PHOTO YODOBASHI

バラ

突然ですが、皆さま花はお好きですか。私は、生花・観葉植物・ドライ・アーティシャル問わず、家の中が花やハーブだらけで良いくらい好きです。長く続いた梅雨真っ盛りの時期に、「花を飾る」企画がスタートすることになりました。花を飾るといっても、今回は季節ごとに「撮影した花」を「飾る」という企画です。被写体は、自然界または花壇などに咲いている花。生命をうばわず写真で持ち帰って飾ろうという趣旨のもとで。

なかなか雨が降り止まず雨の情景で思い浮かべる紫陽花の季節も終わってしまい、さてどうしようかと思っていた矢先でした。何日振り？というくらいの晴れ間が。もしかしてバラの2番花が咲いていないかと近くの公園に足を運んでみました。やはり、、、と帰りかけた頃です。片隅にバラの2番花がポツンと花を咲かせていました。春に咲くバラに比べると2番花は小ぶりだったり環境的にも早く散ってしまい儚いイメージがあります。けれどもこれだけの雨粒に耐え、人知れず健気に、そして凛として花を咲かせていました。

Photograph & Text by TA

手持ちの中で一番大きなフレーム（50×70cm）を使用しました。もともとこのフレームに付いていた台紙は白。白よりは黒の台紙に方がプリントに似合いそうだったのですが・・・このフレームの大きさに見合う「台紙だけ」を見つけるよりは、自作した方が早い、かつ安上がり。というわけでフレームの短辺サイズに合わせた黒のカラー用紙（巻き）を注文しました。カラー用紙だけの注文でもヨドバシ.comなら無料で配達してくれます（笑）。元々付いている台紙を使ったり、または台紙を外してフレームいっぱいに使うことが可能であれば、それに越したことはないのですが。

PHOTO YODOBASHI

手持ちのプリンターでは心もとなかったので、今回は大判サイズに超高精細プリントを行ってくれる業者さんに依頼しました。紙にはハーネミューレのフォトラグバライタを使用。手元にプリントが届いた時は、そのプリントの美しさに溜息がでました。発色もすばらしく、黒も良く締まっている。プリントのオーダー（入稿）にあたっては、デジタル写真をウェブ上で鑑賞するのとは違ってきますので、プリントに見合う現像を施しました。撮るだけでなくプリントをする。それだけでも「写真」を一層楽しめるものなのだなあと。昔はよくデジタルカメラで撮影した写真を自宅でプリントしては感動していたことを思い出しました。

PHOTO YODOBASHI

プリントの美しさ楽しさを思い出したのもあるのですが、せっかくなので部屋を花だらけにしてみようと。以前撮影したハードディスクに眠っている「バラ」の写真を漁っては、ここぞとばかりに自宅のプリンターでプリント。フレームに合わせた余白をミリ単位で詰めていく作業や、写真とインクジェット紙との相性を探ったりと諸々の詰めの作業すること約2時間。これがまた楽しいのです。夢中になってやるので、時間の経過に気がつきません。

「撮影」「プリント」「飾る」。アウトプットが違えば、撮影、現像、ひいては被写体選びまで、いつもと全く変わってきます。こういった一面も「プリントして飾る」ことの楽しさかもしれません。久しぶりにプリントをしてみて、新たにいろんな気づきや学びがありました。何事も頭の中で描いているだけでなく、実際にやってみないとわからないということでしょうか。また時間を見つけて、積極的に「プリントして飾る」をやってみたいと思いました。

( 2020.08.20 )