PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SONY SEL70350G E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
APS-Cフォーマット専用の望遠ズームレンズ「SEL70350G E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS」がリリースされました。本レンズは35mm判換算で105-525mm相当の光学5倍ズーム。Gレンズですから、シャープな描写、そして美しいボケに期待がふくらみます。光学系は非球面レンズ1枚、EDガラスを3枚採用した13群19枚。各硝材を最適に配置し、ズーム全域ですみずみまで高い解像力を持っていると謳われています。光学5倍の望遠ズームながら625gと軽量で、携行性に優れるのも魅力。光学式手ブレ補正機能も搭載され、防塵・防滴に配慮した設計となっています。遠く手の届かない場所にある被写体をグっと引き寄せてくれる望遠レンズは、ズームであればさらに利便性が高まり、出番も増えるというもの。自然風景から野鳥、飛行機、モータースポーツや運動会とさまざまなシーンで活躍してくれそうな1本です。さっそく撮影して参りましたので、作例をご覧ください。
( Photography : KIMURAX / Text : Rica )
まずは本レンズの最大の特長ともいえるテレ端の画からご覧いただきましょう。幅4mほどの店先にぶら下がる電飾を、超望遠の圧縮効果でギュっとフレーム。フォーカスした電球のフォルムをしっかりトレースしながら、細かい埃までつぶさに捉えているのがわかります。前後のボケの発生もとても自然です。
水滴をたっぷりと乗せたクルマのボンネットは、光の当たり具合によって色合いが変化しやすいパールメタリック系の塗装が施されています。そこに太陽が照りつけるというかなり意地悪なシチュエーション。色収差やら何やら盛大に出てきても不思議ではないのですがね。いかがですか？まったくと言っていいほどにそれを感じさせない描写。テレ端525㎜相当でこの解像力とは感心しきりです。
階段の手すりですが、テレ端の圧縮効果を活かせばちょっとしたオブジェのように切り取ることだってできます。
一気にズームして、ワイド端での描写をご覧いただきましょう。ほぼ最短撮影距離ですね。ショーケース内の照明だけでしたので少々色味に元気がなさそうですが、実際に見た時の印象とほとんど変わらないような気がします。とろんと溶けたところや、輪切りのドライフルーツの乾いた質感まで丁寧に描かれており好感がもてます。
ズーム域のほぼ真ん中あたりでの撮影です。ご覧のとおりかなり高コントラストなシーンですが、明暗バランスよく描き込んでいます。拡大してみても色収差は皆無。さすがはGレンズですね。
このカットではフレームアウトしてしまっていますが、直前まで右上の方にある柳の木と水面を撮影しようとしていました。そこへ音もなくスーッと白鷺が現れるではありませんか！フレーム極狭のテレ端でしたがそのままスライドさせ鳥にフォーカス。瞬時に反応してくれるAFは実に頼もしいものです。足元を見ると波紋はまだ広がっておらず、まさに着水した瞬間を捉えることができました。手ブレ補正も素晴らしい効きです。正直かなり慌てていたのですが、そんなことは微塵も感じさせませんよね、多分（笑）。
最短でのテレマクロ撮影ですが、絞り開放からホントによく写るものです。ボケ味もとても滑らか。
被写体をきりっと浮かび上がらせる解像力、そして自然なボケ味。Gレンズの力ここに見たり、という感じですね。
よくキレる、よくボケる。まさに現代レンズらしい素晴らしい、隙のない写りを見せてくれます。ちょっと遊んで、右側にドーンと木のボケというか、シャドーの塊を入れてノスタルジックな雰囲気で切り取ってみました。
色乗りしっかり。シャドーの粘りもしっかり。諧調はどことなく厚みを感じさせます。
見えていなかったものが見えてくる、望遠ズームでの新しい発見
望遠ズームレンズでは、この被写体を撮るのだ！ という強い覚悟を持つ必要がある一方で、実は持っていると非常に新しい発見が多いものです。これだけ軽量のレンズであれば、理由はなくとも街へ持ち出し、ぜひスナップ撮影してみてください。普段自身の視野にないものがグっと目前に迫ってくることで、たくさんの新しい発見があります。また、望遠レンズではボケも大きく、圧縮効果もともなって日常的に見えている光景がまるで違ったものに写り、写真が上手くなったような気持ちになれるので、特に初級〜中級者には強くオススメしたいカテゴリーのレンズなのです。Gレンズらしいシャープな描写は目を見張るものがあり、特に期待の大きい350mmのテレ端でのキレも上々。単に「350mmまである」のではなく「350mmまで使える」レンズであることは間違いありません。本レンズにはG Masterレンズで採用されている最先端技術「XDリニアモーター」が採用されており、速いだけでなく、高い精度、高追随、そして静かなAFで狙った被写体を逃さず捉えることができます。何より、AFが速く正確であることで自身のリズムを乱されることなくスムースに撮影ができるというのは非常に重要なポイントでもありますよね。APS-Cのソニーαシリーズユーザーなら、ぜひ手にしていただきたい1本です。
( 2019.10.16 )
テレ端350mm（35mm判換算525mm）。Gレンズならではの高解像力でグっと遠くの被写体を引き寄せる、コンパクトなAPS-C超望遠ズームレンズです。光学5倍ズームでありながら約625gと軽量で、携行性の高い一本に仕上がっています。
大切なレンズの前玉を保護フィルターで守りましょう。こちらは高性能なカールツァイスMCプロテクター。レンズをキズやホコリから守り、安心感が得られます。薄型設計ですから、装着時のケラレも発生しません。