PHOTO YODOBASHI

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SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary

シグマ Iシリーズに登場した広角単焦点レンズ SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary をご紹介します。24mmという広々とした画角に開放F2の明るさを持つコンパクトなレンズで、同シリーズに共通する切削アルミニウムの外装や確かな手応えが撮影気分を高めてくれる1本です。この明るさがあれば朝夕のスナップはもちろん、星景・夜景撮影にも力を発揮してくれるはず。レンズ構成はSLDガラス2枚、FLDガラス1枚、非球面レンズ2枚を含む11群13枚で、軸上色収差を中心に諸収差を補正しながら小型軽量化を実現しています。小さくともキレ味のある写りがどんな撮影体験を与えてくれるのか、SIGMA fpと組み合わせて確かめに行きましょう。

( Photography : A.Inden / Text : Serow )

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

空が色づいていく日暮れの時間、ビーチサイドのバスケットゴールを見上げてシャッターを切りました。かつて白く塗られていたであろう木製の支柱、パンチングされた金属のバックボード、風に揺られるネット。素材を判別できるだけの情報量がシャドウ部にしっかり残っていることがわかります。これで開放ですから痺れますね。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

浜辺で朽ちていく木の表面の乾いた質感も、波風に晒されて磨き上げられた表皮のなめらかさも、肌触りまで伝わってくるようです。この距離にピントを置けば被写界深度も浅く、前後の自然なボケがピントピークの緻密な描写を際立ててくれます。グッと迫って被写体をダイナミックに描くのは広角レンズならではのお楽しみ。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

前後に奥行きのある切り取り方をするとボケ具合が良く分かります。少し被写体が煩雑な場面ですがボケに煩いところがなく、ピント面の描写は極めて緻密。ご覧の通り逆光のシーンながらクリアな写りで、画面の隅々まで丹念に描いてくれました。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

ここまで逆光に強いのなら、むしろ積極的に光あふれる写真を狙っていきたいものです。そこで大胆に太陽を配置して木の葉を通過する光の姿を1枚。この焦点距離の大口径レンズではどうしても周辺が甘くなるものですが、端まで緩みのない描写は流石ですね。画面一杯をキッチリ写したいという気持ちに答えてくれる頼もしいレンズです。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden


SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

開放から積極的に使えるレンズですが、こうしたシーンであれば少し絞るだけで安心感が増します。全域でシャープな描写を見せてくれて、色乗りもコントラストも良好。この焦点距離ですからほぼパンフォーカスのスナップとなり、テンポのよい撮影が楽しめると思います。ステッピングモーター搭載で、AFもストレスを感じさせないスピードです。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

広角レンズをカメラに装着してお散歩するなら建物や構造物などは絶好の被写体に。ミラーレスカメラに最適化されたIシリーズはカメラ側とうまく役割分担をしながら収差を補正し、コンパクトなサイズで驚くべきパフォーマンスを発揮します。直線が直線に写るということが重要であって、だからこそ撮れる写真があるのですよね。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

強い逆光に向けて絞ったワンカット。多少フレアは見られますが、この美しい光芒は魅力のひとつですね。朝夕の光が織りなすグラデーションに対して躊躇せずにレンズを向けてみましょう。想像以上にクリアに、トーン豊かに、目の前の光景を留めてくれるはずです。

SIGMA fp, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden


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クリアに、クリーミーに、キャプチャする

Iシリーズに共通することですが、実にクオリティの高いレンズです。被写体に近づき絞りを開いて柔らかく撮るもよし、引いて絞ってカッチリ撮るもよし、期待を裏切らない描写で目の前の光景を写していくことができます。広角単焦点レンズというと難しい印象があるかもしれませんが、今やスマートフォンのカメラの画角に慣れているからでしょうか、ごく自然に使えるオールマイティなレンズだと感じました。これからデジタルカメラを始める人にとって、本レンズこそが実は最初の1本に相応しいのかもしれません。いつもと同じように構えて撮るだけで高画質の写真が手に入り、寄ればしっかりボケて、夜景だって逆光だって気軽に撮影できてしまうのですから。

このスペック、このクオリティのレンズが、この大きさで使えるから価値があります。これ1本をカメラにつけて、日常や旅先のキャプチャを大いに楽しんでください。加えて65mm90mmをカバンに忍ばせておけば、一層豊かな表現力を手にすることができます。本レンズを皮切りに、Iシリーズの世界を堪能するのも悪くない選択です。

( 2021.11.19 )

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現代における常用レンズは24mmとなるのか。その使い心地と写りをお確かめください。

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意外と被写体に寄って撮りたくなってしまうのが広角レンズです。転ばぬ先のプロテクターをどうぞ。

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