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Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ニコンのS-Lineから開放F4通しの5倍の標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」が登場しました。フルサイズZマウント用の標準ズームは何本か発売されておりますが、望遠端の焦点距離を120mmまで伸ばしたF4通しの標準ズームレンズは初。本レンズはED非球面レンズやEDレンズを贅沢に配した13群16枚構成で、AF駆動にはマルチフォーカス方式が採用されています。これによって遠景から近接撮影時まで常に安定した高画質が得られるとのこと。重さはクラス最軽量の約630gを実現させており、多機能で可搬性の高い一本に仕上がっているようです。S-Lineにラインアップされているレンズはいずれも超高性能を誇ります。本レンズも高いパフォーマンスで驚かせてくれるだろうという期待を胸に、早速フィールドに持ち出してきました。

( Photography & Text : TA )

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

フレーム内に水平線が入り込む直前のところで、ズームリングを回す手を止めました。気持ち良いと感じる画角に落とし込めるのはズームレンズのメリットですね。絞り開放から緻密な描写で、細波を丹念に描く確かな解像性能がうかがえます。露出をプラスの方向でまとめていますが、光量の違いもよくわかる写りでトーンの連なりも見事なものです。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

50mm付近で撮影。絞り羽根は9枚で画面の隅の方まで綺麗な形状を保った玉ボケを見せてくれました。輝度差のあるところに嫌な色づきも見られませんし、コマ収差もよく抑えられています。ボケの質もなだらかで雑味を感じさせません。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

75mm付近で撮影。被写体まで距離がありますが、人物は背景に沈み込むことなく浮き立っています。手前から奥へと視線を移していくと、緩やかにボケていく様子がうかがえるかと。ピント面をキリッとシャープに描きながらも線は繊細で、その場の柔らかい雰囲気が描かれています。光に対する感受性や解像性能、ボケの質といった一つ一つの要素が高い次元でバランスされているのでしょう。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

テレ端120mmで少し絞り込んでみました。流石はS-Lineといった描写で、凄まじい解像力に圧倒されてしまいます。強烈な煌めきをフレーム内に配置していますが、一糸の乱れも感じさせません。水平線も清々しいほどに真っ直ぐ描かれています。ぽつんぽつんと見えている船までは相当な距離があるのですが、望遠端が120mmともなると主要な被写体として捉えることが可能になってきます。


Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

重量はクラス最軽量で630gほど。これなら長時間手持ちで振り回しても苦行にはならないと思われます。ズームリングは程よいトルク感で滑らかに回転。素早く正確な操作が可能でフレーミングの微調整も容易です。瞬発力を求められるシーンでも活躍してくれそうですね。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

F4といえど望遠端で被写体に迫るとかなりのボケ量になります。背景の整理がしやすく、正確なAFも備わっていますので人物撮影にも。上質なボケとピント面の際立ったシャープネスは、どんなものにもレンズを向けてみたくなりますよ。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA


Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

像の分離はすこぶる良く、抜けのよさが際立っています。コントラストや立体の描きかたも申し分なし。単焦点レンズをマウントさせているかのようでした。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

テレ端で赤い植物の葉にぐっと迫ってみました。ピント面がキレッキレですね。AF駆動にマルチフォーカス方式が採用されているため、至近距離から無限遠まで常に高い結像性能が得られるとのこと。最短撮影距離はズーム全域で0.35m。最大撮影倍率は0.39倍。取り回しの良さはもちろん、ハーフマクロに迫る近接性能の高さが嬉しいですね。これを生かすことで、絵画的・独創的な写りも楽しめるでしょう。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

広角端24mmで撮影。開放からスロットル全開といった趣で寸分の隙もない写りです。真っ直ぐに伸びる直線が、描写の端正さに拍車をかけるかのよう。スパッと気持ちよく描きながら画が硬くなりすぎない、よくまとまった描写だと感じます。四隅の光量は落ちる傾向にありますが(電子補正オフ時)、気になる場合は絞り込んだりボディの電子補正を利用してみてください。なお歪曲補正の項目のみ手動でオン/オフできない仕様となっており、電子補正を前提とした設計のようです。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA

同じシーンでもう一枚。ズームアップして広角端から中望遠へ。瞬時に画角を切り替えながら、常に安定した一級品の写りが手に入ります。

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S, Photo by TA


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新時代を担うマルチプレーヤー

なんでも器用にこなし、写りも一級品。極めて優秀なマルチプレーヤーです。遠くのものを引き寄せたかと思えば、時にマクロレンズになりスナップ撮影までこなせてしまう。即座に画角を切り替えながら、どのように切り取っても常に安定した高画質を提供してくれる、まさに頼れる相棒です。確かなビルドクオリティーで操作性もピカイチ。様々な機能が割り当てられるコントロールリングやL-Fnボタン、A/M切り替えスイッチを配し、シーンに合わせた操作が可能です。サブとして鞄の中に忍ばせておけばこれ以上ない安心感が得られるでしょうし、一本しか持って出られない時にも、真っ先に手が伸びる一本ではないかと想像します。初めてのS-Lineとしてもぜひどうぞ。

( 2022.01.31 )

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開放F4通しの5倍の標準ズームレンズ。AF駆動にマルチフォーカス方式を採用し、近接から遠景まで、常時安定した高画質が得られる可搬性の高い一本です。

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様々なフィールドでの使用が想定されますので、レンズの保護をおすすめします。

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