PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM XQ1 / SHOOTING REPORT

プレミアム。それが、FUJIFILMがXシリーズで追求して来たコンセプトです。そのコンパクトラインに「XQ1」が新登場。同ラインには既にXF1がありますが、XF1がファッションアイテムとしてのプレミアムを感じさせるのに対し、コンパクトなボディとクオリティーを率直に追い求めたカタチがXQ1と言えます。そのフォルムは無駄を削ぎ落としてシンプル極まりなく、ポケットに入るスマートな形状に使い勝手の良い開放F1.8のズームレンズを搭載。センサーはX20と同じローパスフィルターレスの2/3インチX-Trans CMOS IIセンサー(1200万画素)で、画質もAF速度も妥協することがありません。すっきりとボタンを絞ったインターフェースながら、レンズまわりのコントロールリングなどにより使い勝手も十分。持ち歩くことを考えればコンパクトカメラだけれど、画や使い心地に納得いくものがなかった方なら、この本格派の登場に思わず「待ってました」と言いたくなるのではないでしょうか。X-Trans CMOSセンサーが未体験の方、フジフイルムの画に興味のある方なら気になりますよね。その画と使い勝手を、ひとつひとつ検証してみましょう。

( Photography : Z II / Text : Taka )

切れ味鋭く懐の深い表現力。

最新センサーである X-Trans CMOS II を搭載するということもあって、その画には期待ができるところ。いかがですか、この曖昧さのない解像感。高層マンションの一つ一つの窓が確認出来ますね。この手の被写体の描写はぼんやりしてくるコンデジも多いのですが、X20でも定評のあった高い描写性能をきちんと発揮してくれています。X-Transセンサーここにあり、といったところでしょうか。

続いて、秋色に染まり始めた山の遠景です。望遠端で狙ってみましたが、手前から稜線に至るまで山肌を埋め尽くす木々の様々な色や表情が、ガスをまとった秋の朝の空気とともにリアルに描かれています。よく見ると立ち枯れさえも確認できますが、コンデジの遠景描写もここまで来たのかと唸ってしまうほどの精細な描写です。

近景描写も推して知るべしでしょう。開放F1.8で撮影していますが、ピントの合ったところでは、ざらざらした塀の質感が忠実に再現されています。これくらいのレンズの明るさとセンサーサイズになると、手前と奥をぼかした表現も出来るので、撮影の幅も広がりますね。

フジということで、富士山を。予定調和ですみません。この色表現、リバーサルフィルム「PROVIA」を彷彿とさせますね。これに惹かれてフジをお求めになる方は多いと思いますが、この色も伝統あるフィルムメーカーのノウハウあってのことですよね。

ナチュラルな色表現に加えて、ダイナミックレンジの広さもフジの売りの一つですが、それは本機においてもしっかりと発揮されています。露出的に難しい条件ですが、ハイライトも飛び過ぎずよく粘っているという印象ですね。これを見ると、もうコンデジだからといって神経質になる必要もないかなとさえ思います。見たままの自然な描写から、秋の身支度を始めた木の葉のざわめきが聞こえてきそうじゃありませんか。

こちらもハイライトからシャドウまで、階調のつながりが実に自然です。金属や石材など素材ごとに異なる質感表現も、この階調あってのこと。明暗部での温度差までも伝わってきませんか。また、直線が交わる条件にも関わらずモアレがしっかりと抑えられている辺り、独自の非周期性の高いカラーフィルター配列が効いているのだと思います。ローパスレス由来のモアレへの不安をお持ちの方も、これなら納得していただけるのではないでしょうか。

続いて高感度撮影です。ISO800ですが、自信を持って常用出来るレベルと言っても良いでしょう。これ、ちょっと前のコンデジでは考えられなかったですよね。ズーム広角端が25mm(35mm判換算)というのも、引きがとりにくい場面でも見たままに捉えることが出来るので重宝しますよね。記念撮影などにも大活躍することでしょう。

「撮りたい」をアシストする細やかな配慮

従来のコンパクトデジタルとは一線を画す高画質にホクホク顔になっているところに、今度は小さな秋を見つけました。F1.8の明るいレンズを生かし、絞りを開け、広角で寄り、一瞬を切り取りたくなる、そんな場面ですよね。センサーが素晴らしくても、カメラとしての操作感や動作のキビキビ感がなければ良い結果は中々得られないものですが、XQ1ではその辺の配慮も行き届いています。

まずは、レンズマウントまわりの「コントロールリング」。これ、例えば絞り優先モードでは、グリグリ回すことで絞り値をダイレクトにコントロール出来るのですが、一眼レフの操作をお分かりの方、思わずニンマリしてしまうのではないでしょうか。左手の指で絞りを、右手の指でズームを同時にコントロール出来るからこそ、このような場面にも即応出来るのです。ちなみにこのリング、質感の高い金属製でトルクも上々。軍艦部のダイヤルもしっかりとしたクリック感で感触がよく、操作する側の気になる部分をしっかり抑えているなあという印象です。ボタンなどを極力整理したスッキリとしたボディでも使い勝手が良いのは、こういった工夫があるからですよね。コントロールリングで操作する機能は設定で変更できるので、ズーム操作を割り当てたり、露出補正を割り当てたり、撮影者のお好みの合わせることができます。使い込むほどに自分らしい撮影スタイルができていき、カメラ任せから積極的に写真をコントロールするようになっていく。そんなふうにユーザーを育ててくれるカメラ、そう多くははないですよ。

次にAFですが、「世界最速」を謳っているだけあって、非常にクイックです。三段分の手ブレ補正効果を活用しながら、望遠側で一瞬のチャンスを狙うのもお手のもの。本格的な撮影ではじっくりと撮ることも多々あるかと思いますが、あまり細かいことを考えないカジュアルな撮影ではむしろスピードを求めるたくなるもの。そういった要求にもこのAFはしっかりと応えてくれそうです。

こういったチャンスも一期一会ですよね。高速AFと手ブレ補正を信じて、水の流れをスローシャッターで演出しました。ネコの懸命さと白滝のような水の模様でシュールに仕上がっています。

ここまでスムーズに高画質撮影が出来てしまうと、そのままシェアしたくもなりますよね。ご安心ください。新たにWiFi通信機能が搭載されたXQ1はそういった今時の使い方もボタン一つで出来ます。あらかじめスマホに無料の専用アプリを入れておけば、IDやパスワードなどの面倒な設定無しでスマホへのダイレクト転送が可能。もちろんスマホのみでも同じことは出来るのですが、広角や望遠の絵、ノイズの少ない絵、そして作動の切れ味というのはまだまだ「本職」に分がありますよね。


撮りたい瞬間を諦めなくていい。ポケットに上質な1台を。

撮りたくなるシーンは、カメラを持って来ていない時に限って現れる。そんな経験、一度や二度ではありませんよね。どんな高性能カメラでもその場になければ、活躍のしようがありません。その点、XQ1はバッグの中はもちろんポケットにも楽に入るので、撮影のための外出でない時でも携帯が可能。良いシーンに出会ったなら、ダイレクトでクイックな操作が、撮りたい気持ちに素早く応えてくれるでしょう。そして紡ぎ出されるのはカテゴリートップクラスの高画質。その上スマホへの転送まで出来るのですから、これはたまりませんよね。ご覧の通り余計なデコレーションやボタンを排したエレガントなフォルムは、触れるほどに出来の良さを感じ、愛着を増してくれるはずです。どんなシーン、スタイルにも違和感のないプレミアムなコンパクト。まさにXを体現するボディと言えるでしょう。

高画質で撮りたいけど大きいカメラのは持って行けない、小さいカメラだと画質が心配、なんていう悩みはもう必要ありません。本格的撮影はもちろん、旅やイベント、そして「ちょっとそこまで」にも、財布や携帯電話を持ち出す感覚で連れ出してください。「この一枚」が、きっと待っていますよ。

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精悍なブラックボディ。軍艦部より下はシボ加工が施され、手になじみます。

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こちらはシンプルさがキラリと際立つ洗練のシルバー。これは悩みますね。

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金属ボディには革です。保護してくれるのはもちろんですが、とにかくカッコ良い。それで十分なのです。

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シルバーボディに茶色の革の組み合わせ、あか抜けてますね。たとえ撮影しなくても、「お召しに」なってみてはいかがでしょう。

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電池の持ちはXF1に比べると短めです。余分に持っておくと安心ですよ。

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