PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
第8話
StarScape
シンク・アバウト・マルミのフィルター(その2)
星景用フィルターも様々ありますが
不思議なもので同じような時期に、光害をカットする星景用フィルターが他社さんからも続々と出てきまして。 |
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示し合わせたわけじゃないのに。 |
各社どんな特性(透過率)なのか計測してみた結果がこちらです。 |
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ほー、似てはいるけど透過率の落ち具合が違う。 |
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あれ?「StarScape」って赤線ですよね。 |
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他社よりもカットしきれてない光害波長が多いような。 |
いい所に気付きましたね。 |
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いやいや、触れてはならぬことではござらぬか。 |
色味というのはバランスが大事なのです。例えば青線(他社A)に注目すると、450nm付近の光もカットしているので黄色味が思ったより減らない。ゆえに時々不自然なマゼンタ被りを発生してしまうのです。 |
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「StarScape」は「星」「空」「風景」全体のカラーバランスに配慮し、青の色味を増やし、オレンジ~赤の色味を抑えることで、クールで自然な星空と天体の色のブレンドに苦心しています。 |
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光害だからと、徹底的に排除すればいいってものではないのですね。 |
排除しすぎないから、透過率が高い(明るい)フィルターになるので、より多くの光を必要とする星景の撮影で有利なんです。 |
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他社に比べれば光害カットの効果は控えめ目だが、そのおかげで露出倍数が低いので夜間での撮影に有利。自然な色味でクールな夜空を再現する。撥水防汚コートでメンテナンスもしやすい。
実際に撮影した写真で見比べてみてください。 |
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撮影条件:長野県美ヶ原高原にて。StarScape/他社品A/他社品Bの3種の光害カットフィルターで天の川を撮影。撮影日時:2019年6月4日 0:00~ 気温6度 晴れ時々霧。f/2.8、シャッタースピード25秒、ISO 3200。ホワイトバランス:オート/太陽光/蛍光灯(冷白色)の3種。
※露出倍数が撮影画像に反映されるため、各撮影サンプルの間には明暗差あり。
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同じ条件で撮影したものを並べると、一目瞭然だね。 |
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こうなってくると、もう好みの問題になってくるのかも。 |
天の川って実は肌色に近いんですよ。ですから黄色味がどの程度乗ってくるのかがポイントなんですよ。 |
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なるほど確かに。 |
赤味が強く出てしまうのはいただけないなと個人的には思うわけです。 |
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北村さん、その辺りまでにしておきましょう。 |
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- プロローグ 異動辞令下る
- 第1話 フィルター事始め - 写真用フィルターとは何か
- 第2話 デジタル時代のフィルター - 光学フィルターの危機か?好機か?
- 第3話 フィルターの構造についてちょっと - ガラス板と枠しかないけど、でもそこにはいろいろある
- 第4話 いかにしてフィルターは作られるのか - これぞ、ハンド・メイド・イン・ジャパン
- 第5話 今回はCP+の特集です! - マルミ光機@CP+2025 直前スペシャル
- 第6話 カイハツのハナシ - そこには未開の荒野が広がっている?
- 第7話 EXUS Lens Protect - シンク・アバウト・マルミのフィルター(その1)
- 第8話 StarScape - シンク・アバウト・マルミのフィルター(その2)