第8話
StarScape
シンク・アバウト・マルミのフィルター（その2）

時代は星野写真から星景写真へ

星景用のフィルターを使って写真を撮ったことがある人～

・・・・

まあ、まあ。では単純に星空を撮ったことは？

それならありますよ。

あります、あります、サジタルコマフレアが出ないかどうかの確認とか。

それは随分とマニアックですな。

星景用のフィルターって古くからあるのでござるか。

専用ではありませんが、ソフトフィルターが長らくその役割を果たしてきました。「星と風景」の星景写真というより、あくまで星が主役となる「星空」の星野写真ですね。

えっ、ソフトフィルターってポートレートで使うやつですよね。

いかにも。

確かこのあたりの話で出てきたな。

柔らかくほわっと写ったら、星がボケボケではござらぬか。

星はクッキリ写すものでは？

ソフトフィルターを通すことで光は拡散されます。光の強い星はより大きく目立つようになり、光の弱い星は周りにかき消されて目立ちにくくなります。

特に星座を写す時にはそういったメリハリが必要なのです。撮影時のシャッタースピードは20秒前後の長時間露光になるので、肉眼では見えない星がたくさん写り込んできてしまいますから。

さすれば、今回のテーマでもある「StarScape」はソフトフィルター系で？

いえいえ、違います。

んっ？

星景用フィルターって昔からあるのかとの質問のせいで、少々話が逸れました。

おい、おい、3号。

いや、そういうつもりは毛頭なくぅ。

フィルターの効果をどう活かすかという点では、なるほどだったけどね。

話が逸れ出したあたりで、星景写真と星野写真って言葉が出てきましたが。

以前は、星をメインに撮る星野写真が中心でしたが、近頃は星と風景が同居する星景写真を撮りたいというニーズが多くなってきましてね。

星の表現には効果的なソフトフィルターでも、風景込みでとなると少々不都合でして。

そこで「StarScape」の登場が待ち望まれたと。

いかにも。

お、話の軌道修正が完了か。