでも必ずといってよいほど本レンズを手にします。

135mmは、物の形が見た目に近く写ります。実は街撮りなどで、捉えたいシーンに対しての距離を考えると、ツボにはまることが多く、街で振り回しても面白い画が撮れます。最短も焦点距離を考えれば意外に短いため、寄りの画も面白い。1本持っておくと楽しいでしょう。私にとって、Aマウントへの入口であり、いまでもAマウントのカメラを使う理由の1つになっているレンズ。これからも遊び相手として活躍してくれることでしょう。

ZEISS銘のレンズだけでも、そこそこあるんです、他にもレンズが。α99IIは、最新のセンサーを搭載しています。興味のある方は、まあ覚悟して足を踏み外してください。もとい、踏み入れてください。次回はどのレンズを取り上げるか未定ですが、来週中に撮影を行います。ぜひお楽しみに。

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( 2018.05.18 )

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Aマウントの最上級機、α99 II。Aマウントユーザーの方も、「まさかII型が出るとは」と思われたのではないでしょうか。Eマウントに勢いを感じるソニーではありますが、歴史あるAマウントも忘れてはいません。

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数多く名レンズをラインナップするAマウントレンズから、今回はこちらのレンズをご紹介しました。ツァイスで135mm F1.8というスペックにも痺れますが、この写りにもまた痺れます。恐らくそれが正しい反応です。

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