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Panasonic LUMIX G100 / SHOOTING REPORT

BlogのVideo版である「Vlog」。その普及は急速に進み、視聴者の約5割が自ら発信もするというデータもあります。ビデオカメラのトップシェアを誇るパナソニックが、この潮流を黙って見過ごすはずがありません。ご紹介する新製品「G100」は、Vlog撮影を前提として開発されたコンパクトなミラーレス一眼カメラです。「G」ということはレンズ交換式。しかもマイクロフォーサーズシステムですから、動画、スチルともに高画質が期待できます。基本的なスペック(特に動画撮影)をおさらいすると、2030万画素、4K/30pの動画記録、MP4:H.264/MPEG-4 AVCの動画フォーマット、電子式の5軸手ブレ補正となっています。これからVlog撮影を始めてみたいというユーザー層に向けた製品であろうと思われますが、一方で本格的な内蔵マイクを搭載しており中々侮れない一面もあります。そのあたりも踏まえてレビューしてまいりますが、今回は、このG100ボディにコンパクトな標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」とトライポッドグリップ「DMW-SHGR1」がついてくる「G100V-K」というキットにて、ご紹介いたします。

( Photography, Videography, and Text by TAK )

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まず外観から見てまいりましょう。カメラらしい出で立ちながらもコンパクトで、レンズとグリップを着けた状態でもショルダーバッグに楽々入ります。また、立派なファインダーもついています。グリップを使った撮影だとモニターを見ながらの撮影が中心になりますが、覗き込めるファインダーがあればスチルもしっかり撮れることの証明ですね。実際4/3型センサーを搭載しているわけですから、他のGシリーズ同様、高画質であることは間違いありません。モニターは自撮りに対応するため正面にも向くようになっています。赤い録画ボタンも、前後どちらからでも押しやすいところに配置されています。

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ファインダーの周りに3つの穴があるのがお分かりかと思いますが、これが自慢のマイクです。携帯電話でも有名なNokia社の「OZO Audio」を採用し、ボディ前側に2つ、後左側に1つ、計3つのマイクを搭載。ステレオに加えて前後の違いも出そうというのでしょうね。モードダイアルからは、動画専用の「M」の他に、スロー/クイック映像のための「S&Q」も選べます。必要な時にダイヤル操作でダイレクトに切り替えられるのは助かりますね。トライポッドグリップには録画ボタンとシャッターボタンを搭載。カメラに触らなくても必要な操作が可能です。手ブレの抑制効果も高そうですね。雲台部も自由に動くので、アングルを細かくセッティングできます。


内蔵マイク離れした高音質。拍子抜けするほどのカンタン撮影。

次に動画撮影についてご紹介します。冒頭で触れた内蔵マイクシステムですが、「オート」「サラウンド」「フロント」「トラッキング」「ナレーション」の5つの録音モードがあり、音源の位置に合わせて指向性を切り替えることができます。今回はまず「オート」にして、カメラが音源の位置をどう判断しどのような音質で録音してくれるのかを試してみました。ちなみに記録形式は4K/30p、フォトスタイルは「シネライクD」です。内容は「商品紹介」という体裁をとっております。

カメラが話し手に近づくとその声にフォーカスし、演奏をやめると声や周囲の音を集音するのがお分かりかと思います。マイクが音の出処を認識して録音モードを切り替えていることが分かります。通常はこの「オート」で十分だと思いますが、今回のように音の出処が前方と決まっている場合は「フロント」を選んでも良いでしょうね。録音レベルも「オート」を選んだのですが、音割れをしない範囲にしっかりと抑え込んでくれますので、こちらも通常はオートで十分かと思われます(もちろんマニュアル設定も可能)。とにかくこれは内蔵マイクを完全に超越していますね。カメラ自体の箱鳴りではなく、外の音をしっかり録れていると感じます。イヤホンで聴くと更に臨場感を味わえますよ。外付けマイクの優位性は否定しませんが、カメラ内蔵型の性能だって高いに越したことはありませんよね。

なおこの動画、イントロ部以外は家族に撮影してもらいました。AF設定のみ「AFF」(AFフレキシブル)と顔認識にして、直前のリハーサルもそこそこに、あとは全てお任せ。「思ったより簡単であっけなくてびっくりした」と申しておりましたが、それもそのはず。AFもマイクも被写体を賢く認識してくれるからこその芸当なのです。これ一台で、初心者でもひと通りのことが思い通りにできてしまうのだと確信しました。

電子手ブレ補正の効きは十分。美しく見やすい映像。

お次は自分で歩き中心の撮影をしてみました。ある場所を(ゆるく)案内するという体を取りながら、途中でカメラの説明も加えております。記録形式はFHD/60p、フォトスタイルは「スタンダード」です。手ブレ補正は電子式ながらも効きは十分ですし、トライポッドグリップによる軽減効果も高いですね。注意しておきたいのは、電子手ブレ補正と記録形式の設定によって画角が変わることです。手ブレ補正は「OFF」「標準」「強」が選べますが、効きを強くするほど画角が狭くなります。また、記録形式においてはFHDより4Kの方が狭くなります。色々と試しましたが、歩き中心であれば手ブレ補正は「強」、そろりと歩くなら「標準」、記録形式は「FHD」という組み合わせがバランスが良いのかなという感触を得ました。動画サイトなどにアップする際はFHDでも十分なので、実用上の大きな問題は無いでしょう。もちろんカメラを固定したり歩き中心ではないのであれば、手ブレ補正をOFFにしたり、記録形式を4Kにしたりすれば良いかと思います。なお、4K/30pでの連続記録時間は10分、FHD/60pでは20分となっていますが、このあたりは熱処理との兼ね合いであろうと思われます。

録音モードは「ナレーション」にしてみました。指向性が話し手/撮影者の方向、つまりカメラの後方になるのですが、これが効果てきめんでした。音量も十分すぎるほどで、解像感とまろやかさが同居した聴きやすい音質です。ちなみに自撮り時には指向性が「オート」に切り替わってくれます。ほんと、いちいち良いマイクですね。動画における音質の重要性を再認識した次第です。

発色も光量を問わず良好で見やすいと感じますし、露出も状況に応じて適正レベルを保ってくれています。あえてPモードで撮影しましたが、これだけ安定していればカメラ任せでも十分でしょう。AFもAFF、顔認識のままで何の問題もなく、合ってほしいところにスッと合ってくれます。途中、チルトやパンやクイックモーションなどを散りばめてみましたが、こういったパナソニックならではの多彩な撮影機能も便利で楽しいですね。また、録画時はモニターが赤枠表示されるので、「ちゃんと撮れている」ということを確認した上で安心して撮影できます。とにかく、難しいことを考えなくても本当に簡単に撮れてしまうカメラなのだと思い知らされました。


Panasonic LUMIX G100, LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. O.I.S., Photo by TAK

静止画も一眼クオリティの高画質

Vlog向けとは言え、中身は立派なレンズ交換式のミラーレス一眼そのものですから、静止画もしっかり高画質です。約2000万画素のLive MOSセンサーとヴィーナスエンジンの組み合わせで、他のGシリーズ同様シャープでコントラストの高い画作りが当たり前のように得られます。なんてったって、カメラですからね。1枚1枚じっくり撮る楽しみもぜひ味わっていただきたいです。

Panasonic LUMIX G100, LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. O.I.S., Photo by TAK

静止画像のネイティブ比率は4:3で、16:9よりも縦方向への拡がりが感じられるフォーマットとなっています。カメラを縦位置に構えなくても大体のものは収まってしまうので、実はフレーミングがしやすいのですね。こういうディープシャドウからハイライトまでの自然な階調のつながりを見ていると、カメラとしての地力の高さを感じますね。AFも手前の暗いところにピタッと合ってくれましたよ。

Panasonic LUMIX G100, LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. O.I.S., Photo by TAK

Panasonic LUMIX G100, LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. O.I.S., Photo by TAK

キット付属の標準ズームレンズ(フルサイズで24-64mm相当)でもこれだけ寄れますので、身のまわりの大抵のものは撮れてしまいます。もちろん明るい単焦点レンズや望遠レンズやマクロレンズなどに交換して、新たな世界を切り取る楽しみもありますね。

Panasonic LUMIX G100, LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. O.I.S., Photo by TAK

Vlogの第一歩は、このカメラから。

映像もキレイ。音も良い。静止画もバッチリ撮れる。撮影は簡単そのもので、電子手ブレ補正もしっかり効いてくれますし、コンパクトなのでどこにでも持ち出せてしまいます。さっきまでスマホで撮っていたような方でも、すんなりとVlogが始められる。これがG100最大の特長でしょう。その一方で、自慢のマイクシステムの性能はクラスを軽々と超えています。動画における解像度とは、画のみならず音の解像度でもあるということを学んだ次第です。そのほか面白いところでは、「フォトスタイル」が「V-Log L」(動画におけるRAWデータのようなもの)にも対応しています。その際は深度が8bitとなるものの、自分好みに映像を後処理する楽しみも十分味わえます。見た目は可愛らしくてもチラチラと本格的な要素も持ち合わせているあたり、長く使えそうな予感がします。将来レンズなどを足してステップアップしていける楽しみもありますよね。一言で「Vlog」と言っても、ジャンルやスタイルは人それぞれですし、発信するもしないも自由です。仲間内でシェアしても楽しいですし、撮影して編集するだけでも色んな発見があるでしょう。動画ゆえに気をつかう部分も多いですが、経験はスチルにも必ず還元されます。たくさんの可能性が詰まったG100で、Vlogを始めてみませんか?

( 2020.08.20 )

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今回ご紹介した、標準ズームレンズと便利なトライポッドグリップ「DMW-SHGR1」とのセット。Vlog撮影を今スグ始めたいならこれ一択です。

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こちらに付属するのは標準ズームレンズのみで、トライポッドグリップは含まれておりません。価格差を考えると、トライポッドグリップとのセットの方がお得です。

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動画撮影主体のカメラですからね。予備バッテリーは何個あっても良いでしょう。

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カメラ本体でも充電可能ですが、こちらのチャージャーがあれば予備バッテリーを並行して充電できます。

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明るい標準レンズが1本あると何かと便利です。豊かなボケもやみつきになりますよ。

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こちらは等倍まで寄れる標準レンズ。小さな世界を動画に収めるのも楽しそうです。

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遠くのものを引き寄せ、圧縮する。やっぱり望遠も面白いです。

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広い世界を広く撮るには、超広角レンズの出番。自撮りとの相性は抜群です。

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