PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Df / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2


Dfとはどんなカメラなのか 〜2週間経ったいまのインプレッション〜

走行距離にして2500km、いわゆる大三元と呼ばれる3本のズームと単焦点MFレンズ数本を持ち出して旅に出ました。その他にも同じMFレンズを使って、ポジフィルムとの撮り比べ、十数本のMFニッコールレンズをとっかえひっかえしたり。この2週間Dfばかり触っていました。久しぶりに光学ファインダーの一眼レフをこんなに長い間使ったように思います。そして現時点での筆者が感じるDfというカメラについて、お届けしたいと思います。

  • MF単焦点レンズが欲しくなるカメラ

    軍艦部のダイレクトな操作系から、フォーカシングも自分の手そして指にテンションを感じながらリングを回したくなります。またマウントした姿がともかく恰好よい。駆動系が一切不要のMFレンズは必然的にコンパクト。さらに古いMFニッコールなどは、まだエンジニアリングプラスチックなどではなく金属製の鏡銅です。使い込んで塗装も剥げたレンズをマウントすると、なかなかグッとくる姿になります。恥ずかしながら手持ちのMFニッコール全てをマウントして撮影してしまいました。

    AFの素晴らしさをあらためて感じる

    古いMFニッコールで嬉々と撮影していたのですが、ともかくピントを外します。大口径レンズで開放の撮影となると、数メートルまでの被写体であれば歩留まりもそこそこなのですが、10m以遠あたりになってくると甚だ心許ない。久しぶりにMFというものの難しさを思いだした次第です。メーカーは常にできる限り多くの人々に、簡単そしてキレイに写真が撮れるよう技術革新を積み重ねていきます。その結果の一つとして今日のAFがあるわけですよね。そんなことわかりきったことですが、Dfみたいなカメラに触れない限り、なかなか思い返す機会もありません。あまりにピントを外すために、根負けしてAFレンズをマウント。超音波モーターのおかげで超速のフォーカシング、正確なピント精度に舌を巻きます。AFレンズの登場で撮影のフィールドが拡がったことは間違いのない事実でしょう。あとは使いこなすだけですが、そのためにもMFレンズに触れてみることは、素の姿や構造そして成り立ちを知り、経験するという意味でよいことかなと思います。なお、Dfの名誉のために付け加えますが、決してMFがしづらいファインダーではありません。AFボディとはいえ、ピントの山も掴みやすく、MFに適したファインダーです。ただし、生粋のMFフィルムボディは更に上を行くのですが。

    現代的な描写のMFレンズが欲しい

    オールドレンズは、現代のレンズに比べれば"欠陥だらけ"です。イメージが明確で、それに伴い被写体も明確な場合、その欠陥も面白い効果を与えることがあります。しかし万事オールドでやりこなすのもなかなか難しいわけです。そこで、現代的な描写性能を有したMFレンズは無いだろうかと、やはり思ってしまいますね。AFカメラですから、AFレンズで撮影するのがパッケージング的に考えて、より簡便に撮影をこなせると言えるでしょう。しかし、筆者は写真もカメラも同じぐらいに好きです。もっと言えば撮影という一連のプロセスが好きなのですね。適度なトルクを感じるフォーカスリングを指先で操作する、そんな操作感もその"好き"の範疇です。サードパーティにその系譜のレンズは存在します。しかし、Dfと同時に本家からそんなレンズがリリースされると、また違った楽しさがあるなと感じる次第です。

  • たとえばMF専用ボディは考えられないのか

    先にも触れた通り、個人的な興味で最近のデジタルカメラは、長年見慣れたポジフィルムの描写とどう違うのだろうということを確かめたくて、同じレンズをマウントし、F2にポジを入れてDfと撮り比べてみました。そのときにあらためて感じたのは、F2のファインダーの素晴らしさ。倍率が高く明るい。スプリットのスクリーンということもあって、MFのし易さはDfよりも格段に上でした。Dfはご存じの通りAFボディです。F2と比べるのがそもそも間違っていますが、DfのようなカメラにF2のファインダー、そして現代の描写のMFレンズと組み合わせ、古いMFレンズも勿論使える。そんなカメラだったらと想像するだけでワクワクしてしまいます。ただしそんなカメラをいきなりメーカーが出すというのは現実的に難しいと思います。現代の物作りとは、我々の想像を超えるレベルで国境を越えた連動が存在し、道具というモノは時間の経過と共にどんどん便利になっていくのが常でしょう。全てがそれに最適化された中で、いきなり全く違うベクトルの製品を作ることは難しいと思います。しかしこんなことも、Dfみたいなカメラを実際に手にして撮影しなければ感じなかったことかもしれません。突飛な話で恐縮ですが、今の世の中は、たとえば単純化と複雑化、工業化と農業化、相反するベクトルを共存させて、新しい世界・モノ・価値を生み出そうという試みがそこかしこに見受けられます。カメラの世界にも、こんな概念に包まれる時がやってくるかもしれません。カメラがシンプルだった頃、あの頃に諦めざるを得なかったものを、現在の技術で包み込むとどうなるのか。そんな製品が出てくると、また色々と楽しめそうですね。そんなことを感じさせられます。

    せっかくなのでポジとの比較画像を。デジタルボディにオールドレンズをつけると、フィルムの画に比べてレンズの緩さが目立つ傾向にあるのですが、フィルムと比較して思ったほど差を個人的に感じません。このあたりローパスフィルターの特性がかなり関わってくる部分だと思います。

    旅先に3本の現行ズーム、結果的にそればかり手が伸びる

    撮影するシーンが明確であれば単焦点だけでも構わないのですが、何せお尻だけ決まった撮影旅行。運転に疲れたら、その地で宿を取り、その地の写真を撮る。走行中気になったシーンに出くわしたら迷わず寄り道。そんな緩い行程で旅をしていると、行き当たりばったりの撮影になりますから結果的にズームに手が伸びます。今回の作例はすべて現行ズームレンズで撮影したものですが、流石にD4のイメージャーを積むボディです。出てくる画に文句のつけようがありません。コンパクトなボディに対して、レンズは高価で大きなものばかり。車を降りて撮影する際には、全てのレンズをバッグに詰めて持ち歩きながら撮影します。バッグを肩から提げて、手には常にボディと1本のレンズ。ボディがコンパクトなだけでこれだけ気分が楽になるものなのかと感心しました。コンパクトなD4と考えても、なかなか面白いカメラですね。

    楽しくて手にしていたい一眼レフ

    当初はそのカメラ然としたルックス、ダイレクトな操作フィール、コンパクトさもあって、MFのレンズをともかくマウントして遊んでいました。しかし2週間ほど使い込んでみた印象は、AF/MFといった端的な事に限らず、手にしていたい。そんなカメラであるという印象です。趣味性の高さという面を除いて、コンパクトなD4と捉えることができます。いま最も楽しくてお買い得なNikon一眼レフかもしれませんね。


師走の慌ただしい中、東京から九州まで車で往復したわけですが、西に行くにつれて景色が変わり、日の長さの違いを感じたり、辿り着く町々でクリスマス一色だったりして、月日の流れのはやさに感じ入ったり、なかなか楽しい旅でした。旅の楽しみと言えばお酒。お店に入ることが大半ですが、ホテルで一人飲むお酒もまた格別。そしてグラスの写真なんかはつい撮ってしまうのですが、こんなときは単焦点レンズをマウントして撮ることが多くなります。

ファインダー上で仕上がりが見えてしまうEVFでの撮影に最近慣れきってしまっていますが、光学ファインダーはレンジファインダーほどでは無いにせよ仕上がりを想定しながらフレームしなければなりません。ボケ量もファインダー上とは厳密には違います。露出決定は当然想像しながらになります。すべてが見えないからこそ、上手く御すことができなかったり、気づかされることがあったり。だからこそ面白いのだろうと思います。Dfのおかげで久しぶりに一眼レフが楽しくなりました。また機会があればレポートをお届けしたいと思います。

( Photography & Text : K )

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ブラックは実に精悍。メカっぽくて最高です。編集部女子スタッフ達は「かわいい!」と言ってました。毎度思いますが、カメラをかわいいと言う感覚は面白いですねえ。

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シルバー結構恰好よいです。一度シルバーボディって買ってみたいのですが。

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こちらは50mm F1.8とのセット。ブラック。

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同じくシルバーバージョンのセット。半段の余裕がキレある描写を生みます。なかなかおすすめのレンズですよ。

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バッテリーが薄くなったので、どうなんだろうと思っていましたが、結構持ちはよいみたいです。しかし、転ばぬ先の杖を。

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保護フィルムもどうぞ。

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14mmは頭が煮えます。煮えるけど面白い!

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フードを外して撮影することが多いです。最近のレンズはそもそもゴースト等々あまり出ませんので。フード外すと思いの外コンパクトに。どうかとは思いますが(笑)写りは最高のズーム。

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開放から感じ入るシャープネス。現行ズームの中でも特にお気に入りの1本。三脚座を外し、フードも外し、場合によっては感度を上げて手持ちでガンガン振り回す…というイレギュラーな使い方ばかりしていますが。。。

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Planarです。これ以上何も申すことは御座りません。

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