PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
第3話
フィルターの構造についてちょっと
ガラス板と枠しかないけど、でもそこにはいろいろある
枠のひみつ
枠って大事なんだよ。 |
そうでござるかあ? 拙者にはただの輪っかにしか見えないでござるが。 |
まず大別するとフィルター枠には2種類あります。「単体枠」と「回転枠」。単体枠というのは、レンズに装着するだけで使えるようになるもの。回転枠というのは、レンズに装着した状態でさらに回転によって効果の出方を調節するもの。 |
だけど、フィルター枠の本当の役割はもっと根本的なところにある。いくらすごいガラス部分を作ったって、それだけではツールとして機能しない。まずはそれを手に取れるようにしているのがフィルター枠。 |
確かに。 |
それをレンズにがっちりと固定するのもフィルター枠。 |
ふむふむ。 |
ガラス部分を保護しているのもフィルター枠。 |
枠がなかったらすぐ割れちゃう。 |
C-P.Lフィルターなど、効果の出方を調節しながら使うもの(回転枠)では、その操作インターフェースの役割を果たしているのもフィルター枠。 |
大事! |
さらには、フィルターの種類やメーカー名、サイズなど「そのフィルターの属性」を使用者に教えてくれるのもフィルター枠。 |
それが無かったら、何のフィルターか見ただけじゃ判断つかないもんね。 |
フィルター伜、チョー大事でござるな! |
だからフィルター枠にはいろんなことが求められる。持ちやすい/使いやすいカタチをしていること。頑丈であること。軽量であること。可動部分がスムーズに動くこと。印刷の見やすさや塗装の堅牢性だってそう。さらには薄さ(ケラレ防止/重ねて使うこともある)とか、内面反射の対策など。 |
相反することも多いですよね。例えば「頑丈」と「軽量」とか。 |
回転枠の調節リングがスムーズに動くのはいいけど、あまりスムーズ過ぎたら今度は簡単にズレちゃいそうだし。 |
そうなんです。材質や形状、操作感など、気が遠くなるような検討とテストを繰り返して、フィルター枠というのは出来ています。あと意外に大事なのは、すべてのレンズにちゃんとつくかという検証。 |
はめ込むネジ部分のことですよね? それって、規格で決まってるんじゃないんですか? |
もちろん規格はあります。でも、それだけではないんですよ。例えばレンズ鏡筒やフードの形状との兼ね合いで、つかない組み合わせが稀にあるんです。だから心配があるものに関しては実際につけてみて確かめます。 |
ひゃあ、大変。 |
お客様から確認の問い合わせをいただくこともあるしね。 |
ところで、ガラス板とフィルター枠って、がっちりと固定されていますよね? |
いかにも。そこがガタガタしていたら使い物にならないので、しっかりと固定されている。 |
それ、すごく重要ですよね? |
まあ、ガラスと枠しかないわけだからね。 |
わたくし、その「固定方法」についてちょっとまとめてきたんですよ。 |
それはまた、ずいぶんと準備がいいですね。 |