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Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

Nikon NIKKOR Z 85mm f/1.2 S vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

先日のVol.1では、究極のポートレートレンズとして人物にフォーカスしたレビューをお届けしました。早速今回のVol.2では、街撮りスナップをメインに、本レンズでの撮影を口実にしばらくお会いできていなかった方を訪ねるなど、じっくりと撮り歩いてきました。圧倒的な描写性能と表現力で、究極と言わしめた「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」が様々なシーンでどんな写りを見せてくれるのか、改めて確認してみたいと思います。

( Photography & Text : Z II )

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

シンプルで遠近感のある構図に加え、絞り開放でのボケを利用することで、望外の奥行き感を得ることができました。いつものオフィス街がまるで映画のワンシーンのように。絵になるとは、こういうことを言うのでしょう。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

いいボケには立体感があると聞いたことがありますが、このような感じなのではないでしょうか。ボケて溶けてはいるものの、溶かしきらない。だからなんとなく、中庭と手入れされた樹木の奥に階段の存在を感じることができる。いかがでしょうか。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

グレートーンののっぺりとした空がバックですが、旗の分離が見事ですね。明らかにレイヤーが異なるかのようです。もちろん滲みなど微塵も感じさせません。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

前ボケ後ボケ、どちらかにクセのようなものが出てもおかしくありませんが、双方至って柔らかで、ボケの中にもそれとなく立体感を感じさせる素晴らしいボケ味です。また、花びらが重なった様子など、同じ赤でもその微妙に異なる色の違いを緻密に描き分けているのも特筆すべきところでしょう。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

曇天続きで撮るものに困り果てていた時に、ふと目に留まった新芽を。細かな被写体なのでマニュアルフォーカスに切り替えての撮影ですが、極薄のピントのためかえってヤマが見やすく、ファインダーを覗きながらじっくりとフォーカス位置を調整することができました。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

F1.2で桜しかも逆光という少々意地悪なシチュエーション。もちろん太陽の芯は飛んでいますが、きちんと眩しさを再現できて画として成立しているのには驚きです。このフレアやゴーストの処理加減、まさにレンズ設計者の腕の見せ所なのではと推察します。


Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

被写体までの距離は20〜30m。これほど離れていても背景がボケて人物が際立って見えます。ボケにリアリティがあることで、こんなにも画に厚みや深みを感じるのではないでしょうか。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

動き回る少年をトラッキングすると、しっかりと食いつきます。さすがは明るいレンズです。大きくボケているものの、むやみに溶かしきらないボケ味が主役を引き立て、ドラマチックに仕上がりました。自分の腕前が上がったのかと錯覚するほどです。このあと本人に画像を見せたら私を見て「すげ〜!」ですって。そりゃそうでしょうとも、レンズが凄いのですから。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

今にも雨が降りそうな、おぼつかない夕暮れの空の下。そんなシーンでもF1.2の大きな瞳は被写体を印象的に写し出してくれます。程よいワーキングディスタンスが取れるため、カメラを意識させずに自然体な表情を狙うにはぴったりの一本です。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II30年前から通っている喫茶店のママさん。コロナ禍でしばらく来ていませんでしたが、快く撮らせてくれました。テーブルはカウンターだけのこぢんまりとした店内ですが、綺麗にぼかしてくれたことで、なんだかさらに素敵な雰囲気に。この笑顔は単なる照れ笑いでしょうが、ママさんらしい優しい表情を捉えることができました。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z IIかなり暗い室内での撮影でしたがAFはしっかり合焦。撮っているこちら側もゾクッとさせられる一枚に仕上がりました。長くお付き合いさせていただいている先生で、俳優さんではありません。もちろん演じてもらったわけでもなく、私がいつも目にしている普段通りの仕草を撮らせていただきました。ISO感度アップの恩恵があるとはいえ、明るいレンズだからこその質感描写といえるでしょう。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II

これほどのボケ量がありながら、わざとらしさや変なクセなどなく、気持ちよく視界に馴染む印象です。それにしても今さらながら恐ろしいほどの立体描写ですね。

Nikon Z 7 II, NIKKOR Z 85mm f/1.2 S, Photo by Z II


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歴史に残る銘玉の予感

85mmはニコンFマウント時代から銘玉と呼ばれるレンズがありました。今回登場した「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」は当然ながら過去のレンズを圧倒するクオリティを求められたはずです。その要求や期待を裏切ることなくボケの質、量、キレのある描写ともに素晴らしく、どう撮っても格好よく写ってしまうので、撮る度に気持ちが昂りました。もちろんカメラ側の進化の恩恵もありますが、それを踏まえた上でより厳しい描写の基準とサイズや重量、コストなどの制約が当然あるはず。開発の方々の苦悩は相当なものであったのではないかと想像します。この写りを見れば数値やデータだけではなく設計者の熱い情熱を感じざるを得ない素晴らしい仕上がり。たしかに少々サイズは大きいですが「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」とほぼ同じ重量に抑えてきたのは、さすがというしかありません。むしろ面白いほどの撮れ高により、一日中撮り歩いても疲れなどを忘れるくらいでした。Vol.1に続き今回撮影した日常スナップにおいても、F1.2でしか味わえない世界観は自然と溢れ出てきます。絞りを開放にすれば何を撮っても只者ではない写り。絞って撮る理由がないなら絞りは常に開いていきましょう。今回掲載したもの以外にも様々な被写体を撮ってみましたが、やはり人物を撮影した際、特に素晴らしいポテンシャルを発揮するように感じました。もしも大切な方の最高の写真を残したいなら一刻も早く「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」で撮って差し上げましょう。レンズにかかるお金はいくらでも取り返せますが、大切な方の「あの時・・・」は返ってこないのですから。

( 2023.04.20 )

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ポートレートやウェディングを撮る際に間違いなく喜んでもらえる写真にすることができます。さすがですね!と私は言われたい派です。

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レンズにボリュームがあるのでボディはコンパクトなこちらをお勧めします。

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ボディがコンパクトなためにグリップしづらいという方にはこちらがお勧め。

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いろんな趣味嗜好があるものです。まずは読んでみて、その入り口に立ってみましょうか。

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