KamLan FS 28mm F1.4

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

リーズナブルな高性能レンズを次々と世に出している台湾の新進気鋭レンズメーカー、KamLan（カムラン）。そのカムランが2019年1月に発売したフジXマウント用「FS 28mm F1.4」をレビューいたします。今回レビューしたフジXマウントのほかにも、ソニーE、キヤノンEF-M、そしてマイクロフォーサーズの各マウントが用意されています。大口径F1.4ですが、非常にコンパクトかつ軽量な作りで、やはりこういうレンズは自ずと撮影のペースが上がります。そして疲れない。特に夏場の撮影では後者の要素がじわじわと効いてきます。今回の撮影でもどれだけ助けられたか。では早速ご覧ください。

( Photography & Text : NB )

開放です。どうですか、この立体感。やや癖のある前ボケですが、むしろこのボケ味が立体感に繋がっているのだと思います。ピントの位置を手前から奥まで、いろいろ変えて撮ってみた中の一枚ですが、ピントがどこにあろうと素晴らしい写りだったことは申し添えておきます。このカットを見て「おお」となった方、もうここから先は見なくても結構です。一番下にある、「カートに入れる」というボタンまで速やかに移動してください。

開放では周辺が少し流れます。もちろん少し絞れば解消しますが、これも写りの味わい。むしろ絞りによって写りの性格が変わることを積極的に利用できるレンズと言うべきでしょう。絞りって、被写界深度をコントロールしているだけではないですからね。

低照度下の撮影。シャドウの消え入り方、ハイライトの立ち上がり方がいずれも柔らかく、それが画全体のふわっとした雰囲気に繋がっています。開放の写りに求めるものは人それぞれだと思いますが、私はできるだけ柔らかくあって欲しいです。

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そのお金で、これ買いましょう

冒頭で「リーズナブル」と書きましたが、リーズナブルにもほどがあるでしょうよ、っていうぐらいのリーズナブルさ。だって写りはご覧いただいた通りです。実際に使ってみても、作りに安っぽさなんて微塵も感じられません。実にキッチリ、カッチリしています。ホントにこれで利益が出ているのか心配になります。気になる女性を誘って、カッコつけてちょっといいレストランで食事したら、軽くこの価格をオーバーしますよね。で、それが幸せな未来に繋がるのならまだしも、繋がらないですよね？ せいぜい「今夜はごちそうさまでした」ってLINEが来るだけですよね？ やめましょう、そんな無駄な投資は。そのお金でこれ買いましょう。これならお金が無駄にならないどころか、価格以上の見返り（それも遥かに大きな）が間違いなくあります。確実に幸せな未来に繋がります。それと、もっとお高いレンズを買おうと検討中の方。もちろん高いレンズはいいですよ。高いのにはちゃんと理由があるのでその選択は間違っていないと思います。でもここはカムランを選んで、経済的な余裕を維持するのもまた賢さです。あるいはその予算でカムランが一揃い、軽く買えちゃったりしませんか。要は、性能差と価格差のバランスをどう見るかです。

( 2020.09.14 )