Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX 16-28mm F2.8

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

35mmフルサイズのセンサーに対応した超広角ズームレンズです。16mm～28mmと多少レンジは狭いものの、ズーム全域でF2.8の明るさを誇り、純正レンズよりも格段にリーズナブルなところが嬉しい1本。大変シャープなレンズで、F8あたりまで絞り込むとシャープさはマックスに。ボケ味は若干固く煩雑な感はありますが、それよりも低照度下で威力を発揮してくれる明るさ、そしてこの画角がリーズナブルに手に入ること自体に価値があります。なにせ超広角レンズですから、どちらかといえばボケ味よりもシャープさが優先されてしかるべきでしょう。トキナーのレンズは、空の色が濃く落ちる傾向にありますが、このレンズもその特性は健在。偏光フィルター要らずで、濃度のある空の描写が得られるのは気持ちがいいものです。この1本があれば、おおよその広角ニーズは満たせますし、ファインダーを覗けば超広角ならではの伸びやかな描写についついニンマリしてしまうのです。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

高コントラストなシチュエーションなので絞ったワイド端のワンカット。実にシャープな描写で、発色もよく、シャドーエリアも透明感のある撮像です。

APS-Cで使うとテレ端は、フルサイズ換算で45mmほどの画角となります。露出補正なしですが、さすがは明るいレンズ。後ボケした花が白飛びしたような（データには階調があります）柔らかな雰囲気を出しています。クルマとの距離ぐらいが、ボケ味に硬さが出るか出ないかのちょうどいい間合いなのかもしれません。

砂山越しにポツンと見えるサーファー。こちらもAPS-Cでの撮影ですが、手前から奥に渡ってきっちりと細やかなリアリティのある描写です。

ワイド端での撮影ですが、ハイライト、シャドー共に「あちらを立てればこちらが立たず」ということはなくしっかり解像しています。