実写インプレッション [sd Quattro]

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SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art,1/4000, F3.2, ISO 100, Photo by A.Inden

SIGMA sd Quattro | SHOOTING REPORT Vol.03

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FoveonセンサーのファンでありSIGMAというメーカーのファンでもある筆者。出遅れてしまいましたが、なんとか第3弾として試写することができました。巷にはレビューが溢れ、関心のある方は熟読されているかと思います。今回のレビューはSIGMA sd Quattroの機能を紹介するというより、ファンとしてFoveonで撮りたい被写体を本能のまま切り取ってきました。レンズは開放で独特の雰囲気を醸し出す「35mm F1.4 DG HSM | Art」。開放でのピントピークのシャープさとコントラストを残した柔らかなボケ味に、Foveonの湿気を閉じ込めるような描写が合うと信じ、一本勝負。独特の味を持つ物同士、すばらしいコラボを見せてくれるはずです。

( 写真 / 文 : A.Inden )

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/4000, F3.2, ISO 100, Photo by A.Inden

雲の切れ間から時折さす太陽を捉えてみました。小さな一点に素直に目が行きますね。高解像度になるとエッジがキリキリと立ったような描写が見受けられますが、光を受けた建物はなめらかに結像しています。物がそこに自然にあることを感じさせる描写は、本当に見事です。

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art,1/250, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/1000, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/100, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

石造りの西洋建築は、濃いブラウンの壁と漆喰が多く、窓も大きくないため、差し込んだ光が室内で拡散しにくく、コントラストが高くなりがちです。しかしsd Quattroなら、豊富なトーンと忠実な色再現で独特の厚みのある空気感が表現されています。

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/80, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/30, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/1250, F1.4 ISO 100, Photo by A.Inden

光の条件を変えながら、オーバー目の露出を試してみました。光りのコントラストの強さによって描写の雰囲気が変わっていくことがわかります。さすがに最後のカットのハイライト部分はきついようですね。この辺りは撮影者の好みと関わってくるかと思いますが、Foveonらしい少しウエットな空気感の描写を求めるのであれば、直射日光が当たっている条件は避けた方がいいと思います。

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/320, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/40, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/200, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/2000, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/1000, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/2500, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/800, F1.8, ISO 100, Photo by A.Inden

 

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/250, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

数日間街でスナップをして一番驚いたのが電池の持ち具合。肝心の操作感は「使いにくいところを無理に使わなければ快適に撮影できる感じ」でしょうか。最初、F1.4の開放を使いこなそうとMF(マニュアルフォーカス)+EVFで撮っていたのですが、シーンによってはピントピークがわかりづらく、思った所に合わせるのが難しかったです。シビアなピントを考えると少し不安でしたが、AFを使ってみた所、少し遅いですが確実に合焦。EVFをピント合わせのために使わず、確実にカメラを構え、手ぶれを防止する装置と割り切ったところストレスなく使用できました。かなりの枚数を撮りましたが、dpシリーズと比べブレが格段と減っていました。キビキビと撮影するカメラでないことは確かですが、その場の雰囲気を大事に丁寧に記憶していくという点においは、格段の進歩を遂げたのではないでしょうか。

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/160, F1.4, ISO 100, Photo by A.Inden

なぜFoveonファンなのか。

人は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚という五つの感覚で物を判断しています。そのうちの「触覚」に響いてくるセンサーがFoveon。まるで「手で触れられるかのような存在感を醸し出す」そこに唯一無二の魅力を感じるからです。実はdpシリーズがQuattroになり少し癖のような、尖った感じのような物が気薄になっていると感じていました。たぶんdpファンの方で同じように思われていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、今回の作例をご覧になって、どう感じられたでしょうか。少し安心しましたか?

実は、大いなる楽しみがあります。PY撮影ノート Vol.17で同じボディーで異なるレンズの描写を楽しんでみましたが、その上の楽しみは同じレンズでフィルムを変えるかのようにセンサーを変えること。発売されているAPS-C以上のセンサーの種類はCCD、CMOS、Foveon。できればミラーレスのようにフランジバックの短いボディーも作っていただき、シグマ純正アダプターで多くのレンズを使うことができたら…。Foveonセンサーがレンズを選ぶことは重々わかっていますが、そんなことが実現したなら…なんて妄想もしています。

( 2016.08.10 )




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ミラーレスとなったsd Quattro、お楽しみいただけていますでしょうか。Quattro世代となる39MP相当のAPS-Cセンサーを搭載し、Foveonらしい解像感と抜群のキレを様々なレンズでお楽しみいただけます。

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今回の実写レビューで使用しました35mm F1.4 Artのレンズです。フルサイズ換算52.5mm相当の標準レンズとしてsd Quattroでお使いいただけます。ボディを活かすハイスペックレンズ、どうぞご堪能ください。

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