PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SORI2 - 新宿光學總合研究所

第4話
いかにしてフィルターは作られるのか
これぞ、ハンド・メイド・イン・ジャパン

ガラスを洗浄・検査、そして枠に印刷

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4号

うわっ、シンクがいっぱい繋がってる。1、2、3・・7つも!

これは洗浄槽です。研磨後のガラスを入れたトレーを左から順に移動させます。懐かしい2層式洗濯機の言わば7層式バージョンみたいなものです。

セイゾウ春日
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2号

ジージー音を立てながら水面が揺れてる。

1号

「水洗浄(超音波)」ってラベルが貼ってあるけど、メガネ屋さんの前にある洗浄機みたいだね。

仕組みとしては同じものです。そして最後は純水で洗って乾燥させます。

セイゾウ春日
4号

ところで、あちらの方は何を?

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洗浄と乾燥を終えたガラスを検査しているところです。

セイゾウ春日
2号

一枚一枚すべてチェックするんですね。

もちろんです。サンプルの抜き取りチェックでは十分とは言えないですから。

セイゾウ春日
2号

さすが。

1号

ここで不具合が見つかったものはどうするのですか?

廃棄するものもあるし、再研磨に回すものもあります。そこは不具合の状況によります。

セイゾウ春日
3号

ここで見落としがあったら一大事でござるな。

この後にもいくつか検査工程があるので、そのまま出荷されちゃうことはありませんが、ここがガラスの最初の検査ですから責任重大ですね。

セイゾウ春日

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これは平面精度を測る測定器で、研磨にムラがないかチェックしているところです。

セイゾウ春日

働いている人に訊いてみた④ 赤穂さん(検査担当)

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Q:現在の仕事に就いてどのぐらい?
A:入社して5年。ずっと検査を担当しています。

Q:この仕事のいちばん大変なところは?
A:検査基準書というルールブックがあって、それに則ってあるラインから上は良品、下は不良品に分けるのですが、その境目にあるものは判断に迷うので、そこが難しいです。ただし不良品と言っても、このレベルのものは普通の人が見てもどこが不良なのかまったく分からないと思いますが。

Q:今のスキルが身に付くまでどのくらいかかった?
A:わずかな不良を見つけることがなかなかできなくて、少なくとも1年はかかりました。

Q:この仕事のためにプライベートで気をつけていることは?
A:終業時間が近づく頃にはもう目が疲れきっているので、帰ったらなるべく目を休めています。特に遅くまでスマホを見るのは良くないです(笑)

Q:この仕事を誰かに教える場合、どんなことがいちばん大事だと教えますか?
A:先ほどと同じく、良/不良が微妙な場合には個人によって判断に違いが出ることがあるので、ケーススタディを繰り返して同じ仕事をしている人たちとレベル感を合わせておくこと、ですね。

Q:プライベートで写真は撮る?フィルターの使用経験は?
A:写真はスマホで撮るぐらい。フィルターですか? 残念ながら(笑)

Q:休日は何をして過ごすのが好き?
A:休日はアニメを観たり、ゲームをやってます。

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ここではフィルター枠に製品名などを印刷します。シルクスクリーンと呼ばれる印刷方法ですが、一枚目の写真は印刷原板の上にインクを盛っているところですね。この加減が難しいんですよ。

セイゾウ春日
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3号

印刷もひとつひとつ手作業だったとは。

僅かにでもムラやカスレ、欠けがあったら、インクが定着する前に拭き取って再印刷します。

セイゾウ春日
4号

ひとつひとつ刷ってはチェックして、再印刷する場合もあるなんて骨が折れるな。

印字に問題が無ければ熱処理をしてインクを定着させます。これでこすっても文字が消えないようになります。

セイゾウ春日



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次は枠検査室。ここでは印字はもちろん、枠自体にも不具合が無いかチェックします。

セイゾウ春日
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