PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/8000, F5.5, ISO 200, Photo by NB

Panasonic LUMIX DMC-GH5 / SHOOTING REPORT

Panasonicミラーレス一眼カメラのフラッグシップモデル「LUMIX GH5」の登場です。高画質なスチル撮影と4K動画記録を可能にした先代の「LUMIX GH4」の発売から3年の時を経て、マイクロフォーサーズ型Live MOS センサーは遂に有効画素数約2033万画素へとアップし、加えてローパスフィルターレス化。そして約800万画素のサイズで記録する4K動画は、60コマ/秒(従来は30コマ/秒)での記録を可能にしました。と、さらっと書いてしまいましたが、いわゆるこの4K/60p動画記録は、業務用ビデオカメラでも多く採用されてきたスペック。これをマイクロフォーサーズ機ならではの機動性に優れたコンパクトなボディで実現してしまったのです。映像制作分野に強みがあり、各地で盛大に行われるカメラショーにおいても大々的に「4K」を掲げてきているPanasonicならではの意欲作。というわけで、フォトヨドバシPYにしては珍しく!?レンズ交換式一眼カメラで初となるムービー撮影を敢行してきました。使用レンズはキット同梱の「LUMIX G VARIO 12-60/F3.5-5.6」。スチル撮影のカットと併せて、じっくりとご覧いただきましょう。

( Photography : NB / Text : KIMURAX )

一部始終をありのままに、つつがなく。

風に揺らめく水面。太陽光を反射する美しいきらめき。不意に飛び立つ鳥の自然な動き。パラパラ漫画みたいなコマ落ち感は、ほとんど無いといっていいほどに、あらゆるものの挙動がスムーズに映し出されています。これが4K/60p動画のなめらかさなのですね。ちなみに、LUMIX GH4の動画記録方式に比べ、本機の色情報は約128倍になったとのこと。これにより階調をより滑らかに美しく表現することができたり、輝度差の大きいシーンでも白トビや黒つぶれを防ぐことが可能になっているそうです。なるほどなるほど、これほどまでに被写体の質感をより忠実に再現できるというわけですね。特に黒猫の毛並み、さらには奥の方にいるカラスがまとう羽根の色艶まで実にリアルに映し出しているあたりは正直驚きました。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/4000, F5.6, ISO 200, Photo by NB

上のムービーを撮影したのと同じ漁港周辺での撮影カットです。夕刻へと近づくにつれて、あれよあれよという間に空を覆いはじめた厚い雲。そのわずかな隙間から降り注ぐ光の姿を捉えてみました。雰囲気たっぷりの光のベールときらめく海。ふと手間に視線を転ずると、無造作に置かれた水色のケースや網が克明に描き込まれているという現実。まさに眼前に広がっていた景色そのものです。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/2000, F5.6, ISO 200, Photo by NB

スポットライトが当たっているかのような海面。そこから広がっているようにも見える、きらめく細波が実に丁寧に捉えられています。拡大して見ても、とにかく細かい。これが2000万画素オーバー&ローパスフィルターレス化による凄みを感じさせる画です。


動きのある被写体にもしっかりと追従しますね。GHシリーズにはPanasonic独自の空間認識技術による「空間認識AF」を搭載しています。仕組みは、ピント位置の異なる複数のライブ画像から空間を認識して、被写体までの距離情報を瞬時に算出し、即ピント合わせを実行するというもの。LUMIX GH5では、空間認識技術と画像認識、コントラストAFの組み合わせにより、被写体の位置と距離情報を検出・予測するアルゴリズムを導入することで空間認識AFを進化させたそうです。ご覧いただいたように、風に飛ばされる砂粒のひとつひとつから、目まぐるしく姿を変える波、そして弾け散るしぶきの様子まで逐一捉え続けていますね。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/400, F11, ISO 200, Photo by NB

ちょっと難しいかな?と思ってしまう高コントラストなシーン。ハイライト部分の砂粒のディテールなんて、もうすっ飛んじゃってもおかしくないところですがノープロブレム。適切なオート露出に関心しきりです。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/4000, F3.5, ISO 200, Photo by NB

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/1600, F5.5, ISO 200, Photo by NB

上のカットと同じ場所からの撮影です。絞り開放でのワイド端とほぼテレ端の比較になります。解像感がハンパないですね。ワイド端の画をトリミングしてもほとんど差がないような緻密な描写です。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/2000, F6.3, ISO 200, Photo by NB


Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/25, F5.2, ISO 3200, Photo by NB

気付くともうPM6:00。それなりに暗くなっていましたので、ISOオートで撮影しました。結果ISO 3200まで感度アップしていましたが、でもこの写り。どうですか?花の淡いピンク色までしっかりと出ています!また、35mm判換算で72mm相当での撮影ですが、シャッタースピード1/25秒でもまったく不安なしでした。5軸のボディ内手ブレ補正(B.I.S.)と、2軸のレンズ内手ブレ補正(O.I.S.)の連動制御による強力な手ブレ補正が、ガッチリとサポートしてくれます。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/60, F7.1, ISO 200, Photo by NB

ワイド端で絞った画になります。ハイライトからシャドーに至るグラデーションが見事ですね。ウェットな空気感、そして奥行きを感じる描写もいいです。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/100, F5.6, ISO 200, Photo by NB

淡い光とほんのり立ちのぼる湯気。個性豊かなお饅頭ひとつひとつの皮の食感までもが伝わってきそうな描き込みです。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/1000, F4, ISO 200, Photo by NB

ワイド端は35mm判換算で24mm相当となりますが、歪みをほとんど感じさせませんね。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/2500, F5.6, ISO 200, Photo by NB

EVFの倍率は1.34 倍から1.52 倍にアップして見やすくなりました。シャッターの感触も適切で、一番いい瞬間を確実に捉えることができます。

Panasonic DMC-GH5, LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S., 1/3200, F11, ISO 200, Photo by NB

こちらは162万ドットの3.2インチサイズへと、ひと回り大きくなったフリーアングル式の液晶モニターを利用しての撮影。カメラを低い位置に構え、真正面からの直射日光をフレームインさせてみましたが破綻していません。シャドー部も潰れず、ディテールがしっかり残っていますね。


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二刀流で美しく刻むフラッグシップモデル。

強風が吹き荒れる砂丘での撮影はもう大変。髪の毛の中、服のポケットの中まで砂だらけになるほどの砂嵐ですから。フランス製のタフ系三脚を使ったものの、自由雲台のボール部分や、足の伸縮部分にまで砂が入り込むという事態に。もちろんカメラも砂まみれになりましたがトラブルは無し。ボディの各ドア部分から砂が入り込むようなことはもちろんなく、細かい凹凸に入り込んだ砂もエアをひと吹きしただけで何事もなかったようにキレイさっぱり。精密かつタフな作りが図らずも証明された次第です。スチル/ムービーともにスマートフォンで撮ることが当たり前のようになってきてはいますが、あの状況ではただでは済まなかったはずです。さて、こんなにも美しい4K動画が撮れてしまうわけですが、カメラの操作に関しては簡単な事前設定だけで、撮影中はシンプルな操作のみで特に深く考える必要もなし。ひたすら撮影に集中できるので大事なシーンを逃さないのであります。今回、初めて動画の編集をやってみたというカメラマン氏。編集ソフトも色々とあるものの、手短にあったApple社のiMovieで編集したとのこと。意外と簡単にできてしまったようで、ウキウキなご様子(笑)。彼曰く、「スチルがどうとか、ムービーはこうとか、それを分けて考えるのはもう古いんだって今さらながら感じた。道具が『もっと自由にやっていいですよ』って言ってくれてるんだから、使い手はさらに柔軟な発想をしないとね」とさらり。そんな気付きもあるのですね。確かに本機はどちらも同じ感覚で撮れる。そして同じ感覚で使い分けられる。事実、4Kフォトというスチルのスタイルをパナソニックは提案しており、そこのボーダーは完全に取り払われています。どちらが主でどちらが従か、そんな問はナンセンスですよね。ムービーもスチルも、いずれにも秀でる二刀流。ごく普通の人が、買う前に想像していた通りに使え、想像していた通りに撮れる。何ひとつ裏切らない。いい意味での「当たり前」。実はこれが一番大事なこと。それをきちんと実現しているのがLUMIX GH5。「当たり前」であることの難しさ、大事さをひしひしと感じさせてくれるフラッグシップモデルの懐の深さ。さあ、飛び込んでみましょう。

( 2017.05.19 )

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「質感描写」へのこだわりで、LUMIX史上最高の写真画質を実現したGHシリーズの最新モデル。もちろん4K動画も60pでの記録が可能になりました。

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今回のレビューに使用した標準ズームレンズ同梱キットです。動画だけでなく、秒間30コマの高速連写が可能な6Kフォトもぜひご堪能ください。

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縦位置での撮影に便利なバッテリーグリップは、本体に新設されたジョイスティックも搭載し、カメラボディでの横位置操作と同様の操作が可能です。

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6Kフォト、4Kフォト、4K60p動画撮影にも対応したUHS-IIのSDXCカードです。水によるダメージからカード本体とデータを保護するデータプロテクター機能搭載です。

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