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Nikon フィルムデジタイズアダプター ES-2 (ポジフィルム編)

「フィルムデジタイズアダプター ES-2」は、35mmフィルムをお手持ちのデジタル一眼カメラと標準マクロレンズの組み合わせで撮影し、手軽にデジタルデータ化(デジタイズ)出来てしまうという、まさに銀塩写真ファンが感涙にむせぶアイテムです。趣旨としては、スキャナーでやっていたことをデジタル一眼カメラでやってしまおう!というもの。

フィルムのデジタイズには私も手前味噌ながら取り組んできました。同じ趣旨の「スライドコピーアダプター ES-1」(フィルター径:52mm)というアイテムも愛用してまいりましたが、こちらはマウント仕上げのスライドにしか対応していません。一方、今回登場した「ES-2」は、マウント仕上げはもちろん、スリーブ仕上げのフィルムもサポート。これは嬉しい!しかもD850で撮影すれば、ネガフィルムもカメラ内で「ポジ反転」できるというではありませんか。ネガフィルムをちょっとでもデジタル化した経験のある方はご存知の通り、特にカラーネガフィルムのデジタル化は一筋縄ではいかないのです。その苦労をスキップできるのなら、使わない手はないですよね。

早速レビュー!といきたいところですが、ポジフィルムとネガフィルムでは性格が大きく異なりますので、2回に分けてお届けします。今回はポジフィルム編。といっても、色々と検証しておきたい点もありますので少し長くなることをお許しください。

» ネガフィルム編はこちら

( Photography & Text : TAK )


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まずは本製品のパッケージをご紹介しましょう。右上が「ES-2」本体(フィルター径:52mm)で、光源を均等化するための白い「拡散板」を備えています。下の2つの輪っかは異なるマクロレンズに装着するためのアダプター(上が「62mm用アダプターB」、下が「62mm用アダプターA」)です。メーカーによると、対応するマクロレンズはAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G、Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D、AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gの3本(40mmのみアダプター無しで直結可能)となっています。左側2つの四角い枠がついたものは、右がスライドマウント用の「スライドマウントホルダー FH-5」、左がストリップフィルム(スリーブ仕上げ)用の「ストリップフィルムホルダー FH-4」となります。

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他に用意するものとしては、カメラとマクロレンズはもちろんですが、ライトボックス、ブロア、手袋があれば一通りのことはできます。ライトボックスは一定の光量、ホワイトバランスでフィルムを照らすために用意しました。もちろん昼間の自然光でも良いのですが、室内では常に同質の自然光を得られるわけではなく、作業効率に影響を及ぼす可能性があるのでライトボックスを使っています。手袋は基本中の基本(たとえ暑くても!)。大切なフィルムに指紋などはつけたくないですよね。

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ではデジタイズのプロセスをご説明しましょう。はじめにフィルムをホルダーにセットします。スリーブ仕上げのものはFH-4を開いて挟み、マウント仕上げのものはFH-5にそのまま挿入します。ブロアーでフィルム上のゴミやホコリをできるだけ除去しておきましょう。ES-2をマクロレンズに装着しレンズをカメラにマウントしたら、ホルダーをES-2に入れます。

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こちらが「いざデジタイズ!」の図。ご覧の通り、私個人はコピースタンドにカメラを装着して、ライトボックスで下から照らしたポジフィルムを、上から撮る形にしています。もちろんカメラをテーブルの上に置いて、ライトボックスを垂直に立ててやっても問題ありません。ただ、コピースタンドを使うとカメラがしっかりと固定され、ボタンやダイヤル操作をしても動かないので、その分作業が捗るのです。どんな作業でも、軸足をしっかりと固定すると効率が上がりますよね。固定するといえば、カメラのホワイトバランスも必ず固定します。オートにすると写真に応じてカメラが色味を調整してしまい、フィルム本来の色味が失われてしまうのです。基本的に「晴天」で良いでしょう。ライトボックスの光に合わせてマニュアル設定しても構いません。それからレンズの絞り。これも固定します。今回の条件ではF8が最も良い結果が得られ、F16では回折の影響が顕著に出ていました。

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カメラをライブビューにしてスルー画像を見ながら、表示されるカットの大きさ、位置、傾きを調整します。表示が小さければES-2で少しずつ距離を縮め、大きすぎればその逆の操作をします。ベストな位置はホルダーのフレームが画面端に少し写るくらいですが、ピントを合わせるとまた位置が変わるので、ピントを合わせながら探っていく感じになります。そのピント合わせですが、拡大表示とMFでじっくりとピントを追い込むのが基本と思っていたところ、何とライブビューのAFでピシャリとピントが合いました!ライブビュー時にはコントラストAFのみとなるにも関わらず、です。多数のカットをさばくのにも本当に助かりますね。ただし条件次第で合わないこともあり得ますので、AF時でも拡大表示を見ながら合焦の行方を見守りつつ作業すると確実でしょう。ピントが合ったら、ES-2本体をできるだけ光源のライトボックスに近づけます。露出は、ライブビューの画像とフィルムと同じように見えるよう調整します。絞り優先で、露出補正で対応するのが楽チンです。ご覧の通り、光源が直前にあるとはいえ、シャッタースピードはかなりスローになっています。撮影時はミラーアップ、タイマー、レリーズケーブルなどを利用し、カメラがブレないように細心の注意を払いましょう。

そしていよいよレリーズ!カメラが「カシャッ」と言ったらもうデジタイズ終了です。スキャナーではあり得ない電光石火のスピード。しかも得られるのは超高画素の高精細データ。痛快そのものです。試しにD850の「サイレント撮影」機能も使ってみましたが、今回の条件では使わなくてもブレは認められませんでした。カメラをしっかりと固定していたからでもありますが、D850のシャッターの高い制振性がここでも明らかになったわけです。


Minolta α9, AF75-300mm F4.5-5.6, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Voigtlander BESSA-L, Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Minolta α9, AF75-300mm F4.5-5.6, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Leica M2, Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4, Kodak EKTACHROME 100VS (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Olympus μII, Kodak Ektachrome 160T (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

作例を並べてみました。見たところ、かなりイイ感じでデジタイズできています。こんなにお手軽に、この結果が得られるのですから楽しくないはずがありません。ライトボックス上のフィルムとディスプレイ上のデジタルデータでは見た目に違いがありますので、その分はソフトで編集しています。しかし、粒子の織りなす階調にはこたえられないものがありますね。デジタルで演算した「フィルム風」ではない、物理的に存在する粒子の表現力には本能的に揺さぶられるものがあります。とはいえ、デジタル上でもポジフィルムらしさがちゃんと出ているのですから面白いものです。


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ここでいくつか疑問が浮かびます。まず、

1)同じ被写体をポジフィルムとデジタルで撮ったら違いが出るのか?

そもそも方式が違うのだから違って当然だと思うのですが、それがどう違うのかを見てみたいですよね。ここでご登場願ったのは「Nikon F801」(1988年発売)。世界初の1/8000秒シャッターを採用した歴史的な一台で、今のD850と同じ立ち位置のカメラです。リンゴをブーメランで割るCMを思い出し目頭が熱くなる方もおられるでしょう。堂々たる「AF」の文字も今となっては粋なもんですね。この方にフィルムカメラ代表として、同じレンズ(Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D)を使ってD850と対決していただきました。フィルムはプロビア100F。どちらも同じ露出、感度で撮影しています。なお、ポジフィルムのデジタイズにはD850とAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8Gを使っています。ロケの日はあいにくの曇天だったのですが、やはり違いが出ました。以下の二枚はクリックで等倍画像をご覧いただけます。

  • Nikon D850, Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D, 1/160, F2.8, ISO100, Photo by TAK
    D850で撮影
  • Nikon F801, Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D, 1/160, F2.8, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK
    F801で撮影

まず、コントラストについてはフィルムの方が高い印象です。素材性を重視してフラットな絵づくりを目指すデジタルと、一発で作品を完成させるポジフィルムとの開発目的の違いが出ているのでしょう。そしてやはり解像度にも違いが見られますね。ピントは中央の朱色の部分ですが、等倍で見ると、鳥居の質感はデジタルの方がシャープに描かれており、ヌケも良い。フィルムはデジタルに比べ密度が低く、少し間延びして見えます。とはいえ、これは単にD850の4575万画素がフィルムの解像度を上回っているとも言えるかもしれません。「フィルムの解像度はデジタルでは何万画素に相当するのか」。そんな議論が盛んだったことを思い出しましたが、「使用目的による」というのが大方の答えでした。そこで、次の疑問が。

2)35mmフィルムをデジタイズし、PCモニター上で違和感なく等倍表示するためには、どの程度の画素数がちょうど良いのか?

  • Nikon F801, Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D, 1/160, F2.8, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, Df, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK
    Dfを使用してデジタイズ
  • Nikon F801, Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D, 1/160, F2.8, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D500, AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G), Photo by TAK
    D500を使用してデジタイズ

こちらもクリックで等倍表示します。ご登場いただいたのはDfとD500の二台。それぞれ1625万画素と2088万画素ですが、APS-Cセンサー搭載のD500ではAF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gを使用しました。どちらともフィルムとのギャップが感じられず、なんだかイイ感じに見えませんか?全くの私論ですが、画素数的にはこの1600万から2000万画素辺りが35mmポジフィルムと互角になる印象で、良い塩梅なのではないかと思います。

ボディの話が出たところでその次の疑問です。

3)「対応製品」以外のカメラはどうなの?

それまず教えてよと言う方もおられるでしょう。わかります(笑)。答えは、ボディではなくご使用のマクロレンズ次第です。レンズのフィルター径が違えばステップアップ/ダウンリングを用いて装着し、ピントが合えばOK。ES-2は、メーカーの垣根を超えた、35mmフィルム文化全体の救世主とも言えるでしょう。試行錯誤して、どんどん遊んでください。

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疑問は続きます。レンズの話ついでに4つ目です。

4)「対応製品」に現行品の「AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8S」が入ってないのは何故?

フィルム時代のマニュアルフォーカスレンズですが、フィルター径も同じ52mmですし、何と言っても現行品。ハイ、試してみました。等倍撮影を可能にするために「オート接写リング PK-13」を併用しましたが、ピントが合いませんでした。レンズ側の最短撮影距離よりもフィルム面が近いのです。とはいえ、要はフィルム面を遠ざければよい訳で、所有している往年の「接写リングK型」(現在は製造していない)の「K4」というパーツ(フィルター径:52mm)をレンズとES-2の間に挟んで解決しました。確実なのは冒頭でご紹介した現行品の「スライドコピーアダプター ES-1」を使用する方法ですが(上写真参照。でもES-2のレビューにならない 笑)、こちらはマウント仕上げのみの対応となります。他のやり方ですと、「PK-13」に加え「PK-12」「PK-11A」といった長さの異なる接写リングを併用して、レンズ側の最短撮影距離を縮める方法もあるでしょう。とにかく工夫次第。やりようはあるのです。

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すっかり長くなりました。これが最後の疑問です。

5)4本の現行マクロレンズ、どう違うの?

結果は「どのレンズも素晴らしい」です。写真をご覧ください。クリックで等倍表示します。

  • Minolta CLE, Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK
    D850 + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8Gを使用してデジタイズ
  • Minolta CLE, Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D), Photo by TAK
    D850 + Ai AF Micro Nikkor 60mm f/2.8Dを使用してデジタイズ
  • Minolta CLE, Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G), Photo by TAK
    D850 + AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gを使用してデジタイズ
  • Minolta CLE, Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical II, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8S), Photo by TAK
    D850 + AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sを使用してデジタイズ

解像度については、中央部ではどのレンズも大差なくシャープですが、周辺に行くにしたがいAI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sがごくわずかに甘くなる傾向が。色乗りについてはほぼ同じですが、あえて言えばAI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sがほんの少しだけ薄めに見えなくもない。微細ながら差は出ましたが、通常使用では無視してもよいレベルでしょう。そもそも単体で1/2倍までの撮影に最適化されたAI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sに、つまり少しだけ「無理」をさせての結果ですからね。それでここまでのパフォーマンスを発揮したのですから、マイクロニッコールは昔からすごかったのです。でなければ他の3本も生まれなかったでしょう。特にフィルム時代のAi AF Micro Nikkor 60mm f/2.8D、2本の最新Gレンズに全く引けを取っていません。脱帽ですね。またFXとDXという二つのフォーマットの間に、問題になるような差は今回の条件では認められませんでした。フルサイズはもちろん、APS-Cサイズでも十分ということですね。

ちなみに、フルサイズ用のレンズをDX機につけてのデジタイズですが、やはりフィルム面が近すぎてピントが合いませんでした。ただ先程と同様に「K4」リングを付けたら解決しました(D500とAi AF Micro Nikkor 60mm f/2.8Dの組み合わせ)。他にも色々と方法はあると思います。

ではいくつか作例を。最後の滝のカットはポジフィルムではシャドウが落ちすぎていたので(ハイライト重視の露出でした)、その分を少し持ち上げ、色味も少し涼しげな方向に調整しています。フィルムの見た目に合わせるだけではなく、あえてレタッチを加える楽しみ方もアリなのです。

Leica M6, Leitz ELMAR 3.5cm f/3.5, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Leica M6, MS-Optical Sonnetar 50mm f/1.1, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Leica M6, SUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH., FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Minolta CLE, MS-Optical Sonnetar 50mm f/1.1, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK

Nikon F3HP, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED, FUJICHROME PROVIA 100F (Digitized with Nikon ES-2, D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G), Photo by TAK


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明るい暗室でお手軽デジタイズ。ES-2で始めてみませんか?

いかがでしたか?ご覧の通り、FXフォーマットでもDXフォーマットでも、そしてどの標準マイクロニッコールでもハイクオリティの結果が得られました。Nikon ES-2、現時点では新品で手に入る貴重な35mmフィルムデジタイズ機材。銀塩ファンにもこれから銀塩を始めたい方にも是非オススメしたいです。実は私も先ほど購入いたしました(笑)。これからも長くフィルム写真を楽しみたいですもの。フィルムをデジタイズする際の大前提は、センサーとフィルム面が平行に保たれ、フィルム自体が外光を反射しない状況を作ること。ES-2はその状況を確実に作り出してくれますから、明るいところでも安心して作業に集中できます。フィルムとレンズの距離を詰める際も伸長をネジで確実に固定できますから、一度セットすればあとは全てがスムーズに運びます。ホルダーを横にスライドさせる際はコマ毎に確実なクリック感があり、コマが進んだことが手の感覚でも分かります。フィルムポジションの微調整をするために必要な遊びも丁度良い具合ですし、どの部品もしっかりした作りでテンポよく作業できますよ。

ES-2のおかげで色んな疑問を検証できました。ポジフィルムのデジタルでは違いが見られましたが、それは優劣の差というより異質であるという意味の違いです。同じシーンを写した膜をデジタイズしたものと、そのままセンサーで結像したものとでは違いがあって当然。ポジフィルムには独特の色の濃厚さ、立体感、良い意味でのハイライトとシャドウの見切りがあり、それらが故に今なお魅力を放っているのでしょう。現行の4本の標準マイクロニッコールの接写性能にも眼を見張るものがありました。Gタイプは当然のごとく素晴らしく、1993年発売のDタイプでさえ非の打ち所がありませんし、MFの55mmだって問題なく使えてしまうのです。D850のポテンシャルの高さにも今更ながら驚きました。怒涛の4575万画素はむしろ中判フィルムをデジタイズしてみたくなるほどの解像力。今回の条件では、35mmフィルムのデジタイズにはその半分ほどの画素数で十二分な印象でした。

最後にもう一つ、思うところを。ES-2は、Dfというカメラがあってこそ生まれたのではないかと思うのです。古くからの銀塩カメラユーザーを思って作られた、他とはちょっと違うデジタルカメラですよね。そんなユーザーの部屋にはきっと膨大なフィルムが眠っている。Dfの次は、フィルムにもう一度デジタルの光を当てる手助けをしたい。ニコンのことですから、きっとそんな気持ちもあってES-2を企画したのではないでしょうか。まさにそれが、100年の歴史を持つニコンのニコンたる所以なのです。

フィルムデジタイズ、本当に楽しいですよ。次回はネガフィルム編をお送りいたします。お楽しみに!

( 2018.04.20 )

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デジタル全盛時代に登場した、銀塩写真ファンが泣いて喜ぶ粋なアイテム。ニクイぜニコン!お持ちの撮影機材に新たな活躍の場を与えてくれますよ。

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もはや説明の必要もないパーフェクトなカメラ。とにかく売れてます。これからも売れまくるでしょう。

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シルバーも選べるニコンのマイルストーン。このカメラは特別。すべてが、ちょうど良いのです。

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D5ジュニアはただ速いだけじゃない、デジタイズもお得意なのでした。

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これだけの光学性能で、マクロなのにAFも速い。しかもインナーフォーカスで全長が変わらない。常用としてもオススメです。

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こちらも60mmに負けず劣らずの光学性能。なんというコストパフォーマンスでしょう。DX機をお使いでしたら迷わずお求めください。

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その比類なき描写力は時を超えた。マイクロレンズ、ここに極まれり。絞り環付きの最も汎用性の広い「D」タイプです。

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現代マイクロレンズの礎。MFの感触は絶品。当然MFカメラにもベストマッチ。コンパクトでスナップにも好適です。

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4x5サイズのコンパクトなライトボックス。フィルムデジタイズには是非揃えておきたいですね。

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2組入りの手袋です。時々洗いますから、2組あると便利ですよ。

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