PHOTO YODOBASHI

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Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

Nikon Z f / SHOOTING REPORT

Nikon Z fcの発売から約2年と少し、そのうち出るのかなと思っていた35mmフルサイズ版「Nikon Z f」が登場です。基本的な構成は、Nikon Z 6IIあたりと同じかなと思いきや・・よくよく見るとNikon Z 8やZ 9の機能を取り込んでいるポイントもあり、さながらZ 6 IIがアップデートされたような構成となっています。ルックスは入門者から熟練者までこよなく愛されてきたNikon FM2にインスパイアされたもので、実にカメラらしいルックスです。さて、コンパクトでお誂え向きなNIKKOR Z 40mm f/2と一緒に早速連れ出してみましょう。

( Photography & Text : K )

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

バランスに優れた、満足度の高い画作り

35mmフルサイズセンサーで、有効画素数が2450万画素のセンサーを搭載していますが、このあたりの画素数は解像力・階調特性・高感度の際の描写などのバランスが取れていると常々感じます。光に乏しいフラットなシーンに、真逆の明暗差の激しいシーン、意図的なオーバー&アンダーの画まで、すべてソツなくまとまります。一昔前のように後処理のことを考えたシビアな露出選択を強いられることもありませんから、現場ではカメラ任せ。RAWデータを開いても、ストレートに現像することで大半満足できます。手を入れるとすれば、「もう少し黒を締めて」「もっとトーンを寝かせよう」等々、つまり自分好みに仕立てる程度です。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

このNIKKOR Z 40mm f/2とZ fは大変相性が良いようで、「ん??」と液晶モニタを二度見することが多かったのが印象的です。ピントを置いた部分の被写体の存在感と、前後のヌルっとしたボケ味とのバランスなのかなあ。焦点距離と開放F値からすると派手な画にはなりませんが、妙に艶を感じる写り。小さめなレンズなので付けっぱなしにはうってつけのレンズです。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

窓越しでの撮影ですが、窓ガラスと時計のガラス、それぞれの質感を伝えてきます。ウエットでとても好みな描写。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

画面内に小さく写る鳥にピントを置いて、そこに置いていることが分かるのが大したものです。右上のフレアは、私が撮影中に前玉に誤って触れてしまったが故です。すみません。


Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

写真を撮るなら、写真機らしいものがやはり扱いやすい

フイルムからセンサーに変わっても、写真を撮るということについて何ら変わらないわけです。写真の歴史と共に培われてきた操作系は、やはりそれ相応に「解」らしきものがそこにあって、たとえばZ fにある軍艦部のISO/シャッター/露出補正のダイヤル、モード切替のレバーなどの存在はホッとします。使い慣れてくると目視なしで操作ができます。車なんかでも最近そうですが、タッチ式のインターフェイスに溢れています。しかし物理ダイヤルやボタンは、やはり確実な操作に貢献してくれるのです。運転していて、ギャップ通過中にタッチ式で上手く操作はできませんから。カメラにおいても目的の操作を一発で手触りを感じてダイレクト操作できるのに越したことはないのです。メニュー構成をいくら練り込んでも、いくらそれが洗練されていても、たとえば露出補正ぐらいは物理ダイヤルでシングルアクションで行いたい。あと、声を大にして申し上げたいのは、老眼であれやこれやの操作を強いられるのは辛いのであります(笑)。いいですよ、やはり写真機っぽいのは。これをコスプレっぽいと揶揄する声もあるかもしれません。しかし、操作系って枯れたものが良いと個人的に思います。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

素晴らしい切れ味、曖昧さのない描写。この立体的な描写は、ちょっとファインダーを覗いてそこいらを撮るのが楽しくなります。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

面白いぐらい立体的に浮き上がります。この40mmはボディとセットアップして大変コンパクトで、また潰しの効く画角で普段使いに本当に丁度よいレンズです。個人的な話で恐縮ですが、35mmだと少し構えないとちゃんと撮れない気がするし、50mmだと自分の厚かましい目線がバンバン写って面倒。何の気無しに撮ってそれを許してくれるのが40mm。

Nikon Z f, NIKKOR Z 40mm f/2, Photo by K

最後にハイキー気味のカットを。露出開けて好ましいカメラに間違いはありません。


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実は一番美味しいボディ

そのまんまNikon FM2のようなカメラ然としたルックスでも、今時のカメラよろしく映像方面の機能も至極充実しています。さらにZ 9やZ 8が有する性能を受け継いでいる面も多々あり、ある意味で現在のニコンにおけるラインアップで一番贅沢なカメラかもしれません。個人的には映像の機能なんかは一切省いて、スチル専用機でも良いぐらいですが。ハイ、わかってます。それだとコンポーネントやデバイスの共有ができずにスケールメリットが出ませんから結局店頭に並ぶ金額に跳ね返っちゃいます。そこでニコンさんに切なるお願いとしてですね、せっかくZ fのようなカメラをラインアップするわけですから、このカメラに合う小さなレンズをもっとラインアップしていただけたらとても嬉しいのですが。いいですいいです。周辺なんて中央と像が揃わなくても。流れて、どーんと落ちても。・・と、正直思いますが、まあそこは一段階上を目指していただいて(笑)。道具なんですから、ひとつのもので何もかも叶えようなんて、人でもそんなことは簡単でないのに、もう少し割り切ってもらってもよいのにと思います。ブ厚いカメララインアップがありますから。さて、Z fは長年写真に親しんできた皆さん、なんでも叶えたい皆さん、ニコンさんへのメッセージに反して、どちらの方にもおすすめできます。もちろん目的を絞り込めば、スウィートスポット的にその他のラインアップを見つめるのもよいですが、Z fで割り切ってよいと思います。これを買ってほぼできないことはないと思います。おまけで、軍艦に並ぶ物理ダイヤルやレバーはやはりメカメカしくて格好良いと気分が良くなります。写真でしかデジカメに接していないという方、言うまでもなくその選択、間違いないです。

  • PHOTO YODOBASHI直観的、そして安心感のある軍艦部。左にISO感度と撮影モード切り替えスイッチ、右側はシャッターダイヤルと露出補正ダイヤル。シャッターボタンの下にはF値を表示する液晶パネルも。
  • PHOTO YODOBASHIバリアングルタイプの背面液晶はVLOG撮影時にレンズ側へ向けられるだけでなく「閉じる」ことができる気遣いも。側面のUSB Type-Cポートから直接充電・供給できます。
  • PHOTO YODOBASHIバッテリーはお馴染みのEN-EL15c、メディアスロットはSDとmicroSDのデュアルスロット。
  • PHOTO YODOBASHI兄弟機Z fcと並べてみました。

( 2023.11.01 )

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ニコンZユーザーの方はボディ単体でどうぞ。ご注文が殺到しております。お早めのご予約をおすすめします。

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こちらはNIKKOR Z 40mm f/2とセットになったお得なキットです。これからZをご入手される方はこちらをどうぞ。

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スチルでのバッテリーの保ちは十分ですが、旅にも動画撮影にもという方はスペアのご用意を。

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複数本のバッテリーを充電する方は、専用チャージャーも揃えておきましょう。

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大型のレンズを合わせるときはこちらをお忘れなく。

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強度の高いクリアな液晶保護ガラスもご用意しました。

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小さく軽いレンズが中心とはなりますが、こういったスタイルのカメラには伝統的な革のストラップを合わせたいですね。

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