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ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic LUMIX G9 PRO, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S

Panasonic LUMIX DMC-G9 PRO / SHOOTING REPORT

11月に発表されたパナソニック LUMIX G9 PROが、いよいよ2018年1月25日(予定)、発売になります。基本スペックはGH5をベースにしていますが、大きく違うのはGHシリーズが動画撮影に力を入れたものであるのに対し、G9 PROは(もちろん動画撮影もできるものの)スチル撮影を中心に考えられたモデルだということ。LUMIXというと「動画機能の充実」というイメージがまずあり、それの最先鋒がGH5だったわけですが、それとは反対の方向に行ったわけです。スチル撮影が中心のユーザーにとってはGH5ほどの動画性能は必要ではなく、むしろ定評のある撮像素子や画像処理エンジンを生かしつつ、連写やオートフォーカス、操作性などに注力したということ。

そのもっとも特徴的と言える機能がハイレゾモード。ボディ内手ブレ補正の仕組みを逆手にとって、つまりセンサーを少しずつ動かしながら8回連続撮影し、それをカメラ内で自動合成することで約8000万画素(通常撮影モードでは2033万画素)相当の高解像写真を得るという仕組みです。もちろん三脚必須の撮影にはなりますが、まさに「瓢箪から駒」の技術に、パナソニックの創造性と意気込みを垣間見ることができます。


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荒れるほど日本海。

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スチル撮影に軸足をおいたカメラとは言え、「このぐらいの動画は普通に撮れますよ」という意味でG9 PROで撮影した動画を用意しました。寒々しい景色でホントすみません。

師走の日本海。「今日は晴れやか、波も穏やかですねぇ」ってそんな日本海見たくないでしょ。日本海はそんな期待を裏切りません。この日は、寒波の襲来で朝から雪模様。北陸の雪は水を含んでずっしりと重いのです。特に12月の雪は。その重さから冷たさも増します。こんな日ほど写真を撮りに出掛けたくなるものですね。先ず小松漁港へ足を運びました。横殴りの雪。漁港内に定泊している船もロープのきしむ音と共に揺れています。もちろん傘なんて差せません。防寒のレインウェアに身をまとい首からカメラを提げる事となります。こんな時には防塵・防滴設計のG9 PROは威力を発揮します。吹き付ける雪はべったりと身体にまとわりつき、カメラも白く凍えてきます。そんな過酷なシーンこそ絵になりますね。もう寒さも忘れて撮り続けることとなります。

さらに夕暮れの加佐ノ岬に足を運びました。加佐ノ岬は、日本三大霊山のひとつ富士山、御嶽山を一直線に結び日本海に突き出たところにあり、パワースポットとしても有名です。どうでしょう冬の日本海。パワーを感じませんかこの波しぶき(笑)。大陸からの風をまともに受けて、立っているのもやっとです。そんな中、強力なアシストとなるのがボディ内手振れ補正6.5段です。分厚い雲に覆われた空は暗く、さらに日没に近いと言う事もあり低速シャッターが余儀なくされます。ここでは手持ちでの動画にも挑戦してみました。身体ごと風で揺れている中での見事なブレ補正です。これには驚きました。私のボディ内にもブレ補正が欲しい。(TT)


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メリークリスマス、金沢。

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このカットのみハイレゾモードで撮影したもの。敢えてISO 1600という高感度で撮影していますが、むしろそこも併せてご覧ください。このモードの威力が分かりやすい一例を挙げると、中央にある円の中の上寄りを保守点検用の通路が横切っているのですが、その「網目」でしょうか。(※画像のクリックで原寸大を表示します)

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こんな過酷な冬があるからこそ海の幸が旨いのです。金沢の台所、近江町市場には冬の代名詞ズワイガニや新鮮な魚が並びます。朝9時過ぎには品物も揃い、地元の料理人たちも足を運びます。そんな中G9 PROを片手に散策しました。こういった町中ストリートショットには速写性が欠かせません。ファインダーを覗きシャッターを落とすまで、なんの迷いもなくシームレスです。超高速AFにジョイスティックや液晶モニターのタッチセンサー操作で次々被写体を追えます。もちろん蟹や魚を撮らせてもらうにも一声掛けるのがマナーですね。

そして冬至ともなれば、陽の落ちるのも早いです。でも、こういった時期にしか撮れない写真もあります。凛とした佇まいが美しい鈴木大拙館ですが、午後5時に閉館します。夕暮れの灯りの中、当館を捉えられるのはこの時期だけです。わずかな晴れ間を狙って足を運びました。徐々に陽は沈みシルエットが浮かび上がってきました。こういったところでは三脚は御法度、手振れ補正が威力を発揮します。どれだけ解像度を売りにしたカメラでも、いや、そういうカメラだからこそ、ほんの僅かなブレでもその威力を発揮できなくなります。そんな時本当に助けになりますね。静寂と凛とした佇まいそのままに写し出してくれました。

日も暮れそのまま町へと足を運びました。「メリークリスマス金沢」。といいながらも実はそんなクリスマスムードはさほどありません。さすが古都・金沢。香林坊のイルミネーションも上品です。ここも手持ちで金沢の夜と捉えました。速写性能に加え高感度、強力な手振れ補正など、撮影シーンを選ばないG9 PRO。そんなカメラと共に金沢の夜は更けました。(TT)


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東京は太陽がいっぱい

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北陸の冬は厳しいという事実を、もうひとりのレビュワーTT氏の写真から知るに至り、そんな過酷な現場できっちり働くLUMIX G9 PROの「PRO」たる所以を見た思いでありますが、やはり冬とはいえ太陽は恋しいし、「晴れた日にだって使って欲しい」とG9 PROからの視線を感じ、ほんの1日ではありますがワタクシもG9 PROを手にした次第です。北陸の演歌を地で行く荒天とは違い、関東はやや風が強いものの日中の日差しが暖かく、光のあふれる日が続いています。暖かなシーンを求めて撮り歩いてきたのですが、実は思わぬ不意打ちに何の下調べもなくカメラを持ったわけです。これが先入観なく撮影に入ることができ、実際にはよかったかもしれません。

まず結果から申し上げて「すごくいい!」。ホールドしやすい形状であることと、とにかくレスポンスがいいカメラでピント合わせはビシっと速くて正確。撮りたいと思ったそのときに、すぐにシャッターを切ることができるというのは当たり前のようで実はそうでもありません。電源をONにしたときの起動も速いので、なんというか自分の呼吸にぴったりと寄り添ってくれるような感覚で、シャッターを切るのが非常に楽しかったのです。カシャーンと控えめなシャッター音もまた心地よい! 0.5型の大型ファインダーはとても美しいだけでなく、大きなアイカップが装着されているために安定してファインダー像を見ることができます。実は撮影している最中に気づいたのですが、ファインダーの右上にある「V.MODEボタン」でファインダー倍率の切り替えが簡単にできてしまうので、メガネの私でもすみずみまでファインダー像を見ることができ、ファインダーを覗きながらズームリングを回し、構図を整えることも非常に容易でした。一見地味で必要なの?と思う機能かもしれませんが、これはとても便利な機能だと思います。また、タッチパネルを搭載したモニターはフリーアングル。角度を自由に変えることができ、足元から見上げるように撮影したり、高い位置から被写体を見下ろして撮影する際にもフレーミングをしっかり行うことができました。もちろんタッチシャッターが使用可能ですから、画面に触れるだけですぐにピントを合わせ、シャッターを切ることができるのも魅力です。カメラそのものが軽量なので撮り歩くのも苦になりませんし、撮り手の写欲にしっかりと呼応してくれるだけの機能がそろっていますから、これはなかなかの名スナップシューターとして活躍してくれるのではないでしょうか。

もちろんフラッグシップモデルとも言える一台ですから、作品作りにもしっかりと応えてくれるはずです。短い間のお付き合いでしたが、私自身、手放してしまうのが非常に惜しいと感じる一台でした。ぜひこの気持ちを読者の皆さまにも味わっていただきたいと思います。(Rica)


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PROという「愛称」は伊達ではない

ご覧の通り、LUMIX G9 PROはではデザインの雰囲気が変わりました。ペンタプリズム(に相当する部分)がGH5やG8では低く構えたような、どちらかというとボディと一体化させようというデザインで、それが「LUMIXっぽさ」とも言えたのですが、G9 PROではその部分を高く屹立させ、さらに稜線まで入れて、あえてその存在をアピールしているようにも見えます。LUMIXのロゴを隠してしまえば、誰が見ても一眼レフだと思うでしょう。なぜデザインを大きく変えたか。これは確信に近い想像ですが、GH5をベースにしつつも、スチル向けいう「違う道」を歩き始めたカメラしての、決別の意味があるんじゃないでしょうか。パナソニックによれば名前の「PRO」は日本国内で使用される「愛称」とのことですが、それはごく控えめな表現でしょう。必要のない機能を削ぎ落とし、代わりに連写やAF、あるいは操作性といった基本性能を強化したことは、明らかにプロユースのための進化。ハイレゾモードがもっとも真価を発揮するのは大きくプリントした時であることなども考えると、「PRO」という名前には「愛称」にとどまらない、文字通りの強いメッセージが込められている気がします。

もちろん、GH5がプロユースに向かない、ということではありません。G9 PROとフラッグシップの双璧をなすGH5は、ムービーも撮るプロカメラマンが今やこぞって使っているカメラです。コックと板前では使う道具が違うのと同じように、撮り方や撮るものによって選択できるようにした。それがG9 PROの最大の存在意義だと思います。「使い道に特化している」。これが道具の一番美しく、あるべき姿。そんな美しい、プロユースに耐える「本物の道具」が、あと1ヶ月足らずで手に入るのです。パナソニックのくれるお年玉。ワクワクしながら待ちましょう。

( 2017.12.27 )

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ボディ単体です。「レンズならもういっぱい持ってるでしょう?」と天使が囁く人はこちらを。

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レンズキットです。「このレンズがついてこの値差なら、こっちの方がお得なんでは?」と悪魔が囁く人はこちらになります。

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天使や悪魔が何を囁こうが、これは必要。

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ハイレゾモードは三脚必須。三脚に据えたカメラのシャッターボタンを指で押してる人がたまにいますが、それじゃあ本末転倒ですよ。

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G9 PRO専用のストラップです。「専用」と言われちゃあ、買わない訳には…

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付属しているものより、大きくて深いタイプです。一見地味ですが、撮影している最中に「アレ買っときゃよかったなあ」と思うことが多いアクセサリーですね。

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