PHOTO YODOBASHI

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Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

Nikon NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

重量135g、沈胴時の全長32mmというパンケーキレンズのような標準ズーム「Nikon NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」をご紹介します。本レンズはNikon Z 50用のキットレンズとして登場したものであり、Z 50に先行して発売されたフルサイズボディのZ 6/Z 7ユーザーの方には「眼中になかった」という方も多いのではないでしょうか。Z 7ユーザーである私もそうでした。しかし、Z 50の実写レビューを担当し、2本のキットズームの光学性能の高さに感嘆し、この度フルサイズボディであるZ 7に本レンズをマウントする機会を得ましたので、実写レビューとしてお届けしたいと思います。

本レンズは、軽量コンパクトにまとめられた(APS-Cサイズの)DXフォーマットに対応したレンズとなるので、フルサイズボディでもご使用いただけますが、約半分の画素にクロップされたものとなります。レンズ構成は、わずかな全長に7群9枚ものレンズを詰め込んでいます。しかもEDレンズを1枚、非球面レンズを4枚採用するという、ズームレンズとしては枚数を抑えながらも贅沢な構成。AFはステッピングモーターを採用し、全長の変化がなく高速に駆動するインナーフォーカス方式も採用。電磁絞りに光学手ブレ補正「VR」も搭載するなど、最新設計らしいレンズとなっています。印象としては「ずいぶん気合い入ってるな」といったところです。それでは前置きはこのくらいにして、実写レビューをご覧いただきましょう。

( Photography & Text : Naz )

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

フルサイズ換算24〜75mm相当と標準域をしっかりカバーする、日々の記録的なものからスナップ撮影まで使い勝手のよい3倍のズーム比。日常のひとコマを捉える時にも画面の整理がしやすいですね。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

本レンズに合わせてカメラ側で歪曲補正がかかっているのだろうと想像します(RAWデータも同様でした)。こちらはテレ端、フルサイズ換算80mm相当のカットですが、歪曲においてはズーム全域で意識しなくていいレベル。直線はちゃんと真っ直ぐに。ズームレンズとは思えない安定度です。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

こちらはフルサイズ換算24mm相当のワイド端。10mほど先にある画面中心の電光表示にピントを置いています。立体感もあり空間を認識しやすく感じます。また、F11まで絞り込んでパンフォーカス気味に、そして少しだけ動きが出るようシャッター速度を低速にしてみましたが、レンズ内蔵の最大4.5段相当となる光学手ブレ補正(VR)の効きは素晴らしく、ファインダーでもその効きを目視できました。


Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

F3.5〜6.3という開放値からご想像つくとは思いますが、ボケ量に関しては残念ながら多くは期待できません。恐らく、あまり目立たないボケ味よりも解像力に振っているのでしょう。やや硬めのボケ味に感じますが、嫌な癖は感じません。積極的に被写体へ歩み寄ることで、ある程度のボケ量を画面内に作ることは可能です。このあたりが本レンズを使いこなすポイントではないでしょうか。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

ステッピングモーターを採用したAF駆動は静粛かつ高速。動画撮影にも使いやすいレンズであるといえるでしょう。3倍ズームにより、少し遠くの被写体を引き寄せるだけでなく、画面の整理もしやすいですね。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

最短撮影距離は16mm時で0.25m、50mm時で0.3m。最も寄れるのは24mm時で0.2mとのことですが、最大撮影倍率が0.2倍ということでもう少し寄れるといいなあと感じることが時々ある印象でした。とはいえ、レンズのサイズや光学性能等、総合的に考えれば十分なものでしょう。近接時の画質についても安定していますね。ピント位置の変動による画角が変化するフォーカスブリージングも抑制されているとのことでした。このように強い光源が画面内に入ることでゴーストが発生することもありましたが、ごく浅い純正フードでも不足を感じさせないほどに逆光には強い印象です。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

こちらテレ端・開放での1枚。解像力は猛烈といったレベルで、それはこのサイズまで縮小した画像からでも感じていただけるのではないでしょうか。この写りを見ると「本当に手頃なキットレンズなの?」と思わされてしまうところがあります。色収差も見当たりません。画像のクリックでご覧いただける原寸画像を用意しました。ニコンさん、本気で作りすぎじゃないでしょうか。


Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

近景から遠景まで描写の安定度は非常に良好です。ここまでの作例のコメント、エントリー機向けキットレンズに添えるものというよりは、高性能なハイエンドレンズに添えるような言葉ばかりが続いてしまいました。実際のレンズもそうなのです。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

人の多い場所へ出掛けにくいこの頃、東京湾フェリーで三浦半島から房総半島へドライブ。1時間にも満たないフェリーに乗るだけでも、いつものアクアラインでは味わえない“日帰り旅”となった気がします。たまにはいいものですよね。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz

コントラストの高いレンズですが、ハイライト側もシャドウ側もよく粘る印象です。撮って出しのJPEG画像では空は白く飛び、駅舎とバスはもっと暗く落ちていましたが、不自然にならない程度に現像で調整してみました。雰囲気ある1枚になったと思います。

Nikon Z 7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, Photo by  Naz


PHOTO YODOBASHI※画像のクリックで沈胴した状態と繰り出した状態が切り替わります

DXボディ専用としてじゃもったいない。Z 6/Z 7にこれまでにない軽快感を。

いかがでしたでしょうか。フルサイズボディをお持ちの方は高性能なSラインの製品を既にお使いだと思います。Zシステムも一眼レフに比べればコンパクトなボディとなり、ラインナップされたレンズも光学性能を踏まえればコンパクトにまとまっている印象ではありますが、実際に手にしてみると「もう少し小さかったらなあ」と思われた方も多いのではないでしょうか。たとえばZ 7にNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを合わせれば重量は1,175g。撮影のためならまだしも、撮影以外の目的に持ち出すには少々大きく重いな、という印象を持っていました。

そんな中で「撮影ではない外出にも高画質なZ 7を持ち出したい」という欲求に上手に応えてくれたのが本レンズです。ボディにレンズを組み合わせても810g。プラスチックマウントは敬遠されがちなマテリアルではありますが、この製品ではむしろ軽量化にも一役買っているのではないかと思います。レンズそのものの質量も限られていますから、実際にもエンジニアリングプラスチックで何ら問題ないのでしょう。

フルサイズボディではクロップされた状態になりますので、Z 6では約1000万画素となってしまいますが、Z 7では約1950万画素と通常使用ならば不足を感じない情報量を発揮してくれるのではないでしょうか。むしろ気にすべきは、F3.5〜6.3という開放F値。普段F2.8通しのズームレンズやF1.8より明るい単焦点レンズを使っていると、ISOオート時は感度が勢いよく上昇する様は異次元の感覚です。これらの作例の中に、日中ながら高感度域までISO感度が上昇しているカットもありますが、以前ならば神経質にならざるを得ない状況でも、高画素機のZ 7ですらこの程度のノイズ感ですから、本レンズを使うシーンを想定すれば、さほど気にしなくていいように思いました。

ロケを終えた感想は「これだけいいレンズをZ 50のためだけに存在させるのはもったいない」ということ。フルサイズZボディをお使いの方も、ぜひ手にしてみてください。軽快感が素晴らしく、この価格で買える製品としては驚くほどご満足いただける1本に仕上がっています。どうぞ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」でニコンのZシステムに対する意気込みを改めて感じ取ってみてください。

( 2020.03.25 )

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ポイント含めてこの価格。既に標準ズームをお持ちの方にもおすすめの1本です。想像以上に軽快になりますよ。

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フィルター枠ねじ込み式の純正フード、浅めですからコンパクトさを損ないません。レンズ先端のガードにも役立ちます。※こちらのフードはレンズ本体に付属しません。

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