PHOTO YODOBASHI

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Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/125, F8, ISO 100, Photo by A.Inden

Canon EF16-35mm F4L IS SUM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンユーザーであればやはり、メーカー最高峰の「Lレンズ」が気になるものです。こちらは焦点距離16-35mmをカバーするF4通しの超広角ズームレンズ。キヤノンEFマウント対応の純正レンズには、本レンズと同じズーム域を有する「EF 16-35mm F2.8L II USM」があり、確かにどちらも気になる存在。もちろんレンズは明るいに越したことはありませんが、高感度特性の向上が進む昨今。F2.8のボケ量までは必要無いという方でしたら「EF 16-35mm F4L IS USM」がおススメ。取り回しのよさと画質を両立させた上、手ブレ補正搭載かつ防塵・防滴仕様という頼もしさ。絞り込んでの風景撮影や記念撮影に、はたまた機動性を活かして路地裏でのスナップにと、気軽に持ち出すことができるレンズだと思います。コストパフォーマンスのよさで考えたら断然ですものね(笑)。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/350, F5.6, ISO 100, Photo by A.Inden

最後の力を振り絞るかのように照らしつける西日が、じわじわと辺りをアンバーに染めまじめました。容赦のない日差しでゴーストも発生していますが、画面全体のコントラストはしっかりキープされています。光源の位置をちょっぴりずらしてみると、ゴーストの発生の有無や大きさも変化してくるので、コントロールしてみるといいでしょう。それにしても真逆光にも関わらずこの透明感。「Lレンズ」の底力を感じずにはいられません。

Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/720, F8, ISO 100, Photo by A.Inden

ワイド端16mmのダイナミックなパースペクティブ効果。風化したコンクリートのざらざらした様子がキリッとシャープに再現され、遠景のデフォーカス部のボケ量も程よく、さすがの仕上がりだと思います。

Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/90, F4, ISO 100, Photo by A.Inden

画面左下の枯れた草を見ていただければ判りやすいかと思いますが、開放して被写体に近づくと、広角系とはいえそれなりに被写界深度は浅くなります。色乗りしっかり、色収差もほとんど見受けられませんよね。


Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/2000, F8, ISO 100, Photo by A.Inden

F8まで絞り込んでみましたがビルのキレが素晴らしいです。直接太陽が入り込まないようフレームしているものの、空の諧調や色の再現性には目を見張るものがあります。

Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/45, F4, ISO 100, Photo by A.Inden

16mm、開放。引きのない空間での撮影に重宝します。周辺落ちはあるものの、超広角としてはかなり少ないレベルといっていいでしょう。全開ですから、外光が差し込む窓抜けは白く飛んでいますが、手すりの周りに拡散している光の様子を巧く再現しています。細部の描写は至ってシャープですが、カリカリに硬いというわけではなく、淡いトーンまで丁寧に拾い上げてくるような再現力に感じ入りました。

Canon EOS-1D X, EF16-35mm F4L IS USM, 1/250, F5.6, ISO 100, Photo by A.Inden


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開放F4通しという賢い選択。

ざっくりと言ってしまえば、開放F値の差はボケ量の差、そして価格の差というところでしょうか。超広角ズームレンズですから、絞り込むケースがほとんどということであれば、F4スタートでも十分なスペックと言えるでしょう。大口径レンズに比べて軽くコンパクトになり、おまけに出費まで抑えられるのですからむしろ好都合というもの。絞り開放からキリッとシャープな像を結び、超広角ズームではウイークポイントとして挙げられやすい周辺画質も安定し、歪曲や周辺光量の低下も極めて少ないことが、今回の作例カットからもお判りいただけたと思います。絞り込んでも線が太るようなことが無い緻密な描き込み。もしかすると素性を明かさずに、「単焦点レンズで撮影しました」と言われれば、すんなり信じてしまいそうなヌケのよさなどを見るにつけ、アウトプットはやはり「Lレンズ」のクオリティだなと感じました。強力な手ブレ補正も搭載されており、光量が不足しがちな室内での撮影も難なくこなすことができるようケアされている辺りもさすがです。さあ、もう迷う必要は無いでしょう。伸びやかな超広角ならではの世界が、あなたを待っています。

( 2015.08.12 )

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開放F4に抑えることで、開放からキレのある描写に加え、IS付きながら軽量コンパクトな鏡胴を得ています。どうしてもF2.8が必要という方でなければ、こちらのレンズはリーズナブルで現実的な選択肢となるでしょう。

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