実写インプレッション [dp1 Quattro]

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SIGMA dp1 Quattro | SHOOTING REPORT

Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー"Quattro"のデビュー機となったdp2 Quattroが発売されたのが2014年6月末。Quattroセンサーの力量はdp2 Quattroのレビューでご覧頂いたとおり、凄まじい限りでした。相も変わらぬFoveonの実力にさらに磨きがかかった描写には多くの方が打ちのめされたことと思われます。画素数を上げつつもデータ量の軽減を目論んだQuattroセンサーと画像処理エンジン「デュアルTRUE III」のコンビネーションは、圧倒的な情報量とナチュラルな色再現を獲得しました。その一方でハイエンド一眼レフ並みのスペックが必要という演算処理のために大型化した基板とそれを支えるバッテリーによって、大幅に変更された外観も注目を集めることに。あれから約4ヶ月、Merrill同様のラインナップを取りそろえるという当初の予定通り、フルサイズ換算28mm相当の画角を捉える広角レンズを搭載したdp1 Quattroがリリースされました。初代DP1のころから評価の高いレンズですが、今回のdp1 Quattro向けにさらに最適化されたとのこと。自分が撮りたい画角に合わせてボディを選択する、というレンズ交換式には無い潔さを求められるのがdpシリーズです。レンズ性能も含め新しいdp1の実力をしっかりとご覧下さい。

( 写真:Z II、48 / 文:4beats )

光線の具合も半逆光で丁度良く水に差し込んでいるせいもあるのかもしれませんが、とても豊かに水を再現しています。跳ね上がったしぶきや飛沫、その手前に溢れてきて岩に陰影を落とす流れの中にも、水の圧力や重みが感じられそうな程です。

こういった木々が纏う葉を遠くから抑える画というのはデジタルカメラにとっては「実力テスト」的な趣きがあります。ですが、我らがFoveonセンサーに怖いものは無し(いや、ちょっと言い過ぎかもしれませんが 笑)、一枚一枚の葉を分離し細密に表現するのはお手の物。偽色とは無縁だからこそベイヤー配列の苦手とするシーンもしっかりと捉えることが出来るのです。

画像中央部から原寸で表示されるようクロップしました。F5.6まで絞っているとは言え、最適化されたというレンズ性能と相まって、遠景にも拘わらずこんなにも解像・分離できるdp1 Quattro、天晴れです!!

さて、随分と力量と使い勝手を両立させ「熟れてきた」感のあるシグマのカメラですが、こんな画も得意とするところです。庭の風景を飛ばしきらず、かといって不自然にならない程度にハイライトからトーンを残し、室内の雰囲気をディープシャドウに向かってしっとりと描く。納得のいくカラーバランスにも熟成が見てとれます。

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圧倒的な画の力をじっくりと愉しむためのボディ

まずは作例を3カットご覧頂きましたがいかがでしょう。有無を言わさぬ解像力と豊かな階調に圧倒されてしまいました。被写体を捉えた瞬間や、細部にまで及ぶディテールがありありと伝わってきて、安易な言葉に聞こえてしまいますが「リアルな描写」とはこういうことなのでは無いかと感じた次第です。
さて、この独特のフォルム、気になって店頭で手にされた方もたくさんいらっしゃることと思います。先代と比べるとボディは薄くなったものの全体的には大きくなりました。グリップも後ろに伸びる馴染みの無い形状ですが、一眼レフのように左右の手でしっかりとホールドできるので、撮影していくうちに慣れてしまうでしょう。
実は今回使っていて、Quattroセンサーを使う上では少しアンダー目に撮って現像時に調整する、という手法が適っていると感じました。これまでのデジタルカメラのセオリーでも言われていたテクニックです。その方が、Quattroセンサーの豊かな階調を上手く生かせるようです。dp2 Quattroでは撮って出しのJPG画像の段階で素晴らしい描写だった、というレポートをお届けしましたが、実は(と改めて言うまでもないのですが)Foveonの慣習に倣って現像ソフトを起動しRAWデータと正面から向き合うと、思わず声がでてしまうくらいに凄まじく緻密で深みのある画像が展開されるのです。現像したフィルムを一枚ずつスキャンしていくように、RAWデータと丁寧にじっくり向き合い、ゆとりある階調を堪能する。そんな楽しみ方もできるのがQuattroシリーズなのです。

「アンダー目に撮って」と言ったそばから・・・ちょっとオーバー目に振ってみました。太陽の辺りはさすがに飛んでいますが、ふんわりとした日常の雰囲気がイメージ通りに押さえられたカットです。JPG撮って出しですよ、このカット。これはこれで成立しているので、改めてQuattroセンサーの懐の深さを感じた次第です。

絞りは開放ですがシャツの質感をしっかりと捉えていますね。背景は少々ブレているのですが、ボケの柔らかを感じて頂けるでしょうか。

Foveon初期の頃を考えると、クセのあった「イロもの」の発色も、これなら満足できそうですね。じゃじゃ馬じゃなくなった、なんて嘆かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろんRAWデータからあの発色を再現することもできますのでご安心を。


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光線が入る意地悪なアングルで撮ってみました。さすがに無理なものは無理、意地悪すぎました。でも却ってこの方が、何気ない森の景色にひと味もふた味も加わったようで、結果オーライなのです。

ピント面はしっかりと解像し、背景にむかってなだらかにボケていく様はシグマのレンズラインナップのなかでハイエンドにあたる「Artライン」に通じる、信頼の置ける描写力を感じます。

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センサーとレンズ、ボディ三位一体のdp1 Quattro

いかがでしょうか、dp1 Quattroは。描写は随分とナチュラルに、それでいて解像度も深みも増し、これまで以上に豊かな画を見せてくれる様になりました。背面液晶に表示される各種設定などのインターフェイスも洗練されており、素直に「カッコいい」と思える仕上がりです。装備された2つのダイヤルのクリック感も心地よく、親指で露出補正・人差し指で絞りの変更といった操作もとても使いやすく感じました。バッテリーの持ちもよくなっており(相変わらず予備バッテリーも同梱されていますし)一日連れ歩いても困ることはありません。

さて、独自路線を貫くシグマのカメラ、いつも気になってしまいますよね。デジタル化した最初の機種からFoveonセンサーを搭載しているシグマ、そしてジェネレーション毎に進化を続けているセンサーには替えがたい魅力があります。当初はじゃじゃ馬と言われながらも、同時に絶大な評価も得ていたFoveonがここまで熟成してきました。やはりこの写りには驚かされるばかり。そのセンサーを活かし切るために設計しなおされたレンズはご覧頂いたように驚異的な解像力です。そして寄りの撮影では豊かなボケも楽しませてくれます。28mm相当の画角は風景撮影や旅のお供にピッタリ。Merrillで獲得したテンポの良さも健在なので街に繰り出してもよいでしょう。
「コンパクトカメラ」としては少々大きめなボディは、見方を変えてレンズ一体型の「ハイエンドデジタルカメラ」と思えば大変小さなパッケージです。実際、中判デジタルバックのような画質が得られるのですから。dp1 Quattro、じっくりと愉しんでください。

( 2014.11.5 )




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とにかく目を見張るような画が撮れます。dp1 Quattroはフルサイズ換算28mm相当の画角、開放からキリッとシャープな専用設計のレンズを搭載しています。

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随分長持ちするようになったとは言え、最初から2個目が同梱されているとは言え、バッテリーは多い方が良いと思います。

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光学ファインダー好きの方はもちろん、液晶派の方にも。眩しいときには重宝しますから。着けてるとカッコいいし。。。

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これだけ写るカメラですから、フードもきちんと取り付けましょう。dp1Q、dp2Q兼用です。

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取り付けるとかなり恰好佳い、ジャケットタイプのカメラケースです。

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三脚に取り付け、スローシャッターを切るときに重宝しそうなケーブルレリーズです。

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フラッシュもラインナップ。

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バッテリー室に差し込んで、AC接続できるアダプター。じっくり物撮りの際に重宝しそうです。

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