SONY SEL70300G FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

35mmフルサイズ対応のEマウントレンズ、「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」のレビューをお届けしましょう。70-300mmというズーム域は他のメーカーを見てもそれほど特別感のあるものではありませんが、300mmまで届くというのはEマウントでは初とのことで、α7シリーズのユーザーにとっては嬉しい一本ではないでしょうか。誇らしげな「G」のマークは高級レンズの証。美しいボケと高い解像感を両立した、ソニー渾身のレンズシリーズです。防塵防滴にも配慮した設計が施されており、メーカーとしても相当力の入ったレンズであることが容易に想像できます。テレ端300mmと最短0.9mのスペックを生かしたテレマクロ的使い方も出来るので、これ一本であらゆるシーンに対応できそうです。望遠ズームということを考え、広大なフィールドに連れ出し、様々なシチュエーションでテストしてまいりました。たっぷりと作例をご覧ください。

( Photography & Text : T.Nakanishi )

Gを名乗るレンズですからその解像感にはやはり目を見張ります。木々の枝の細かな部分まで見事に描いており、非常にメリハリのある画です。カメラの性能に負けない、まさに現代レンズらしい切れ味を持った一本と言えるでしょう。

ナノARコーティングによって逆光でもご覧のとおり、全く破綻を見せません。ちょっと意地悪な角度でトライしてみましたが、ゴーストやフレアの発生はほとんどなく、一枚ベールを剥がしたかのようなヌケのある描写には驚くばかりです。

芽吹き出す木々の生命力まで捉えている、とは大げさな表現でしょうか。

広大な畑を耕す農婦が一人。大地に生きるとはまさにこのようなことを言うのでしょう。等倍でご覧いただけないのが残念ですが、農婦の来ている服の模様までしっかりと解像しているのには本当に驚きました。

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遠くの堤防の上を行く少年を追いました。こんなチャンスは一瞬で過ぎ去ってしまうので、当然ながら手持ち撮影。手ブレ補正OSSが非常によく効いてくれ、テレ端付近であってもブレはほとんどありませんでした。

望遠レンズによる圧縮効果を利用して、残雪の山肌をバックに働く人々を捉えました。この凝縮感も望遠レンズでしか得られない魅力の一つです。

こちらのカットはテレ端の300mm、開放から1段絞ってF8です。キレのある描写をご覧いただきたく、少し大きくしてみました。テレ側が300mmまであると、作画のバリエーションは格段に広がります。風景は広角と思われがちなのですが、実のところ、広大な場所では望遠ズームの方が使い出があるものなのです。

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フルサイズに対応するEマウントズームのラインナップが徐々に充実してきました。α7シリーズのポテンシャルを生かすためにも、そしてこれから出てくるであろうより高性能なカメラに対応していくためにも、高い光学性能を有したレンズの拡充は、メーカーにとっては至上命題と言えます。もともとツァイス（ZEISS）の名を冠したラインナップを持つソニーが、あえてここで放つGシリーズ。そこに、メーカーのレンズにかける本気度合いが見て取れます。良い写真を撮るためにも、そして撮り続けたいというモチベーションを維持するためにも、良いレンズとの出会いはきっと必要です。まして、Eマウントで唯一300mmに到達できるレンズなのですから、迷う余地などありませんね。新しい「G」の魅力に、ぜひ触れてみてください。

( 2016.06.30 )