PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
キヤノンEOS Rシステム特集
Chapter 4 : とことんRPで撮ってみる
Vol.1 EOS RP + RF24-105mm F4 L IS USM
2019年3月14日に発売となったEOS RPはキヤノンのフルサイズセンサー搭載モデルの中で最も小型軽量なカメラです。その写りとコンパクトなサイズから初めてのフルサイズ機として選ばれる方や、バリバリの本気撮影とは別の、カジュアルなサブ機として選ばれる方もいらっしゃると思います。EOS RPの有用性や利便性はすでにPYでもお伝えしてきました。また今回の撮影に使用するRF24-105mm F4 L IS USMはEOS Rシステムのショートバックフォーカスにより、小型化と高画質化に加え、ボディとの高速通信が可能となり高い手ブレ補正を実現しています。F4通しの24-105mmといえばEFレンズでもおなじみの万能レンズでしたが、さらにサイズダウンと高画質化を実現したというのですから、既にお持ちの方も多いことでしょう。購入を迷っている方にはこのレンズのポテンシャルがまだわからないという面もあるかもしれません。Chapter4では、小さく軽く高画質なRF24-105mm F4 L IS USMとEOS RPとの組み合わせによって、ある家族のなんでもない記録写真が、とっておきの作品になるということを伝えるべく、いつもの日曜日をテーマに、とことん撮ってみました。
( Photography & Text : Z II )
いつもの日曜日
こちらはシーンモードをキッズモードにして撮影していました。顔認証AFがしっかり効いて坂の下から近づいてくる被写体の顔にAFは食いついていますね。
こちらは少々テクニックが必要なシーンです。シャッタースピードを1/100に固定し、顔認証AFでお兄ちゃんが走り抜けるところを連写で狙ってみました。予測できない子どもの動きに翻弄されながらも、なんとか躍動感のある写真が撮れました。それにしてもランニングフォームがきれいですね。
こちらも顔認証AFが効いていることによって表情のピークを逃さず撮ることができました。我慢を強いられがちなお兄ちゃんが不意に見せるこんな表情は親にとっては宝物ですよね。
お兄ちゃんにかけっこで負けると悔し泣き。感情のコントロールなんてまだまだできなくて良いのです。親はそんなシーンに、どこかホッとします。表情を捉えているのはもちろんのこと、力強い大きなお父さんの手、シャツの質感の描写も見事です。
子どもはいつだって風のように駆け抜けていきます。まさに風の子という具合に気が付いたら背中ばかり見ているのですが、背中だって十分に物語はありますね。いつもお兄ちゃんの背中を追いかけていたあの頃を思い出します。こんな思い出の中にしかないシーンも写真に残せるのは嬉しいものです。
せぇーの！でジャンプしてもらった瞬間です。流石に5歳と3歳では息が合わないですが、これはこれでいいのです。5Dシリーズにはバリアングル液晶が無かったので腹ばいになって撮ったものですが、EOS RPなら無理な姿勢をすることなく地面すれすれのローアングル撮影が可能です。
今度はお母さん目線になって撮ってみました。3歳児の言葉を聞き漏らさないように見つめる眼差しが、休日だからこそみることができるお父さんの顔になっていますね。背景は、とろけるというほどではないですが、輪郭を残しつつ柔らかくぼけています。どこの公園かわかるくらいの方が後で見返したときには良いのかもしれませんね。
絞りは開放F4、テレ端105mmで最短撮影距離の45cmまでぐっと寄って撮ってみました。しっとり、ぷっくりとした唇の質感が実に柔らかく描かれていて、毎日少しずつ変化を見せる1歳児の一瞬を愛らしく写すことができました。
日曜日のお昼ご飯は子どもたちが大好きなちらし寿司と焼いたししゃも！背景のバランスとボケ感を画面で確認しながらズームリングを回すと、自然と50mmあたりに落ち着きました。見たままの光景を自由に切り取れるのがズームレンズの利点ですね。
どこのご家庭も子どもにお箸の持ち方を教えるのは苦労しますよね。子どもたちの記憶には残らないことかもしれませんが、こういう写真を見ると、親の気持ちを分かる歳になった頃に感謝してくれることでしょう。
双子の育児に奮闘するお母さん。窓からの光で陰影をつけてドラマチックに撮ってみました。まさにフルサイズセンサーの恩恵というべきかハイライトからシャドーまでの粘りも素晴らしく、温かい家族の雰囲気を収めることができました。
集合写真では全員の顔をしっかりと写したいので絞りをF5.6まで絞って撮ります。屋内のためISO感度を800まで上げていますが高感度とは思えない写りです。実はこのときにあることをして笑わせています。きっとこの家族はこの写真を見るたびにそれを語り継ぐことでしょう。え？どうやったかって？それはナイショです！というか言葉では表すのが難しいのです（笑）。
お母さんに持っていただきました。さすがにボディがコンパクトなのでレンズは大きく見えますが違和感はなく、ママカメラマンも様になっています。
ほんの少しのチャレンジ
写真の楽しみ方のひとつは、写真が記憶を呼び起こす鍵になるということです。そう、自分が子どもの頃に撮ってもらった写真を見ると当時の風景や味や匂い、音さえも思い起こされる事があります。プロに撮ってもらったいわゆる綺麗でちゃんとした写真よりも、お父さんや、お母さんが撮ったゆるい写真の方がなぜか記憶の扉を刺激してくれます。それはきっと失敗を重ねた事が関係しているのではないでしょうか。マニュアルフォーカスのフィルムカメラの操作は少しだけ難しく、ボツ写真も多くて、どうすればいい写真が撮れるのかを試行錯誤した事でしょう。そんな失敗や苦労したエピソードこそが記憶に刻まれているのだと思います。30年前は背面液晶もなく撮れているのかさえわからない中で、我々の親世代は懐かしい写真をよく残してくれたなと感謝しています。今度はそんな写真を我々が残す番です。スマートフォンで簡単に写真が撮れる時代ですが、そこはEOS RPという、最新モデルでスマートフォンでは撮れない大きなボケを活かした写真や、美しいグラデーションを写しとめたり、シャッタースピードや絞りを操れば、さらに生き生きした写真も撮れます。もちろんはじめは失敗もあるかもしれませんが、フィルム時代とは違って自由に撮り直せるのですから安心です。次の30年後に懐かしいたくさんの写真とともに、失敗した楽しい記憶さえ蘇る事でしょう。レンズはもちろんRF24-105mm F4 L IS USMをお勧めします。使ってみると、とても柔らかな写りで人物を撮るのに最適です。是非、子どもたちの成長をこのセットで残してあげましょう。記憶はお金では買えませんが、写真に（ボツ写真も含めて）残しておくことで呼び起こすことができます。スマートフォンではなくカメラを持つというほんの少しのチャレンジ、それこそがもうすでにドラマの始まりなのです。
( 2019.04.26 )
これから写真を始める方、またはとことん撮り尽くしてコンパクトなカメラに落ち着こうかなという方、どちらにもぴったりなカメラです。
一本持っておくだけでほとんどの撮影はできてしまう万能レンズ。悩んでいるなら買って使い倒して元を取りましょう。
いいレンズですから前玉はしっかりプロテクトしておきましょう。
少し大きめのレンズを付ける際や、手が大きな男性の方にはこちらをお勧めします。カラーはレッドがキヤノンらしくて好きですが、ブラックとブルーもご用意しています。