PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

LEICA M (Typ240), Summilux 50mm F1.4, 1/15, F2.2, ISO 200, Photo by A.Inden

コラム 蒐集癖 - no.001 LOMO LC-A

会議でやると決まったら、「本当にできるの」なんて考える前に体が先に動く。そんな文科系の香り漂うPY編集部での会議にて、またまた編集長の鶴の一声が。。。

「 Indenさん、なんかいっぱい集めてるでしょ? 」

そこから瞬発的に生まれた企画が、新コラム「蒐集癖」であります。平たく言えば自分が集めてきたものを世に晒し、恥も晒す。何を持っていたかの確認にもなると、前向きに考えスタートいたします(こうなった時点でやばいですよね)。収集といってもきっかけは色々あります。自分の好きなものを手に入れ、嬉しくて周辺のものを集めていく。一つだけで十分だとわかっているのに色、形、型番違いをなぜか集めてしまう。全てのバリエーションを集めるいわゆるコンプリート。収集してしまうことに理由をつけてみましたが、一般世間から見たら???な人。わかっています。十分に。たっぷり言い訳をしたところで、家の大掃除と考えてスタートさせたいと思います。

( Photography & Text: A.Inden )


LOMO LC-A

「 LOMO LC-A 希少なレッド 新品未開封 ロモ蔵ウィーン (終了日時:2005年 12月 24日 18時 38分) 」

このオークションがLC-Aの収集の終わりとなりました。クリスマスイブというちょっと特別な日に終わったことが、夢から現実に引き戻してくれた神様からの最高のプレゼントだったのかなと、今なら冷静に思えます。熱に浮かされたような収集は突然始まって突然終わります。落札履歴をみると2005年がその年だったようです。なぜ2005年に収集の欲求が高くなってきたのかと思いLC-Aの歴史を調べてみると、2005年は製造が中止された年だということがわかります。ないと欲しくなるのは危険な傾向ですね。LC-Aは1983年にソ連のLOMO社で誕生した自動露出の35mmコンパクトカメラ。1991年にLC-Aに出会ったオーストリアの学生が、その独特の描写に新しい写真の表現を感じ「ロモグラフィック・ソサエティ」を設立。1992年の「ロモグラフィー宣言」により世界の注目を集めました。ファインダーの窓に何もないオリジナルのLC-Aは1996年は生産中止になりましたが、彼らの粘り強い交渉の末に1997年に生産を再開。この後生産されたファインダーの窓にイラストが入ったLOMOは通称「ウィーン・バージョン」と呼ばれています。2005年に工場のオートメーション化の波に押され、ほとんど手作業のようなLC-AのLOMO社での生産は中止となりました。(現在はLC-A+として中国で生産されています。)

FUJIFILM X-Pro2, XF35mmF2.0 R WR, 1/250, F8, ISO 200, Photo by A.Inden

色に惹かれる。

申し訳ありません。最初から謝っておきます。実はLC-Aで撮影したことはないのです。大きく落ちる周辺光量が作り出すトンネル効果、いい加減な露出がもたらす想像を超えた写り、少しシアンかぶりした色味等いいなとは思っていたのですが、ボディの色に惹かれ、集めることに熱中する日々を過ごしているうちに、撮るという欲求が消えてしまったのです。2005年に生産が中止され、ネットを通じてしか手に入らなかったのが幸いして(?)、いろいろなバリエーションをこれでもかというぐらいにPC画面で見ることができました。初めは撮ることを考えノーマルを手に入れたのですが、すぐに大好きなオレンジ色に惹かれ一台、きっと隣におくと色合いが綺麗だなと思ったのがブルー、やっぱりクリスマスだから赤だなと最後の一台。そのままズルズルといってしまいそうなところに神様からのクリスマスプレゼントが。ヨドバシ.comで、3台がまるであつらえたかのようにぴったりと収まるケースを発見させてくれたのです。その美しさにこれ以上ない幸せを感じて、LC-Aの収集は突然終わりを告げました。よかった。

FUJIFILM X-Pro2, XF35mmF2.0 R WR, 1/60, F4, ISO 800, Photo by A.Inden

写真は撮りましょう。

収集癖の怖いところは、集めることに満足して使わないということがわかりましたね。このようなことが日常茶飯事だということをこのコラムを通じて感じていただければ、あなたの家に眠っているお宝もきっと日の目をみることができるのでは。そして、共に楽しく素敵な時間を過ごすことができると信じて、また反面教師として、no.001をお届けさせていただきました。これを機に、我が愛しき収集物を使ってあげようかとも思っております。トイカメラ特集なんて面白そうですね。

( 2018.11.01 )

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サイズ、色のバリエーションがあまりにも多く合うものを探すのは一苦労ですが、ぴったりとハマった時の快感をぜひ味わってください。

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