PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

今回のお題は「魚料理」。日本の食文化の代表格といっても過言ではないと思います。毎日と言わないまでも週に一度や二度はいただくのではないでしょうか。お肉の回でもポイントになっていましたが、素材なのか調理したものなのか「何を伝えるか」を注意して撮っていきたいものです。一番大事なことは、見た人がおいしそうだと感じたり、同じように撮ってみたいと思っていただくこと。魚という素材では一体何がポイントになるのか、見ていきましょう。

( Text by Z II )


お題「魚料理」

#1 - iPhone 7 Plus

まずは海鮮丼です。見た目が鮮やかで写真映えする被写体として、SNSなどに投稿する機会も多いかなと思います。真上から撮ることで具のひとつひとつをしっかり見せています。柔らかな光の当たり具合もよく計算されていて、照りと透け感からネタの鮮度の良さも伝わりますね。シャリが見えないほどネタがのっていてとても美味しそうです。


#2 - iPhone 7 Plus

お寿司のイワシでしょうか、今ひとつ迫ってくるというか美味しそう!という気持ちを写真に乗せ切れていないように感じます。お題に撮らされてしまったかもしれませんね。


#3 - iPhone 6

見事なニシン蕎麦ですね。盛り付けの美しさ、青ネギの鮮やかさ、キラキラした出汁とソバのバランスも良い感じですね。これを目の前に置かれたら、ようし!と撮りたくなりますね。


#4 - iPhone 7 Plus

板前さんの腕の見せどころ、お刺身の盛り合わせです。見事な飾り包丁や色鮮やかな赤身、白身はとても丁寧に盛り付けられていて見た目で嬉しい瞬間です。カメラのアングルや器の配置も良いですが「刺身には日本酒でしょう!」と升酒を強めに押し込んできたのは少々押し付けがましい。器の奥にあっても良いでしょう。


#5 - ASUS Zenfone 5

シャケの切り身の迫力を見せたいという意図を感じます。気になったのは器のハイライトが青っぽく見えるのと、少し立体感に乏しいこと。これは人工光のトップライトと窓からの自然光がミックスしているという、難しい条件によるものだと思います。人工光がメインになってしまう場合はライトの位置を見ながら、被写体が良い表情になる位置を予め探っておくと良いかもしれません。


#6 - iPhone XS

高級魚、のどぐろ。香ばしさが画面から漂ってきそうです。光の読みはよかったのですがお皿を逆側から撮ってしまいましたね。また、あえて画面に入れたのか、たまたまなのか、ハマグリの貝殻が画面に入っているのも気になります。レモンが絞った状態であったり、急いで撮ったのか一緒にいる方に急かされたのか、はたまたもう酔っておられるのか、慌てた様子が想像できます。慌ててもあまりいいことはないのです。気持ちに余裕を持ちましょう。


#7 - iPhone X

こちらもシャケです。よく見ると津軽海峡フェリーの切符。なるほど船上のお弁当というわけですね。鮮やかな色のシャケと黒く潰れることなく柔らかな質感の海苔が大変美味しそうです。左側の窓から曇った津軽海峡の柔らかな光を感じますね。旅先の味の思い出や記録にもなるので「旅めし撮り」は積極的に行うべきです。


#8 - iPhone 7 Plus

鰆という魚はサイズが大きい方が美味しいと言われています。どうですこの身の厚さ。そしていい具合に焼けた皮の表情がよく出ていますね。手前のとっくりが少し画面に入り込み過ぎました。もう少し見切れていたほうがよかったかなという印象です。


#9 - iPhone 6

こちらは洋食、イワシのオーブン焼きでしょうか。できたてでぐつぐつしている様子が分かりますね。画面のまとめ方が実に整っていますね。その中で見せたいポイントがしっかりあるので見た人にスッと伝わります。めし撮りに対して相当に熱いものを感じます。とても大事なことです。


#10 - iPhone XS

缶詰めのオイルサーディンはビールにも白ワインにもウヰスキーにも合いますのでおつまみとして重宝しますね。ぎっしりと詰まった状態もまた絵になるところですが、あえて食べている途中の写真にしたところに何か意図があるのか、お腹が空いていて撮るのを忘れていたのか。おそらくお連れの方が開けたらすぐに食べてしまったのでしょう。


#11 - iPhone X

番外編。どんな食材もそうなのですが、命をいただくわけですからその食材に敬意を込めて美しく食べてあげることも日本人らしさではないでしょうか。


バランス感覚を磨く

魚を美味しそうに感じるのはどういうときかと考えると、実は魚単体よりも調理された状態、他の食材を含めた一皿にあると思います。ですから鮮度や色ばかりでなく、器や盛り付け、その場の雰囲気など、うまく画面を整理するバランス感覚が必要です。まずは一番伝えたいポイントを見極めましょう。たとえば刺身なら断面のエッジのシャープさや切身の透け感を、焼き魚なら香ばしく焼き上がった皮や艶やかな脂の照りを伝えたい。そのうえでお酒やレモン、大根おろしなど、細部に気を配れれば言うことはありません。もちろん一番大事なのは食材に対する熱い気持ちです。スピーディに撮って、美味しくいただくことを忘れずに。

伝えたいポイントを見せながら細部に気を配ろう。

( 2020.02.20 )

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焼き魚をお家でするときに困るのが煙と匂いですがこれさえあれば、解決します。しかもお手入れも簡単。

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焼き魚は炭じゃなきゃ、という方にはこれですね。お庭か屋上でお願いいたします。

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お刺身は食べる直前に切るのが一番美味しい。魚を柵で買ってきてお家で盛り付けましょう。

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お刺身の美味しさは鮮度はもちろんですが、包丁の切れ味も超重要です。細身の断面の美しさにも拘りましょう。

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