PHOTO YODOBASHI

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Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

APS-Cサイズのミラーレスカメラ向けとなる「SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary」の実写レビューをお届けします。今回は、新たにサポートされたニコンZマウント版。対象のカメラはDXフォーマットのD30やD50、Zfcとなるわけですが、このレビューではフルサイズのZ 7にマウントし、クロップモードにて撮影を行いました。Z 7では約1950万画素となり、フルサイズの高画素機にマウントしても十分にお使いいただけます。本レンズは2017年11月にソニーEマウント版とマイクロフォーサーズ版が発売され、その後キヤノンEF-Mマウント版、ライカLマウント版、富士フイルムXマウント版と対応マウントを増やし、今年の4月にニコンZマウント版にも対応となりました。実に6種のマウントをサポートするという、長きにわたり多くのミラーレスカメラで愛用されているレンズといえます。

本レンズを手にするのは2度目。実は4年前にキャノンEF-Mマウント版のレビューを担当しました。本レンズに対しては、開放からとにかくよく写り、F1.4と明るく、ボケもきれいというような「抜け目のないレンズ」という印象を持っていました。進化の著しいデジタルカメラに於いて、製品化から6年という月日は長いといえますが、その間にカメラ側はさらなる高画素化が進み、画質の向上を含めて進化を続けています。そんな中で、本レンズが今どのくらい通用するのか気になるところではあります。先に結論を申し上げてしまえば、現在も一線級の写りであることは間違いなく、高画素化されたボディにマウントすることで、よりリッチな写りが得られるようになったというところでしょうか。では早速作例をご覧ください。

( Photography & Text : Naz )

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

いきなり絞り込んでみました。ワイドレンズですから、F8まで絞り込めばほぼパンフォーカスとなります。露出をオートにすれば、決めるのはフレーミングのみ。傘が高く見えるように少し低い位置から狙ってみました。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

こちらは3段絞ってF4。画面全体に広がる痛いほどのシャープネス、流石です。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

そして開放です。フルサイズ換算でF2相当のボケ量となりますが、9枚羽根の円形絞りを採用し、ピントの前後が美しくボケてくれます。広角レンズとしてみれば、積極的に開放を使いたくなるリッチなボケ味といえるのではないでしょうか。また口径食もよく抑えられています。


Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

輝度差が大きい条件を絞り開放で撮影しました。条件によっては(ご覧のように)葉や枝の輪郭に色収差が見えることもありました。こちらの作例はストレートに現像したものですが、実際には後処理できれいに消せるものですから気にする必要はないでしょう。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

しっとりとした被写体も上手に描いてくれます。最短撮影距離は0.25mとかなり寄れますが、24mm相当の画角でパースが強く出ますから、程々の距離で撮るのがいいように感じました。この作例では中心からズレた位置にピントを置いていますが、周辺まで画質の劣化は感じません。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

露出を切り詰め、意図的にピントを浅めにするとドラマチックな印象に。この撮影距離でもしっかりと立体感がありますね。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

ガラス、金属、コンクリート等、硬質な質感描写は実に見事。それぞれの素材の違いに加え、手に触れた時の温度さえわかるようです。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

フルサイズ換算24mm相当というと、多くの標準ズームレンズの広角端となる画角です。それらのズームレンズは明るいものでも開放値はF2.8。本レンズの開放値とは2段異なるわけですが、その2段分絞り値が多く使えるところに本レンズの存在意義があるともいえます。画像のクリックでF1.4とF2.8が切り替わります。手前のオブジェにピントを置き、それぞれの絞り値で背景の描写の違いをご確認ください。「F1.4」である意味や価値を感じていただけるのではないでしょうか。


Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

ギリギリまで構図を追い込むよりも、反射神経を活かして勢いよく眼前の光景を捉えていく方が、広角単焦点レンズらしい迷いのないカットが撮れるように思います。ひとつ下のカットのように少し極端な構図に振ってみると面白くなるかもしれません。

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz


Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz

Nikon Z 7, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by  Naz


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ロングセラーも納得の1本。

全長94.3mm、重量420gとAPS-Cサイズのレンズとして見ればやや大きくはあるものの、カメラにマウントし手にしてみると大きく重く感じさせない絶妙なサイズ感と重量バランス。でも、その中には13群16枚ものレンズが収められ、FLDガラスが3枚、SLDガラスが2枚、ガラスモールド非球面レンズが2枚採用されるなど、とても贅沢なレンズ構成となっています。それ故にこの卓越した写りが実現できているのでしょう。加えて、シグマらしいシンプルで高級感のあるデザイン、ビルドクオリティも高く、幅広のフォーカスリングは操作感がとてもよいです。DXフォーマットのボディに加え、作例の通り、Z 7 / Z 7IIのような小型のフルサイズ高画素機と組み合わせてみるのも悪くないでしょう。明るいF1.4の開放値により、薄暗い条件やボケを活かしたポートレイト等、その価格と得られる写りを踏まえれば、ロングセラーも納得の1本。「普段は標準ズーム」という方にも、ここぞという時のためにカメラバッグに忍ばせておいていただければ、よい結果が得られる頼もしい1本にもなることでしょう。

( 2023.06.22 )

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多くのミラーレスマウントで愛用されている本レンズ、Zマウント版も登場しました。この写り、どうぞご自身で試してみてください。手放せない1本になると思います。

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高性能レンズに相応しい高性能保護フィルター、しかも純正品です。

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