PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
第2話
デジタル時代のフィルター
光学フィルターの危機か?好機か?
デジタルはフィルターの敵か味方か
これについては、まずは結論を、声を大にして申し上げておきたいと思います。 |
結論? |
デジタルの今だからこそ、フィルター! |
いやいや。いくらなんでも「デジタルの今だからこそ」って、さすがにそれは言い訳として苦しいでござろう。 |
こら。 |
前回の復習ですが、フィルターの役割って何でしたっけ? |
えーと、写真の「色」と「像」に変化を与えること。 |
そうですね。ここで大事なのは、その変化のしかたや度合いは、撮影者が思い描いたイメージと一致している必要があるということ。そのために、使うフィルターを吟味したり、効果のかかり具合を調整したりして自分のイメージ通りの写真が撮れるように努力するわけです。 |
はい、それはよく分かります。 |
では次の質問。その作業がしやすいのはフィルムとデジタル、どちらでしょうか? |
それはもう、断然デジタルでござるな。 |
ミラーレス一眼が主流になって、撮れる写真「そのもの」が、背面液晶やファインダーでリアルタイムに確認できるわけだからね。フィルターによる効果が一目瞭然。 |
何度試し撮りをしたって、そのたびにコストが掛かるわけじゃないし。 |
ですよね。同じフィルムカメラでも一眼レフや大判カメラだったら、レンズを通した像を直接見られるので、ある程度は効果が分かります。でも撮れる写真「そのもの」ではないから、そこには多少の想像力が必要。実際のところはフィルムを現像してみるまで分からない。 |
ましてやそれ以外のカメラだと、最初から100パーセント想像に頼るしかない。 |
そうかあ。そう考えると、むしろフィルムでよくこれをやってたなあ、という感じがしますね。 |
ね? そう思うでしょ? デジタルになって、より緻密な、本来あるべきフィルターワークがやっと可能になったんです。 |
フィルターとデジタルって、実は親和性が高いんですね。 |
この時代が来るのを待ち望んでいた、と言ってもいいぐらいです。 |