PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic LUMIX DMC-FZ200 / SHOOTING REPORT

初めて一眼レフカメラを手にした頃のことを思い出すと、最初の感動はズームレンズの自在さにあったのではないかと思います。遠くの被写体をぐっと引き寄せるズームレンズの面白さは、大きく写せれば写せるほど単純に嬉しいものでした。やがてもっと長いレンズが欲しくなりますが、手を伸ばすには少しばかり覚悟の必要な超望遠の世界。懐具合の問題ばかりでなく、大きく重いレンズを抱えた三脚必須の撮影スタイル自体が、高いハードルになるはずです。

今回FZ200を手にして、つくづくよい時代になったものだと思いました。広角は25mmと使いやすい画角で始まり、テレ端は脅威の600mm。実に光学24倍というズームレンズでありながら、全域で開放F2.8という明るさ。とてもAPS-Cサイズやフルサイズ用の交換レンズでは現実的でないスペックが、小さく軽量なボディに詰め込まれています。これだけで路地裏のスナップから風景撮影、スポーツ撮影までこなせる驚異的な1台。コンパクトなセンサーだからこそ実現できたこのようなパッケージは、メインカメラとしてはもちろんのことレンズ交換式カメラをメインに据えている人にとっても魅力的な存在です。さてその画や使い勝手を、じっくりと見ていくことにしましょう。

( Photography : T.Nakanishi / Text : M.Ishizuka )

被写体をどう切り取るかは、お気に召すまま

なにはともあれ「画角の自在さ」に尽きます。撮りたいものにレンズを向けて、切り取りたいように切り取ればいい。寄っても引いても画が作れますから、旅先ではっと感激したときにカメラを構えればいいのですね。600mmともなれば普通は三脚必須というレンジなのですが、手ぶれ補正が効いていることやレンズの明るさもあって、かなりのところまで手持ちで撮影できます。重いボディではないので、軽めの三脚や小さな三脚くらいをバッグに入れておくぐらいが良いかもしれません。解像度についてはどうしても限度があるのですが、通常利用には十分な仕上がりではないかと思います。できるだけ良い画を出すためには、やはり望遠撮影なら三脚に据えてタイマー撮影といきたいものです。

望遠らしい切り取り方で写してみました。画面隅までしっかりしていて、解像度としてもまずまず。コンパクトなセンサーですが、悪くない印象です。

池の端からカメラを構えるわけですが、余計なものが写り込むと今ひとつ画としてまとまらない。そういう場所こそ、このカメラが本領を発揮します。


寄って楽しいマクロモードも好印象

通常はワイド端で30cm〜テレ端で2mという最短撮影距離ですが、マクロモードなら1cm〜1mになります。これがなかなかの写りで、撮影後にPCで見てびっくりしてしまいました。上の写真を見てもらえれば睫毛から眉毛の一本一本まで、きちんと解像していることがお分かりになると思います。近くの被写体を大きく写して見てみるというのは単純に楽しい世界で、広角から超望遠という画角に加えてクローズアップまでこなそうというのですから、なんとも欲張りなカメラ。「これ1台でいいでしょ?」という、作り手の想いを感じてしまいますね。

スポットライトのような光のもとで、立体感あふれる一枚が撮れました。ひとすじの蜘蛛の糸がおわかりになりますでしょうか。実寸サイズでは葉脈までしっかり解像しています。

テーブルの上も日々の被写体の宝庫。名高き「紅茶に浸したマドレーヌ」のように、食事のカットは後から記憶を呼び覚ますのにうってつけの素材です。旅のおいしい記憶を一枚撮っておきましょう。


この上なく軽快でコンパクトな、オールラウンドプレイヤー

使ってみると想像以上の便利さで、「これだけで済ませたら楽だなー」というのが正直な感想でした。機能面で言えば写真を撮りたい人の欲求を漏れなくカバーしている存在です。画質やレンズ交換による表現力の幅を考えるならばもちろん大きなセンサーサイズのカメラに分がありますが、この大きさ・重さで超望遠までカバーし、しかもシャッタースピードを稼げる大口径。これでマクロもこなすというのですから、ぐうの音も出ません。

例えばデジタルカメラをお持ちでない方やコンパクトカメラから買い換える方が、何でもこなせる1台を選ぶなら絶好の選択肢となるでしょう。一般的なレンズ交換式カメラでこの明るさ・この画角を手にするには、どういうシステムになるか。びっくりするほど大きく、重くなってしまうはずです。一方、大きく重くなってしまうシステムの意義をきちんと理解されている方にとっても、サブカメラとしての説得力は十分にあります。標準ズームや大口径の単焦点レンズを基本としながら、大きな望遠レンズの代わりにFZ200を鞄に入れておく。撮れないシーンを前にして後悔するよりも、賢い選択といえるのではないでしょうか。

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旅に出かけるならこれ1台でOK。運動会やスポーツ鑑賞、花や鳥の撮影だってこなせます。

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600mm相当の望遠でも飽き足らない方にはテレコンもあります。装着すれば598~1020mm相当というとんでもない画角に! ※使用に際してはレンズアダプター「DMW-LA7」が必要です。

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通常のマクロ撮影よりも約3倍の高倍率が可能になるクローズアップレンズです。マクロ撮影好きなら必携! ※使用に際してはレンズアダプター「DMW-LA7」が必要です。

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テレコンバーター/クローズアップレンズを利用するためのアダプターです。ご一緒にどうぞ!

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