HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ペンタックスユーザーの皆さま長らくお待たせいたしました。APS-C一眼レフカメラ用レンズ「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW」がスターレンズの称号を提げての登場です。すでに発売されている「smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM」と「smc PENTAX DA★50-135mm F2.8ED [IF]SDM」に本レンズが加わり、スターの称号をもったAPS-C一眼レフ用大口径ズームレンズのラインアップが完成。併用することで、ありとあらゆるシーンに対応可能となりました。

本レンズは焦点距離11～18mm（35ミリ判換算17〜27.5mm相当）を有し、壮大でダイナミックな表現が得られる超広角域から、使いでのある準標準域までをカバーしています。そしてプロフェッショナルな現場では必須といわれるF2.8通し。建築の現場や星空の撮影、風景やスナップ撮影等においても実用性の高い一本でしょう。また、特殊低分散（ED）ガラスや非球面レンズの使用、そして新世代のマルチコーティング（HDコーティング）といった最新の技術を駆使し、「小型・軽量化」と「高い性能」という相反する要素を、より高次元にシンクロさせた本レンズ。もちろん、厳しい環境下で使用することが想定された防塵・防滴構造と-10度での耐寒動作保証付き。作り込みにも妥協は見当たりません。「新世代のスターレンズ」が示すバッジは、極限まで性能を追い込んだレンズに与えられた証です。果たしてどんな描写で魅せてくれるのでしょうか。ではさっそく作例をじっくりとご堪能ください。

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春近し

早咲きの桜を見かけました。複雑な11群16枚構成ですが、ヌケのよさも優秀です。

ワイド端で撮影しました。立体感ある描写がいいですね。

自然な描写が実に素晴らしい。ワイド端では四隅がわずかに甘くなるようです。

こちらはテレ端。最短撮影距離は30cmとフード先端から10cm程度先まで寄れます。レンズ全長の変わらないインナーフォーカスに、フィルター枠固定のズームなど、強度や防塵防滴にもよく配慮されています。

ワイド端もフルサイズ換算17mm相当と扱いやすい画角ですから、積極的に振り回して遊びたいですね。

超広角レンズですから、強い光源がフレームに入ってしまうことは多々あります。画質の低下こそありませんが、ゴーストはわりと出やすく感じました。撮影時はかなり強い雨が降っていましたが、ペンタックスのボディとレンズなら安心です。

春間近。さあ、フィールドへ！

3月を間近に控え、寒かった冬にもようやく終わりがみえてきました。東京ではあと1ヶ月もすると桜が咲き乱れる春になっているかと思うと、写真に彩りを添えやすくなってきたことにも頷けます。今回撮影しました「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW」はAPS-C向けの広角ズームレンズ。フルサイズ換算で17〜27.5mm相当となりますので、ズーム倍率は比較的低め（約1.6倍）といってもいいでしょう。とはいえ、対角画角にして104〜76度ですから、画角の変化は大きく、超広角から広角域まで扱いやすい画角を上手にカバーしています。本レンズは低めのズーム倍率としたことで、いくつかの「強み」を手に入れています。まず、F2.8通しの大口径ながらもボディとのバランスのよいコンパクトさ。そして★（スター）レンズを名乗るに相応しい高い光学性能。特にボケ味のよさと誇張のない素直な描写は広角レンズとして特筆すべきもので、遠景でも開放から使っていける安定感はさすが。ワイド端ではややタル型の歪曲が出てきましたが、恐らく不自然にならない描写を重視したのでしょう。案外、超広角域では直線過ぎるのも違和感を覚えるものです。一方でテレ端は、28mmというよりも35mmレンズを使っているかのような安定感のある描写で、「広角ズームのテレ側なんてあまり使わないだろう」と思っていましたが、このレンズを使う以上は「使わないともったいない」と念のため申しあげておきたいと思います。

次に操作性について触れておきましょう。まず鏡胴の剛性感が非常に高く、カメラにマウントしたときの一体感は絶大な安心感に繫がっています。アウトドアフィールドでの扱いやすさを想定した、やや大ぶりなローレットのデザインはこれまでのペンタックス製レンズと同様で、使ってみるとピントリング、ズームリングともに操作ミスの起こりにくいよくできたものだと感心します。スイッチ類も大きめで切り替えは明快。フードにはPLフィルター操作用の窓も備えられています。例えオーバースペックであろうとも、高い防塵防滴性能や-10度までの耐寒性能など、ボディと合わせて非常に高い信頼性を持っていることがペンタックス製レンズの強みですから、その点で一切の妥協を感じない仕様が嬉しいですね。春はもう間近、このレンズを持ってぜひフィールドに飛び出してみてください。（Naz）

• こちらはテレ端。質感再現の高い描写は繊細で気品を感じます。こちらは開放ですが、絞ってもカリカリしないのが嬉しいですね。
• 鏡胴に備えられた「CLAMP」スイッチにより任意の位置でフォーカスを固定できるため、風景撮影のように三脚にカメラを据えてAFフレーム外に被写体を置く場合等に有効です。このカットでは、飛び立つタイミングが読みにくく、至近距離ではAFで追うことの難しい鳥を、深度の深いワイド端にてフォーカスを固定して撮影しました。

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極限まで高められた性能。そして小型・軽量な大口径超広角ズームレンズ

いかがでしたでしょうか。主張はそう強くない、どちらかといえば控えめ。けれども心の琴線に触れてやまない。いつ見返しても、改めて「良いな」と思う。そんな印象を受けました。幾重にも重なり合った細い線で結ばれた精彩な画は、時に力強く、時に優しく語りかけてきます。特に印象的だったのが植物の描き方。とても自然で好感が持てますね。

最短撮影距離は30cmと背景のボケを生かした近接撮影も得意。絞り羽根9枚の円形絞りで、柔らかなボケも得られるといった至れり尽せり具合。描写もご覧いただいた通り、単焦点に引けをとらない写り。F2.8通しの大口径超広角ズームであり、かつ、この描写性能です。クラスや性能面から言っても、本レンズはフード込みで約739gと軽量でコンパクト。描写にこだわりたい、でも持ち運ぶことを考えたら、より軽くてコンパクトな方が良い。こういった願望を叶えてくれるのが本レンズです。

APS-Cレンズ大口径ズームシステムにラインアップされている3本のスターレンズをコンプリートすることで、超広角から望遠までが一つの軸で結ばれます。その使い勝手はもちろんのこと、写真表現においても良い味方になってくれるのは想像に難しくありません既に同ラインナップで発売されているズームレンズをお持ちの方も、またそうでない方にも、「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW」はおすすめしたい一本です。説明を読むまでもなく、すでに作例をご覧になった段階で購入を検討された方も多いかと。それはきっと正しい選択です。このポテンシャルを実際に手にとって感じてもらいたい。そう思うのです。

( 2019.02.25 )