PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SNS映えするおしゃれな料理写真といえば、やはりパスタは外せないところです。PY編集部員におしゃれ感を求めるのは少々ハードルが高い気もしますが「とにかくやるんだよ！」というのが編集部のモットーでありますので、其の四のお題は「パスタ」としました。条件はいつも通り「スマートフォンのカメラで撮影する」ということだけ。さて、どんな写真が出てくるでしょうか。
（ Text by Z II ）
お題「パスタ」
#1 - iPhone 6 Plus
シンプルなトマトパスタです。盛り付けに高さがないので真上から撮っています。ちょうど緑、赤、白とイタリアの国旗の色になっているところはSNS映えする要素ですね。残念なのはお皿にスマートフォンの影が写り込んでいること。これは気をつけるべきでした。
#2 - iPhone XS
こちらはスープパスタ。光の使い方は良いですね。ただ、切り取り方に迷いがあるように感じます。おしゃれって何？という心の声が写真から聞こえてきます。
#3 - iPhone SE
こちらは家庭で出たパスタです。何ベースのパスタなのかおわかりでしょうか？ 一見バジル系かと思いますが、実はほうれん草ペーストのソースだそうです。皿に付いたソースなど、おうち感は出ていますが、おしゃれ感は置いてきた感じがします。いかに盛り付けで印象が変わるかが分かる一枚になりました。
#4 - iPhone XS
クリーム系のパスタも人気のパスタ。パスタとソースが程よく絡んだ感じが伝わって美味しそうです。細長いタイプの皿は切り取り方が難しいですが、綺麗にまとめましたね。また奥のカトラリーがアクセントになって臨場感が出ています。
#5 - iPhone 6
おっと、これは刻み海苔の主張が強いですね。昭和風のパスタで根強い人気がある銀座の名店「ジャポネ」のスパゲッティです。おしゃれに撮るというより「何だろうこれ？」という路線を狙った感じでしょうか。まるで焼きうどんという感じで、今回のお題からは逸れたかもしれません。
それにしても同じパスタでも完全に発祥のイタリアンを脱しているところは日本の食文化の奥深さを感じますね。
#6 - iPhone XS
食文化でいうなら名古屋の「あんかけスパゲッティ」も独自性と異質性において群を抜いていると思います。一体どこから手をつけたらいいのか迷ってしまうこの一皿。おしゃれな雰囲気はないですが、ニヤリとさせてくれることは間違いないです。
#7 - iPhone 7 Plus
こちらは、青山にある「キハチ」という老舗レストランでのランチ風景。盛りつけの美しさはさすがです。iPhoneのポートレートモードを使って背景をぼかし、皿を画面の右に寄せ水平垂直を意識して撮っています。皿を切ることでパスタを少し大きく見せられますが、切り過ぎても主張が強くなりすぎるので程よい切り取り具合が求められます。ですから普段から試しながらちょうど良い切り取り具合を見つけると良いと思います。
ただ、これはパスタのみのシンプルさが少し寂しい印象です。一人ぼっち感が出てしまいました。
#8 - ASUS ZenFone5
イカ墨のパスタをココでぶっこんでくるあたり「さすがPY編集員」と言わざるを得ないのですが、正直このパスタは難易度が高いうえに使用しているスマートフォンが少し旧式で、質感が出し切れませんでした。少し目を細めて見るとイカの香りが蘇ってきそうです。ナイスチャレンジ賞。もとい、敢闘賞と言っておきましょう。
#9 - iPhone X
良い盛りのパスタに出会えました。盛り具合を強調したベストなアングルを選び、奥には別のソースのパスタが見えています。パスタをシェアし合っての楽しいディナーが想像できますね。室内光ですが良い光の条件とシェフの盛り付け、被写体の配置や背景ともに申し分ないです。
被写体選びも、切り取り方も、ウデのうち。
今回のお題「パスタ」ではバラエティあふれる被写体が集まりました。食べ物に良し悪しをつけるのは野暮ですが「被写体としてどうか」という点に絞るなら、優劣や適不適もあると思います。今回の写真を見ていると、料理の盛り付けが写真の出来映えに大きく影響することはハッキリしました。美しい盛り付けは料理人の矜持ですから、しっかりと受け止めて鮮やかに撮りたいものです。
さて皿に盛られた料理は、どのように切り抜くかもポイントになります。改めて見てもらうと（一番上のトビラ画を除いて）皿の全体を写した写真が一枚もないことにお気づきでしょうか。おそらく、皿全体を画面に入れようとすると主役であるパスタが引き立たなかったのでしょう。カメラを構えてはじめて気がついて、どうトリミングしようかと迫られるシーンはよくあります。ただ、完璧な正解はないものですし、むしろそれは各々の心の中にあるものでしょう。ご自身が「いいな」と感じる切り取り方を探してみてください。いろんな写真を見て、トリミングに注目するのも参考になります。
前回のお題の「肉」でもそうでしたが、一発で撮ることが何よりもおしゃれです。
料理が冷める前に、一発で撮れるように準備をして臨みましょう。
被写体を引き立てるように切り取ろう。
( 2019.02.27 )
ソースの絡みもよく小麦の味を堪能できる一品。各種パスタもご用意のあるヨドバシ・ドット・コムへどうぞ。
お湯切りが便利なパスタ鍋。麺類はたっぷりのお湯で茹でましょう。
パスタにはアルミのフライパンが至高。熱伝導性が高く、ソースの色もわかりやすく、仕上がりがきっと変わります。
本当ならオリーブの木ベラを合わせたいところですが、現代は便利なシリコントングで。料理が捗ります。
基本のレシピを身につければ、パスタがもっと楽しくなる。作る楽しみもぜひ。
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