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コラム 蒐集癖 - no.003 Planar 80mm F2.8(Cレンズ)

最近、存在も忘れていたのですが、記録魔510のコラムで取り上げられたので「こりゃー続けるしか無いな」と反省し、もう一度(実は1年前にやろうと思って準備を始めていたのですが・・・)ゴソゴソと家の防湿庫から団子三兄弟を取り出してみました。さて同じデザインで中身が違う3本のPlanar 80mm F2.8。当時は3本揃わないと意味がないと思っていたのですが、本当に3本必要だったのでしょうか。そのあたり冷静に判断してみたいと思います。

( Photography & Text by A.Inden )


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似ていますが違います

Planar 80mm F2.8は、1957年に発売されたHASSELBLAD 500C用のレンズです。この3本見た感じはほとんど同じですが、年代によってレンズ構成やコーティングが違っています。

  • 左:レンズ構成枚数が6枚、ノンコーティング、シルバー鏡胴のみ
  • 中:レンズ構成枚数が7枚、モノコーティング、シルバー鏡胴のみ
  • 右:レンズ構成枚数が7枚、T*コーティング、シルバーとブラック鏡胴

外観でわかりやすい違いが、6枚玉は前玉が大きく出っ張っていることと、黒鏡胴は間違いなくT*だということです。今回紹介するにあたり、じっくり眺めまわして見たら、レンズ前のPlanarのフォントが違っていたり、刻印にプリントと彫り込みがあったり、MADE IN WEST-GERMANYやGERMANYだったりと、細部でかなり違ってることに気がつきました。まあそんな細かいところ描写には影響ないのですが・・・気になって仕方ないのは、もう病気ですね。

PHOTO YODOBASHI左が6枚玉。グッと盛り上がっているのがお分かりになりますか。

PHOTO YODOBASHI左下のPlanarの文字の間隔が開いているのが6枚玉です。

PHOTO YODOBASHI6枚玉から7枚玉になる過程で、文字が刻印からプリントに変わっていますね。分かりやすいのは無限遠マークの上の縦線。左は深く刻まれています。裏から見ると黒鏡胴はプリントされた板がビスで止められているのが分かります。写真にはありませんが、7枚玉モノコートは、シャッタースピードのみプリントになっていました。

PHOTO YODOBASHIシャッタースピードと絞り値を変えるレバーです。左が6枚玉、右が7枚玉。きっと、小さくて使いにくいとか言われて大きくしたんでしょうね。

PHOTO YODOBASHI製造国の表示方法に歴史を感じますね。この個体の製造年は左から1957年、1968年、1979年です。

PHOTO YODOBASHI製造年月日は後ろ玉の下に赤いスタンプ(モノコートは水色でした)で押されています。3桁と4桁があり後ろふた桁が月、前が西暦を表していて、500Cが発売された1957に数字22を足すと1979年3月製造と分かります。


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描写に差はあるのか

ちょうど1年前、特集「ニコン Z 特集 - 堪能!Zの世界」の中の「マウントアダプター千本ノック」で NIKON Z 7を使い撮り比べたカットを並べてみました。3カットとも左から、6枚玉、7枚玉 モノコート、7枚玉 T*です。6×6フォーマットのレンズを35mmフルサイズのカメラで撮影したため、レンズの違い(粗)が一番出やすい周辺部分は使っていません。そのためか、ほとんど描写の差がわからないですね。いや、そんなこと言ってしまったら元も子もないので、「ピントピークは6枚玉が一番柔らかく諧調が豊富、7枚玉 モノコートはシャープさが増し、T*で色ノリがよくなってくる」と言い切っておきます。そう思って見るとそう感じてきませんか。しかし、6枚玉から7枚玉にレンズ設計が変わっても背景のボケ味がほとんど変わらないのは凄いですね。


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存在することに意義がある

さて3本揃えることに意味があるかどうかの判断はお任せするとして、きっと違うであろうという思い込みを大事にして「この描写はこの被写体に向くな」なんて一杯呑みながら家で考えるのは幸せですね。でもそんな幸せ、もうフィルムでしか味わえないからと・・・ほんの少しでもそう思われた方ご安心ください。ハッセルブラッドの現行システム(Vシステム、Hシステム、Xシステムの中判フォーマットデジタルカメラ)で純正アダプターを使用し全てのレンズを使うことができます。いいですね。でも中判デジタルは・・・と思われた方ご安心ください。ペンタックスで、レンズ構成が同じでコーティング違いというレンズが存在します(HD-PENTAX FA35mm F2、smc PENTAX-FA35mmF2AL)。さすがペンタンクス。

古い機材の収集にはキリがないです。どんどん増殖していきます。そこで(まあだいたいは集まりすぎて困りだした頃ですが)自分の生まれ年を集めようとか、フランス産だけにしようとか縛りを作ってきます。レンズも同じ焦点距離を集め出すときりがないです。そこで、同じデザインでレンズ構成が違う物を集めれば、一本筋が通るのでは・・・と。もう何言ってるかわからなくなりましたね。よくわかっています、言い訳です、どうもすみません。

( 2020.04.30 )

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