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Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

Nikon NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

大変にコンパクトな望遠ズームで、なんと重量は405g。35mmフルサイズ換算で、75-375mm相当となります。スペック類を眺めていると今時ある意味珍しいのかもしれない、非球面レンズが入っていません。むしろ撮影するのに興味がわくというものです。最近のレンズはともかく色々とてんこ盛りになりがちで、結果として大きさや重量に響いてきます。写真というものは、カメラを持ち歩かないことには撮ることができません。持ち出すのが億劫になれば本末転倒というもので、コンパクトなのはそれだけでありがたい。ついでに価格も安いに越したことはない。日常的に新製品に触れる中で、素晴らしいレンズ達に(価格も素晴らしかったりします)魅せられることはもちろん、反面、いつも「程よい落とし所」のようなレンズも探しているように思います。各メーカーがリリースする70-300mm・F値少し暗め、こんなレンズはおおよそハズレがない印象で、本レンズもテスト前から期待大です。なにせ、Zマウントの他のレンズの写りが素晴らしい。早速作例を並べてみますので、参考にしていただければと思います。

( Photography & Text : K )

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

空気の密度が上がるような、質の高い描写

結構肌寒くなってきました。まさに晩秋といった雰囲気の2日間、このレンズを持ち歩きました。よいなと感じる望遠レンズは、ある種意味不明な表現となりますが、画から空気の密度を感じるのです。ページ一番上のカットは、雲に遮られた弱い光がこの季節独特の空気を感じさせてくれます。レンズのヌケとコントラストのバランスがよいのでしょう。眠すぎてもダメ、コントラストがつきすぎてもダメ。実に良い塩梅です。木の葉のカットはかなり望遠側にズームしていますが、寄れるのに驚きました。最短は50cm近辺のようで、近接時の画のキレもなかなかなものです。これはいい、撮るのが楽しくなってきます。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

山間に赴くと早くも雪景色に。開放で周辺は程よく落ちる程度で、1段絞るだけでかなり解消する印象です。テレ端での撮影で、ボケの確認をするには少し意地悪な背景。木々の角が立つようなボケ味ではなく、なかなか良好。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

ズーム全域で曖昧さのないシャープな描写。しかし、硬くはない好ましい描写だろうと思います。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

撮影に用いたNIKON Z 7IIは自前の物で、日頃は70-200mm F2.8通しを組み合わせて使っています。本レンズを取り付けると、APS-Cサイズにクロップされはするものの、これだけ写ってコンパクトならこちらを手にして出かけるのが目に浮かびます。


Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

景色を捕まえるのが楽しい

まるで高倍率ズームを搭載するコンパクトデジタルのような気軽さで、景色をグッと手繰り寄せることができます。スナップのような撮影であれば、基本的には標準域の単焦点レンズで日頃撮影することが多いのですが、望遠ズームの面白さはフレーミングにおける自由度の高さです。単焦点レンズを使っていると本当にこんな便利なものがあってよいのかと思うほどですが、大きく重いとさすがにスナップ撮影に用いようとは思いません。テストしてみて、スナップにこそこんなレンズを揃えたいと思わされます。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

車を路肩に急ぎ停めて、歩道に繰り出し撮影。あまり大きなカメラにレンズだと試みないと思います。遠景に細かい枝葉がありましたが、少しボケに癖を感じるものの、クラシカルな印象で好み。非球面レンズが入っていないこともあって、嫌味のある癖ではないのです。人物に置いたピント位置はなかなかにシャープです。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

普段から絞りが不要というほどに開放で撮影することが多いのですが、こんな画だとさすがに絞ります。あまり開放から画の雰囲気は変わらない印象で使いやすいと思います。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

横着に、信号待ちの際に運転席に座ってフロントガラス越しの撮影です。撮りたくなることって多いんですよね。これもコンパクトだからこそ成せるというわけで、F2.8クラスだとフロントガラスにレンズが当たってしまいます。。

Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

夕陽のシャワーの中で、クラシックカー独特の窓のくぐもりにピントを。いやあ、文句なしの満足な写りです。


Nikon Z 7II, NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR, Photo by K

キットのレンズに間違いはない

どのレンズもメーカーの威信を背負ってることには間違いがありませんが、キットレンズとしてリリースされるものには間違いがないと思います。数々のメーカーに対するインタビューにて伺ってきた話ですが、実体験として実感してきたことでもあります。本レンズを使ってみて、NIKON Z 50が欲しくなったほどです。もちろん、NIKON Z 7IIのクロップモードで使うのでもよいのですが、有る物はやはり全部使いたいわけです。ならば、さらにコンパクトなZ 50に魅力を感じるわけです。開放F値などは、それそのものが性能であり、選択する要素の一つになるわけですが、F値が暗くても、コンパクトで軽く、さらに写りが良ければ、これまた性能であり選択する要素の一つとなるのです。正直な話、お子さんを撮りたい、旅行に連れ出したい、普段使いしたい、そんな一般的なカメラのニーズにおいて、NIKON Z 50と、16-50mm / 50-250mmの2本があれば文句なしといった印象です。写真の入り口に立つ方々でも存分に写真の楽しさを感じられると思いますし、「暗いレンズにハズレなし」という手練れの皆さんも満足される一本ではないかと思います。

( 2021.11.30 )

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軽快感と高画質を高次元にバランスさせた本レンズをDXフォーマットのボディだけで使うのは勿体ない、FXボディをお持ちの方もぜひクロップしてお使いください。ハンドリングの良さが異次元です。

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こちらは、本レンズに標準ズームとZ 50をセットにしましたお得なパッケージ。

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