実写インプレッション [X-S1]

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FUJIFILM X-S1 SHOOTING REPORT

驚きの24〜624mmというワイドレンジに、1cmまで寄れるマクロ機能。旅に持ち出したい1台。

いきなり私たちレビューワーの現場の話で申し訳ないのですが、色んなカメラを数台同時に持って出かけることが多いのです。もちろん日頃から数多くのカメラに触れていますので、まったく新しいカメラを操作しても直感的に使いこなし方が見えるのですが、機能は頭で理解できても現場でそれを使いこなせるかといえば正直怪しいのです。慣れ親しんでいないために、せっかくのシーンに出会えても撮り逃すことも多々あります。レビューという仕事を離れて、プライベートな撮影旅行であれば持ち出す機材は最大でも2台だったりします。「メイン」+「サブ」というオーソドックスな構成で、基本的に「メイン」のカメラで撮影全般は行うのですが、「メイン」だけでは追い切れないシーンを「サブ」で捉える、といった感じです。そして「メイン」も「サブ」もそれ相応に使い込んでから用います。体の一部分になり切れていないカメラを持っていっても、ここぞという時に撮りきれないことが多いからですね。 今回レポートするFUJIFILM X-S1は、十分な画角の広角、24mmスタートで、テレ端はなんと624mm! しかもワイド端f2.8・テレ端でもf5.6という十分な明るさを持つ高倍率ズームを搭載。さらに1cmまで寄れるマクロ機能まで搭載され、旅に出てもこれ1台で殆どのシーンを撮り切れてしまうという驚きの1台です。まさに「メイン」のカメラとしても資質十分、また、たとえば同じフジフイルムのX100やX10をコンパクトな「メイン」として愉しみつつ切り取り、X100やX10で撮れないシーンを、X-S1という「"スーパー"サブ」で捉えるなんて使い方も最高です。旅のスナップであれば、おおよそ28-105mmあたりの焦点域をカバーしてくれればたいてい事足ります。この焦点域、そして倍率のレンズであれば、レンズも明るめですし、夜間でない限り三脚も必要なく軽快に撮影が可能。しかし、突発的にどうしても300mm相当の超望遠が欲しくなるときがあります。こんなときに、X-S1は威力を発揮してくれるのです。

( 写真・文:K )

ワイド端からテレ端までキレのある高倍率ズーム

なんといっても24mm〜624mmです。これだけの高倍率になれば少々の画のヌルさは我慢しなければならないかと思うのですが、X-S1はワイド端からテレ端まで全域シャープ。しかもテレ端はF5.6という明るさです。これを135フルサイズで実現しようとなればとんでもないサイズのレンズになるでしょう。そして「高倍率ありき」で設計されていれば、こんなに佳い画にはなりません。X-S1の魅力は高倍率機にフジが提唱する「X」というクオリティを与えていることにあるのです。

テレ端付近までズームしてみます。通常、高倍率になればなるほど描写は甘くなる傾向にあります。レンズの構成枚数も増えるため、フレアやゴーストがどうしても出てくるものですが、非常に優秀なレンズだと感じました。もちろん、X100のような単焦点レンズ独特の描写や、X10のように倍率の低いズームのキレみたいなものは望めません(恐ろしく単価が上がってもよいなら少し事情は変わりますが)。しかし肉薄する描写なのです。正直なところ驚きました。高倍率ズーム機も、一昔前に比べると飛躍的に高画質化しているのだなあと実感した次第です。 しかし、小さな一眼レフ程度の大きさで、ここまで引き寄せられると本当に痛快ですね。いやはや本当に佳い時代となりました。僅か10年前なら、苦行のような大きさ・重さの超望遠レンズを持っていかなければならないところです。

わりと離れてテレ側にズームし、地面付近から撮影。X-S1は液晶モニターが稼働するため、撮影の際のアングルの自由度の高さも美点の一つといえます。しかしこの「色」。リバーサルフイルムを使い続けてきた人にはJPG撮って出しで十分だと感じられる方が多いのではないでしょうか。スタンダードの「プロビア」をチョイスしていれば、他のモードを選択する必要を感じないほどに「いいなあ」と思うのですが、たとえば風景撮影で「ベルビア」モードを選択してみれば、これもまた佳いのです。

フジのお家芸・ダイナミックレンジ拡大機能を試してみる

フジフイルムのデジタルカメラに昔から搭載されている「ダイナミックレンジ(DR)」の拡張機能を試してみました。デフォルトの設定では"AUTO"になっていると思われますが、意図的に100%と最大の400%の設定で撮り比べます。実際の現場では、DR100%のように肉眼で見てもハイライト部分は飛び気味なほど輝度差がありました。これをDR400%に設定すると、飽和気味ではありながらも階調が出てきます。確かにダイナミックレンジは拡がり、一番奥の光景の影にも雰囲気が漂ってきます。ダイナミックレンジを拡大設定すると撮影感度も強制的にアップしますが(DR400%の設定はISO400から)、ノイズが気になったり、感度が上がることによってノイズリダクションが強く働き、解像感が消失するなんてこともありません。飛ばすべきは飛ばし、潰すべきは潰す、という従来の撮影概念で、通常はDR"AUTO"でもよいと思いますが、積極的に使ってみると面白いと思います。カラーはもとより、階調でみせるモノクロモードなどで効いてくるかもしれませんね。

シリーズ共通のフイルムライクな画、ワイドからテレまで自在に切り取れる

画作りの傾向はシリーズ全般に通じるもの。色載りも厚く、まさにフイルムライクな写りです。これでもか!と寄れるマクロ機能に、ワイドレンジなズームと、手ブレ補正機構がさらに作画自由度を上げてくれます。しかし、単焦点もよいですが、ズームはズームの佳さがあります。遠くのものを引き寄せる快感、画角の制約が無い自由度。旅には本当に重宝しそうなカメラです。

AFを心配されている方へ。
さすがにテレ端の焦点距離を思えば、センサー面でのAFはかなり厳しいのでは??と思うのですが、思いのほか善戦。十分実用レベルだと感じます。しかし、コントラスト式AFである以上、真逆光での測距、コントラストの低いポイントでの測距などは苦手。もちろん動体を追いかけたりするのも別のジャンルのカメラを用いるべきでしょう。しかし、操作性の佳いズームリング・フォーカシングリングを備え、マニュアルフォーカスでの撮影も苦にならないではないかと感じます。常々感じることですが、飛び抜けた特性や機能があっても、カメラとしてのトータルバランスが大事なのであり、もっと言えば、撮影する道具なのですから、その行為を妨げるようではいけません。このあたりの手当をきちんと考えてあって、非常に好感が持てます。

浅い被写界深度とたしなみのX100、抜群の写りの普段使いにX10、両機で捕まえられない世界にX-S1

フジフイルムも憎いものです。X100とX10はフィールドが少し被ります。普段使いにX10。浅い被写界深度と柔らかい描写が欲しければX100。1台でどんなシーンでもおおよそ対応できて、X-S1でないと撮れない世界が確実にあります。繰り返しになりますが、「メイン」でも「"スーパー"サブ」にもなるX-S1は確実に撮影のフィールドを拡げてくれます。超望遠が可能なコンパクトデジタルサイズのセンサーを搭載したカメラは過去にも多数リリースされています。しかし、フジフイルムの画に魅力を感じる方、またはX100やX10で魅せられた方には非常におすすめです。そして、何台も撮影地に持っていかず、撮影に集中したい。そんなときにX-S1を1台だけ。正解ではないでしょうか。




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超望遠って一台欲しくありませんか? 今お持ちのシステムに交換レンズでもよいですが、ミニマムでカメラ部分がついてくる・・・というチョイスはありだと思います。

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備えあれば憂い無し。

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