PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY SEL55F18Z Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズ対応のEマウント・単焦点レンズの第二弾としてSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAがリリースされました。先に発売されたSonnar FE 35mm F2.8同様、Carl Zeissブランドでの登場。Zeissの標準レンズと言えば、かつては各社が採用していたダブルガウス型のレンズ構成となるPlanarが代表的でしたが、本レンズは35mm F2.8と同じくSonnarの名が冠されています。レンズ構成を見ると、実に豪勢です。第1面は珍しい凹レンズ、前後非対称の5群7枚という構成で、3枚の非球面レンズ(そのうち5面が非球面)を採用。深めの花型フードを装着したレンズは標準レンズというにはやや大きく、見た目からしてよく写りそうな印象です。実際に手にしてみると、Aマウントより径が小さいEマウントということもあり、鏡胴はスリムで大きさを感じさせず、ホールディングもしやすいのです。重量も281gほど。α7のボディにマウントしたときのバランスは良好です。単焦点ということで皆さんの期待も高いのではと思いますが、実際の写りをじっくりと見ていきましょう。

( Photography : Z II & Naz / Text : Naz )

横断歩道のゼブラ模様が徐々に溶けていくボケ味が実に上品です。ただクッキリ・ハッキリ写るというだけではなく、日常の何気ない風景がひと味もふた味も違った表情で写るレンズというのは、実はそう無いのではないかと感じます。いい描写ですよね。

最短撮影距離付近でのショットです。バスの車内から窓ガラスに垂れる雨粒を開放で狙ってみました。本レンズの最短撮影距離は0.5mと最近のレンズにしては長く感じますが、それも妥協の無い写りを追求した設計ゆえでしょうか。往年の各種のツァイスレンズは寄れないものが多かったですよね。寄れないというよりは「寄せない」といった印象でしたが。。。前はなだらかに、後ろはピントを外れるとやや大きくボケていくようです。しかしシートのグリップの形状は「つるん」とボケてしまうのではなく、その様が伝わります。このあたりが個人的にはグッと来る描写です。

雨に濡れて赤みを増した南天の実。薄い水膜の再現が素晴らしいですね。ボケがうるさくないので、このような被写体でも前ボケを積極的に入れていけます。

一つ前のススキはα7R、こちらの水滴のカットはα7で撮影しました。直接の比較ではありませんがそれぞれを見てみると、ローパスフィルターレスの3640万画素となるα7Rでは解像感はとても高く大変シャープな印象。α7では少しマイルドに感じますが、それもα7Rと子細に比較した上でのこと。十分にシャープな描写を見せてくれます。先に発売されたSonnar FE 35mm F2.8の方が解像感の高い印象を持ちましたが、本レンズでは解像度とボケ味を絶妙なバランスで両立させている印象です。作例では紹介できませんでしたが、開放からコントラストが高く、強い光源の入った場合でもフレアやゴーストがほぼ現れることのないT*コーティングの性能は、特筆すべきものがあります。


雨に見舞われた今回のロケ、沈みがちなトーンの写真が多かったのですが、そんな中で一時見えた晴れ間を逃さず狙ってみました。壁面と空との分離もよく、青空のヌケもいいですね。F4〜8あたりで描写性能はピークを迎え、画面全体が引き締まる印象です。歪曲もほぼ感じません。本当に気持ちよく写りますね。

厚いガラスの存在をしっかりと感じさせながらも、ショーケースの中のパンを見事に描写。一番手前のメロンパンから奥のクロワッサンまで、それぞれのパンの質感の違いがお判りいただけると思います。周辺光量は開放では大きく落ち、絞るにつれ徐々に改善していきます。画を見る限りとてもよい雰囲気を演出してくれていますので、積極的に活用したいものです。


ソニーのフルサイズミラーレスのスタンダードとなるレンズ。いかがでしょうか。
開放から2段絞っても円形を維持する絞りが採用されているので、このレンズの最も大きな特徴とも言えるボケの美しさを存分に楽しめます。標準レンズでは一般的な50mmより長い55mmという焦点距離。その差はわずか5mmですが、10%の違いは意外に大きいものです。自らの足を使うことで広角にも望遠にもなると言われる標準レンズにおいて5mmの違いは思いのほか望遠寄りだと感じます。円形絞りによる美しいボケを活かしながら被写体を切り取るようなフレーミングを意識することが、本レンズの使いこなしのポイントかも知れません。

カメラを構えたときに指先にちょうどよく収まる位置に置かれたピントリングは、滑らかでトルク感もあり、心地よい操作感です。Zeissらしいシンプルで上品な外観もかっこいいですね。AFもα7・α7R問わず静かで高速に動作し、その精度は高いと言えます。ボディと合わせ防塵防滴となっていますので、様々なフィールドで活躍できる1本に仕上がっているのではないでしょうか。

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フルサイズEマウントの最初の1本となる単焦点標準レンズはCarl Zeissとなりました。気合い入ってます。

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保護フィルターも最高の1枚を。

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