PHOTO YODOBASHI
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TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di VC USD G2 Model A041
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
TAMRONの超広角ズームレンズ「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A041」、キヤノンEFマウント用をレポートいたします。本レンズは開放F2.8通しという大口径ズームレンズの超広角側を担う1本で、定評のある先代モデルA012の光学設計をベースにリニューアルしたもの。これによってTAMRONのいわゆる大三元ズームレンズがすべて刷新されたことになります。もちろんブラッシュアップされたのはモダンなデザインの外装だけではなく（実のところそれも所有者としては重要ですが）、このようなレンズに求められる妥協なき高画質、得られる撮影結果への信頼性、実際の撮影現場での使い勝手など、しっかりと向上させてくれるアップデートが図られました。フィールドに持ち出して、その感触を確かめてみましょう。
( Photography & Text : Serow )
超広角レンズの面白さが、その広い視野にあることは明らかでしょう。得られる大胆なパースペクティブは、目で見た以上にダイナミックな画をもたらしてくれます。
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ヌケよくスッキリとした色合いで、気持ち良くシャッターを切っていくことができました。しかし単にシャープなだけでなく、どこか柔らかなニュアンスがタムロンレンズの魅力だと思います。絞りを開けば一層その個性が際立ち、面白い結果を生み出してくれることもしばしば。ところで、こういった日中の撮影においても手ブレ補正機構の恩恵は十分に感じられました。右手ひとつでカメラを握って手を伸ばしたままシャッターを切る、という無茶な姿勢を求められる場面があったのですが、あっけないほど普通に撮れてしまったのです。
定評のあるタムロンの手ブレ補正機構「VC」、本レンズではその効果が4.5段相当というから驚きです。一般的に手持ちで切れるシャッター速度は「1/焦点距離」などと言われますから、15mmであれば1〜2秒までいけるのではないかと思い、暗いシーンへ積極的に持ち出してみました。開放からシャープですし、夜景撮影が三脚なしでもなんとかなってしまうのがシンプルに嬉しい。持ち歩く楽しみが増えます。
もちろんその威力は空間の限られた屋内でも。実際、超広角レンズがどうしても必要になるのは、こういったシーンを撮影する時でしょう。ワイド端の15mmを軸に状況に応じて30mmまで伸ばせるというレンジが使いやすく、隅々まで使えて極端な周辺減光もない。若干の歪曲はありますが、このあたりは被写体と処理次第でしょうか。レンズを手にしたその日から実践的に使えると思います。
持っていなければ始まらない
本レンズの進化したポイントを見ていくと、それが「現場」に直結した、極めて実際的なものであると感じられます。手ブレ補正機構やAXコーティングは得られる結果と精度を高めるため。高耐久防汚コートや簡易防滴構造はフィールドに出て最善線でシャッターを切る撮影者のため。超広角レンズというのは目的や必要性が明確なレンズであって、仕事の場面で使われることの多い機材です。しかしプロであれアマチュアであれ、それはレンズを持っていなければ始まらない世界。逆に言うなら、あれば確実に世界が広がるレンズだと言えます。
もしこのカテゴリのレンズをお持ちでないなら、本レンズは強力な選択肢のひとつになるでしょう。大口径ズームレンズはメーカーの技術の結晶であり、やはりその性能は伊達ではない。比べてみればわかりますが価格も決して高くはありません。撮れるものが増えること、安定した結果が得られること、ルックスが良くなったこと、理由はいくらでもあります。あなたの好奇心が、世界を広げるのです。
( 2018.11.08 )
使ってみると手ブレ補正が実にいい。これだけで買い替えもアリなんじゃないかと思います。ルックスも良くなっていますしね。