PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SORI2 - 新宿光學總合研究所

第2話
デジタル時代のフィルター
光学フィルターの危機か?好機か?

デジタルはフィルターの敵か味方か

これについては、まずは結論を、声を大にして申し上げておきたいと思います。

カイハツ北村
1号

結論?

デジタルの今だからこそ、フィルター!

カイハツ北村
3号

いやいや。いくらなんでも「デジタルの今だからこそ」って、さすがにそれは言い訳として苦しいでござろう。

2号

こら。

前回の復習ですが、フィルターの役割って何でしたっけ?

カイハツ北村
2号

えーと、写真の「色」と「像」に変化を与えること。

そうですね。ここで大事なのは、その変化のしかたや度合いは、撮影者が思い描いたイメージと一致している必要があるということ。そのために、使うフィルターを吟味したり、効果のかかり具合を調整したりして自分のイメージ通りの写真が撮れるように努力するわけです。

カイハツ北村
2号

はい、それはよく分かります。

では次の質問。その作業がしやすいのはフィルムとデジタル、どちらでしょうか?

カイハツ北村
3号

それはもう、断然デジタルでござるな。

2号

ミラーレス一眼が主流になって、撮れる写真「そのもの」が、背面液晶やファインダーでリアルタイムに確認できるわけだからね。フィルターによる効果が一目瞭然。

4号

何度試し撮りをしたって、そのたびにコストが掛かるわけじゃないし。

ですよね。同じフィルムカメラでも一眼レフや大判カメラだったら、レンズを通した像を直接見られるので、ある程度は効果が分かります。でも撮れる写真「そのもの」ではないから、そこには多少の想像力が必要。実際のところはフィルムを現像してみるまで分からない。

カイハツ北村

ましてやそれ以外のカメラだと、最初から100パーセント想像に頼るしかない。

オヤカタ関
2号

そうかあ。そう考えると、むしろフィルムでよくこれをやってたなあ、という感じがしますね。

ね? そう思うでしょ? デジタルになって、より緻密な、本来あるべきフィルターワークがやっと可能になったんです。

カイハツ北村
2号

フィルターとデジタルって、実は親和性が高いんですね。

この時代が来るのを待ち望んでいた、と言ってもいいぐらいです。

カイハツ北村