PHOTO YODOBASHI

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Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/400, F4.0, ISO 100, Photo by A.Inden

Canon EF24-105mm F4L IS II USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンのフルサイズ対応EFレンズのリニューアルが相次いでいます。今回レビューをお届けする「EF24-105mm F4L IS II USM」も然り、実に11年ぶりのリニューアルとなりII型へと進化。キヤノンレンズにおいて最高峰に位置づけられるLuxuryの頭文字を冠した“Lレンズ”の中でも、比較的リーズナブルに手にできるという魅力的な一本です。主な変更点は、ガラスモールド非球面レンズが1枚増えて4枚となり、フレアやゴーストを低減するレンズコーティング「ASC」(Air Sphere Coating)を施し、絞り羽根は8枚から10枚になりました。使い勝手においては、手ブレ補正効果が約4段分へと向上したことも見逃せません。全長118mm、重量795gとなりましたが、開放値はF4通しですからサイズ的にもまだまだ十分にコンパクト。風景からスナップ、ポートレートにと、さまざまなシーンで楽しめる標準ズームレンズ。さてさてどんな写りを見せてくれるのでしょうか。撮影してきた作例カットをどうぞ参考にしてください。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/60, F5.6, ISO 200, Photo by A.Inden

テレ端105mmの画から見て行きましょう。フォーカスした親子の髪の毛はもちろんのこと、お嬢さんのデニムの風合いまできちんと解像しているのがわかりますね。自然光が降り注ぐ奥の方と、屋根が掛かっている手前側の輝度差も自然に表現されています。開放から1段絞っていますが、控えめなボケ量ながら被写体へと視線誘導するには必要にして十分でしょう。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/800, F4.0, ISO 200, Photo by A.Inden

同じくこちらもテレ端です。絞り開放ながらこれだけ距離があるにも関わらず、しっかりとシャープに捉えているのがわかります。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/320, F5.6, ISO 200, Photo by A.Inden

ちょっとカラフルなステップを、さりげなく照らし出すガラス越しの自然光。ワイド端のパースペクティブ表現を活かして収めてみましたが、狙い通りの仕上がり。発色も眼で見たままを忠実に再現するという優等生ぶりです。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/3200, F4.0, ISO 100, Photo by A.Inden

少し角度を付けて撮影するだけで迫力が出るワイド端24mm。絞り開放からホントによく写ります。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1s, F4.0, ISO 200, Photo by A.Inden

大口径レンズに比べればボケ量が少ないとはいえ、ピント面の薄さがよくわかるカットではないでしょうか。前後共に素直な傾向だと思います。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/4000, F4.0, ISO 800, Photo by A.Inden

よく見ると中央奥にある自転車の前輪が二線ボケみたくなっていますね。背景との距離や明るさといった条件次第では、こういったケースもあるようです。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/1600, F5.6, ISO 100, Photo by A.Inden

太陽光を反射した所は白飛びしているのですがよく粘っています。いわゆる普通のレンズでこのようなシーンを撮ると周辺に滲みが出るものですが、よく抑えられていると思います。さすがはLレンズですね。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/400, F5.6, ISO 200, Photo by A.Inden

開放から1段絞っただけでシャープネスはマックスに達する印象です。ひとつ前のカットと同じビルの内側からワイド端で撮影したカット。確かに歪曲は見られるものの、焦点距離からすれば軽微なレベルといっても差し支えないでしょう。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/50, F4.0, ISO 200, Photo by A.Inden

かなり輝度差のあるシーンですが、明暗共にバランスよく写し込んでいます。蛍光灯や自然光に加え、非常口誘導灯の色味などが複雑に絡んだ光の下でしたが、その独特な光感をうまく捉えています。撮影時の雰囲気そのままです。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/1000, F4.0, ISO 100, Photo by A.Inden

開放での撮影。ハイエストライトの周辺などは、もう少し色収差や滲みが出てきそうなものですが全然ですね。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/125, F4.0, ISO 200, Photo by A.Inden

ショーウィンドウへの写り込み。ビルの切れ間から差し込む光はまるでスポットライトの様。ちょっと複雑な構成となっていますが、ガラスを透過した光の照らし具合を見事に再現してくれました。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/3200, F4.0, ISO 200, Photo by A.Inden

最短撮影距離は全域45cm。テーブルフォトもサクッとこなせます。ボケ具合も自然で、しっかり寄ると主役が引き立ちますね。

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/200, F5.0, ISO 100, Photo by A.Inden

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/1600, F5.6, ISO 200, Photo by A.Inden

Canon EOS-1D X Mark II, EF24-105mm F4L IS II USM, 1/160, F5.0, ISO 200, Photo by A.Inden

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いつも触れるズームリングやフォーカスリングが幅広になり、鏡胴デザインの印象が一新されました。また、従来からある「フォーカスモードスイッチ」と「手ブレ補正スイッチ」に加え、不意にレンズが延びないようにワイド端で繰り出しのロックができる「ズームリングロックレバー」(LOCKの白文字がある突起部分)が設けられました。これで持ち運びの際にも安心です。


高画素時代に備える。標準ズームの有力な選択肢。

手ブレ補正機構が約4段分へと向上したことで、様々なシーンを撮影してきましたが困るようなことはありませんでした。いくらカメラ側の高感度特性が良くなったとはいえ、そこに頼らなくともビシッと写し止められる安心感は何よりです。肝心な描写はズーム全域においてコンスタントにシャープな像を結びます。これについては先代からすでにクリアな描写であっただけに、相変わらず気持ちのいい画だなという印象です。今回は、2020万画素フルサイズセンサーを搭載した「Canon EOS-1D X Mark II」で撮影しましたが、仮にもし5000万画素オーバーのカメラで撮影していたら、描写力の向上がもう少し見えてきたのかもしれませんね。筆者の肉眼では正直判断がつきませんでした、面目ないです。ただ、冒頭でも書いた様に、キヤノンレンズのリニューアルが近年増えてきており、これはレンズの力量が問われてしまう繊細な表現が可能となる高画素カメラボディがますます台頭してくることを見据えた対応でしょうから、確実に描写性能はアップしているはずです。絞り羽根枚数を増やしたことからも、ボケ味にもきちんと注力していますよというメッセージが伝わってくるわけで。満を持してのリニューアルとなった「EF24-105mm F4L IS II USM」。開放値をF4に抑えながらも、テレ端は標準ズームとしては105mmと長めにカバー。しかもLレンズながらリーズナブルという嬉しさ。F2.8ほどのボケ量が必要なく、いよいよLレンズを買ってみたいなと思案中の方には手放しでおすすめできる一本です。気兼ねなく普段使いできる贅沢なレンズ、これはいいですよ。

( 2017.08.17 )

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なんと11年ぶりのリニューアルとなるEF24-105mm F4L IS II USM。非球面レンズ4枚、ASCコーティング採用で、Lレンズならではの高い画質を堪能できます。F4通しですから、24-105mmというズーム域でも比較的コンパクト。常用レンズにぜひ。

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キヤノン純正の保護フィルターは、レンズのカラーバランスを損なわず、多層膜コーティングによって反射光をカットしてくれます。レンズ購入時にはぜひ併せてフィルターをどうぞ。

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新しいレンズは、新しいセンサーで使ってこそその魅力をさらに増すものです。画素数を3040万画素と前モデルよりもアップさせ、フラッグシップ機同等のスペックを有する5Dシリーズ最新モデルとの組み合わせもおすすめですよ。

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今回の作例撮影には、EOS-1D X MarkIIを使用しました。基本性能を大幅に向上させつつも、14コマ/秒の高速連写性能を実現した本機。動体の撮影はもちろん、その高い画質はさまざまな場面で撮り手の信頼を集めています。

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