PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
半径1時間の撮影場所さがし
Vol.2 水辺（海）
「撮影に行く」となると、どうしても大がかりなものを思い描いてしまいがちですが、そんなには行けるものではありません。「とにかく撮影へ出たい、写真を撮りたい」なんてときにパッと撮影へ出られる身近な場所を確保しておくと、何かと役に立つものです。このコラムでは、半径1時間ぐらいで行ける撮影場所を探していきます。第2回は「水辺」。
( Photography & Text: Naz )
フォトジェニックなものたちで溢れる水辺
人は水辺が好きですね。筆者も含め、水辺には自然と人が集まってきます。水そのものや、そこに集まる人に加え、ひらけた空、光による水面のキラキラ、波、遠くまで抜けた景色等、フォトジェニックなものたちで溢れているのです。フォトヨドバシの作例撮影でもスナップに風景にと、お世話になっているありがたい場所。そんな「水辺」って具体的にはどんな場所があるでしょう？ いくつか挙げてみました。
- 海（海岸、岸壁、埠頭、運河、漁港、島）
- 河川（川原、橋）
- 湖沼（湖岸、ダム）
- 公園の池（池、噴水、滝）
…等々。結構いろんなシーンが浮かんできますね。その中で、今回は「海」に絞って、東京湾岸の水辺を探してみました。
昔は埠頭、今はマンションが建ち並び、東京オリンピックの選手村にもなった晴海から運河を挟んで芝浦側を望みます。芝浦側の方が埠頭らしさが残っていますね。その奥には高層ビルが林立し、東京らしさを感じます。対岸を撮るには少々霞みが強すぎるでしょうか。タイミングよく現れたボートにピントを合わせてみました。対岸が霞んでいることで、ボートをより浮かび上がらせてくれました。
» FUJIFILM X-T1 SHOOTING REPORT
こちらは葛西臨海公園のなぎさ橋の上から。海と人を見下ろせるアングルは貴重です。実は人がいっぱいいたので、このように隅に親子だけを配置してシンプルな構図へ仕立ててみました。対角となる左下にキラキラした水面を入れたことで画面全体のバランスを取りました。
» RICOH GR SHOOTING REPORT Vol.1
こちらは東京湾の最も奥にある三番瀬（さんばんぜ）という東京湾最大の干潟。江戸川河口に広がる三番瀬は、千葉県の市川市、船橋市、習志野市に跨がり、風がない日は瀬戸内のように穏やかな海が広がります。鏡面のような凪を写してみました。ちなみに、少し左へカメラを振り、岸壁まで入れると、このコラムの1枚目の写真になります。
» RICOH GR III / GR IIIx 特集「2840」
同じ場所から今度は右へカメラを振ってみました。対岸に見えるのは新浦安。その奥には東京ディズニーリゾートも。物流倉庫が並ぶ埋め立て地ですが、海岸線に沿うように一般道があることから、海を眺めに来る人が絶えない場所。港湾施設が多く、立ち入り禁止の多い東京湾岸で、このような場所は貴重です。
三番瀬のさらに先、千葉市の海浜幕張と稲毛の間、検見川浜西突堤を海岸から撮影したもの。長い突堤には釣り人、海上にはマリンスポーツを楽しむ人もいます。また夕方になると、西へと海上を渡る鳥の群れも現れます。そんなタイミングで撮影した1枚。素晴らしい描写のレンズでした。
» SONY SEL85F14GM FE 85mm F1.4 GM SHOOTING REPORT
このあたりには人工ではありますが砂浜も。これは幕張にある高円宮記念 JFA夢フィールド内にある幕張の浜から。
稲毛や幕張の海岸からは、ほぼ1年を通して海越しの西日を望めます。特に秋から春にかけては、太陽高度も低くなるため、キラキラした海面を撮りやすいですね。
» SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art for SONY E-mount SHOOTING REPORT
最後に撮り下ろした1枚を。東京のビーチといえば、お台場海浜公園。東京オリンピック開催前後は競技会場となるため閉鎖されていましたが、再び開放されました。雨上がりの日没後、人気の少ない海岸。湿度が残る西の空が少し焼けてくれました。
( 2022.05.26 )
ロケハンの記録から作品撮りまで。携行すればどんなときでも頼りになる1台です。
海の恵みといえば、まずは塩。伊豆大島の海水ということは、珍しい「東京産」ということになるのかと。