PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

“スロウ レンズ”
暗いレンズ特集 Vol.1 : 標準レンズ編

暗いレンズ特集の第1回は大口径標準レンズ。えぇ、開放値F1.8のレンズを私は「暗い」なんて呼べません。
すいません。いきなり特集のテーマが破綻しておりますが、そこはそっと目を瞑っていただいて、今回は「標準レンズの小さめな方」といった感じでF1.4級レンズの影で少々地味な存在になりがちなF1.8(およびF1.7)のレンズたちに光を当ててみたいと思います。

各社ラインナップしている50mm F1.8レンズは、どれも普及価格帯ともいえるお手頃なお値段。とはいえ、写りはどのレンズもお値段以上に優秀です。ひと昔、いやふた昔前は「50mm F1.4は開放のボケ味を重視、F1.8は開放から使えるシャープさを重視」なんて言い方もありました。ここでは各レンズの写りを比較するのではなく、それぞれのレンズが持つ世界や写りのよさを感じていただいたり、また気軽に持ち出せる、取り回しのいい単焦点レンズというものにご興味を持っていただけたらと思っています。それでは行ってみましょう。


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OLYMPUS M.ZUIKO 25mm F1.8

標準レンズの開放値F1.8にはほろ苦い思い出があります。写真を始めた頃、一眼レフのキットレンズは標準50mmで開放値違いでF1.8とF1.4の選択肢がありました。当然F1.4は高価で学生には手が届くはずもなく「半段違いなん て写りに影響ないし、どうせ絞るし」なんて強がりを言いながらも、高嶺の花に憧れを抱いていたのです。必然的に付き合いだしたF1.8は空気のような存在として、いつもそばにいて写真を勉強させてくれました。しかし、F1.4と付き合い出し防湿庫へと…。

古いレンズを使ってみようと思い、防湿庫から久しぶりに出した50mm F1.8の描写は素朴で、「なるほど当時の技術で無理のない設計をするとF1.8に落ち着くのかな」と感じさせてくれました。前玉も小さく可愛いスタイル。いつも持っていたいな、ずっと付き合っていきたいなと、いまでは素直に思えます。普通の生活を素朴に切り取るレンズ。F1.8にはそんな魔力があるのかもしれません。(A.Inden)

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO 25mm F1.8, A.Inden

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO 25mm F1.8, A.Inden

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO 25mm F1.8, A.Inden


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Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G

こちらのレンズには、Niko Dfに合わせ外装をクラシックに変更した「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)」というバージョンも存在しますが、今回は通常版を使用。とはいえ中々こちらも似合いますね。フードの必要性を感じないほど引っ込んだ前玉もマル。Dfのキットレンズとしても選ばれたことが、本レンズのキャラクターを最も端的に表していると思います。軽快なボディにマウントし、日常を自然な目線で好きなように切り取り、気軽に写真を楽しむ。そんな使い方がピッタリのレンズです。もちろん写りも一級品ですから、初心者から玄人まで必携の一本だと思うのであります。(TAK)

Nikon Df, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G, Photo by TAK

期待通り非常に軽量で写りも素晴らしく、実に使いやすいレンズ。「半段暗くて安いけど写りはどうなの?」といった心配も当然のことながら無用です。斜めからの逆光を入れつつ直線主体の被写体を捉えても、ご覧の通り。樽型収差も嫌味のない自然な出方で、そもそもレンズってこういうものなんだという勉強にもなります。陰影の描き方も極めて優秀ですね。

Nikon Df, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G, Photo by TAK

最短付近を開放で。ピント面から背景までは15cmほどだったと思いますが、すでにこれだけボケています。それでいてピントはいたってシャープ。背景は少しぐるぐる気味ですが、無回転でストンと落ちるよりも個人的には好みです。周辺光量の落ち方も良い感じです。発色も自然で、緑を瑞々しく再現してくれました。

Nikon Df, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G, Photo by TAK


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SONY SEL50F18F FE 50mm F1.8

F1.8の開放値を持つレンズは、個人的に大口径の部類ではないかといつも思います。しかしながら、どのメーカーもF1.4こそが最高峰で、僅かな開放値の違いながら「いきなり?」っと思えるほど大きな価格差。入門レンズといったイメージもあり、質感も含めて二番手感がつきまといますけど、個人的には一周まわってF1.8で撮る大人感を漂わせたいなあと思います。SONY α7Rのボディはフルサイズの高画素機でありながらとてもコンパクト。このFE 50mm F1.8くらいのレンズがバランスもよく似合っています。最短撮影距離は45cmと短くテーブルショットもさり気なく撮れます。開放ではややボケにクセを感じることもありますが、これを味わいと活かして撮ることこそ腕の見せ所。もちろん、絞ればカリッと気持ちのいい描写。ボディにつけっぱなしで気軽に散策するにはベストマッチングのレンズです。(T.T)

SONY α7R, SEL50F18F FE 50mm F1.8, Photo by T.T

SONY α7R, SEL50F18F FE 50mm F1.8, Photo by T.T

SONY α7R, SEL50F18F FE 50mm F1.8, Photo by T.T


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Panasonic LUMIX G 25mm F1.7 ASPH.

日頃プライベートで使用するレンズは、単焦点で開放F値がF1.8〜2.8くらいまでのものが多いです。大口径のF1.4クラスでもマニュアルフォーカスレンズならコンパクトなものが多く、自然と持ち出す機会が多くなります。日常はもちろんのこと、ちょっとした旅まで。「大は小を兼ねる」という諺がありますが、レンズやカメラに限っては、この諺はあてはまらないなあと常々感じているところです。

今回は、マイクロフォーサーズカメラに単焦点レンズ。フルサイズ概算で50mm近辺のいわゆる標準レンズとの組み合わせです。開放F値は1.8ですからボケを利用した画作りも堪能できますし、サイズはF1.4クラスに比べると大分控えめという美味しいレンズ。コンパクトなボディーにこそコンパクトなレンズ。この組み合わせ、旨味たっぷりで非常に使い出があります。(TA)

Panasonic LUMIX DMC-G8, LUMIX G 25mm F1.7 ASPH., Photo by TA

記録サイズ小さめでJPEGのみの設定で撮影しましたが、それでも普段使いには十分すぎるほどと感じました。もちろん私たちの本気にもきちんと応えてくれるカメラ・レンズであることは間違いないでしょう。

Panasonic LUMIX DMC-G8, LUMIX G 25mm F1.7 ASPH., Photo by TA

Panasonic LUMIX DMC-G8, LUMIX G 25mm F1.7 ASPH., Photo by TA

撮影日はあいにくの天候でしたが、かえって性能の良さが目立ちました。花木に落ちた雨粒としっとりとした空気をうまく捉えています。受け止めるボディはマイクロフォーサーズ。正直なところ、もう少しいっぱいいっぱいな描写になるかと思っていました。トーンに粘りがあり、その上余裕さえ感じられる描写です。

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Canon EF50mm F1.8 STM

三度の飯より写真が好き!という人がいるかどうかはわかりませんが、日本人は好きなものにガップリとハマってしまう傾向があるように思います。それはレンズ設計の技術者も同じことでしょう。最近ではボディの高画素化に伴いレンズも高性能化を余儀無くされ、大きく重いが、誰が見ても文句のつけようが無い写りを実現してきました。しかし、そんな文句のつけようの無い、例えば食べ物で言うなればシャトーブリアンのようなF1.4やF1.2のレンズを毎日食べたら調子が狂うというものです。この「50mm F1.8」というレンズは、食べ物に例えるなら味噌汁でしょう。つまり毎日飲めるホッとするレンズのように思います。大きさも重さも程よく、何よりこの値段でこの写りなのですから、ぷらっと散歩に持っていくレンズとしても、初めて買う単焦点レンズとしても最適なんだと思うのです。(Z II)

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, Photo by Z II


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Canon EOS 5D Mark III, EF50mm F1.8 STM, Photo by Z II

山椒は小粒でもぴりりと辛い

いかがでしたでしょうか。いつもの実写レビューとは異なり、それぞれの撮り手に写真とともに「50mm F1.8」との距離感について書いてもらいました。最後のカットがこれでいいのかは大いに疑問が残りますが、インパクトがすごかったということでお許しください。なかなか娘をこんな風に撮るお父さんはいないものです。より大口径となるF1.4クラスの標準レンズでは、高い光学性能を誇るデジタル時代にマッチしたモンスターレンズがトレンドとなっていますが、ミラーレスカメラ用のレンズではF1.4クラスほど複雑な構成ではないものの、FE 50mm F1.8やLUMIX G 25mm F1.7 ASPH.、M.ZUIKO 25mm F1.8にもその流れを汲む新しい時代の設計を感じます。一方でAF-S NIKKOR 50mm f/1.8 GやEF50mm F1.8 STMはフィルム時代から続くダブルガウス型をベースとしたオーソドックスな構成。こちらはこちらで、コストを抑えながらも安定した性能が出せるからこそ続く理由がちゃんとあるのでしょう。もし機会がありましたら、そんな理由を探してみるのもまた写真を撮る楽しみのひとつになるのではないでしょうか。

余談ではありますが、今回は紹介こそないものの、ライカには「SUMMICRON-M 50mm F2」という、F1.8よりさらに暗いレンズもあります。こちらも現行モデルのひとつ前となるモデルから39年も設計が変わっていません。昨今のレンズのように突き抜けた性能はありませんが、バランスよく潤いのある描写がしみじみよいなと感じさせてくれる、まさにスタンダードというべきレンズであります(ただしお値段は少々突き抜けております)。

( 2018.11.29 )

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このクラスのレンズでも最もコンパクトな1本。しかも最短撮影距離は0.25m。マイクロフォーサーズの携行性の高さをさらに高めてくれるレンズです。ブラックのほかシルバーもございます。

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スタンダードなタイプでもDfによく似合いますね。所有感もしっかりと満たしてくれる上質な造りがいかにもニコンらしい。「速い・安い・うまい」を代表するレンズです。

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シンプルなデザインがクールですね。フィルター径49mm! α7/α9シリーズにもよく合うコンパクトさが魅力です。

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わずか125gで得られる上質な世界。お値段もたいへん魅力的。スタイリッシュなデザインで、ブラックとシルバーの2色展開。

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「撒き餌レンズ」と言われた先代から大幅に高級感をアップ。しかも変わらずのプライスリーダー。ステッピングモーター採用により、静粛かつ高速、動画撮影にも対応しました。

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余談でご紹介しました、ズミクロン。使ってみると「レンズとはこうあるべきだな」と教えられてるようにも感じてしまう、そんなレンズであります。

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