実写インプレッション [dp3 Quattro]

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SIGMA dp3 Quattro, 1/4, F2.8, ISO 100, Photo by K

SIGMA dp3 Quattro | SHOOTING REPORT

dp3 Quattro SHOOTING REPORT 01 | dp3 Quattro SHOOTING REPORT 02

SIGMA dp3 Quattro, 1/2000, F16, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/100, F2.8, ISO 400, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/125, F2.8, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/1000, F4, ISO 400, Photo by K

dp2Q/dp1Q 同様に、扱いやすくなった「dp3 Quattro」

さて、dp3 Quattro の実写レビューです。先行でリリースされた dp2Q/dp1Q の両機をテストして感じた印象は、Quattro 世代となって、ともかく扱いやすさが格段にアップしたということです。これより前の世代のモデルでは、現像時に色味のコントロールが一発で決まらないことはもとより、いったいどうコントロールすればよいのか分からなくなってしまうことも多々ありました。高感度側は1段プッシュからかなりノイズが載り始めるため、できる限りベース感度を選択。しかし、光が十分に回り、きっちり撮ってツボにはまった画は、到底他では得がたい魅力に満ちあふれたものが手に入るのです。いわばコンパクトデジタルにも関わらず、8×10のような撮影作法を強いるカメラでした。8x10のような大判カメラは撮影上様々な制約がありますが、その分見返りは大きいのです。シグマの従来機は似たような雰囲気のカメラだったと言えるでしょう。ところが Quattro 世代になってからというもの、拍子抜けするほどにイージーに撮ることができるようになりました。「完全に」とは言えませんが、そう、コンパクトデジタルカメラらしくなりました。姿やサイズは、もはやコンパクトデジタルカメラとは言えなくなってしまいましたが(笑)

さて、dp3 Quattro について若干おさらいしておきましょう。レンズは基本的に先代の DP3 Merrill からのキャリーオーバーで、75mm 相当の画角となる 50mm F2.8 のレンズを搭載しています。大変素晴らしいレンズで、変更の必要を感じなかったのだろうと推測しています。筆者の印象も同様で、開放から極めて尖鋭な像を結び、各収差を徹底的に抑え込まれたレンズです。dpシリーズ各機種の中では、焦点距離の関係もありますが情緒の感じられるボケ味を持つレンズだと思います。 DP3 Merrill と比べ、全てが変わりました。まず画質面ですが、格段に「こなれた」印象で、圧倒的な解像力と Foveon センサー独特のリアリティ溢れる色再現はそのままに、かなりニュートラルな方へ振れてきたと感じます。階調や色再現が、前世代の機種と比べて少し量感に欠けるかな?という印象はありますが、これはどちらかというとほどよく雑味を残しつつ無駄が省かれた、そんな印象です。その分が先に記したとおり「扱いやすさ」に繋がっているのだと思います。カメラとしてのユーザビリティという面では、JPGの画質が格段に向上し、バッテリーの持ちが旧機種に比べれば「格段に」、世間的に見れば若干良くなりました(笑)筆者は朝から日没まで撮り歩いて、おおよそ100〜150程度のカット数ですが、ぎりぎり1本のバッテリーで撮影可能です。また、ボディサイズが大きくなったことでホールディング性も向上しました。このカメラの性格を考えれば良いことだと思います。その他、ボディサイズを活かしたダイヤル類の変更も使い勝手に大きく貢献していますし、液晶の表示品質も上がりました。

Foveon センサーを搭載したカメラの特長は、筆者独特の表現で恐縮なのですが「澱が写る」ところなのです。たとえば沈殿する空気。そこにあるはずのものを質量そのままに余すことなくキャプチャするのです。眼前の光景は、いわゆる写真のようにクリアでもなければコントラストもついていない。実際に見た日の光は青く、それがそのまま写ってしまう、そんな旧機種の特長が薄れたのではないかと、Quattro 世代の先行2機種で正直感じていました。バーターで魅力が目減りしたのか、それとも「深化」したのか、今回のテストでこのあたりを試してみたく、撮影してみました。上の5カットは、旧機種であれば猛烈に(!)黄色に転んだり、ISO400 では盛大にノイズが載って鑑賞に堪えなかったりと、現像時の苦労を思い出します(笑)特に現像処理でナーバスになることもありませんでした。このあたりは進化というべきでしょう。

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SIGMA dp3 Quattro, 1/1000, F2.8, ISO 100, Photo by K

目に見える「リアル」を写し込む

SIGMA dp3 Quattro, 1/250, F4, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/1250, F2.8, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/100, F2.8, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro, 1/800, F2.8, ISO 800, Photo by K

こんなことを書くとシグマさんに怒られるんじゃないかと思うのですが、旧機種よりも、妙に撮影中テンションが上がります。こよなくシグマのカメラを愛してきた皆さんは「あーあー」と笑ってくれると思うのですが、液晶モニタの表示品質が格段に良くなり、撮った画を再生して、この画面と変わらない表示をしてくれるからですね(笑) 相変わらずの質感描写力。シグマのカメラでとにかくレンズを向けたくなる被写体とシチュエーションばかりです。この画をモニタで見れば、撮影中テンションも上がるってものです。いわゆる「デモザイク」が必要無く、1画素上で色と輝度情報を垂直的に受け止める仕組みは不変。近くの物が近くに、遠くの物が遠くに。丸い物、四角い物、それが素直に写り込むのです。結果としてこのリアルな質感表現に繋がるのだろうと思います。これを紐解くと、Foveon センサーが持つ、解像力・色再現・階調再現が全てセットになってこそなのでしょう。レストラン店内を撮影したカットは ISO800 での撮影ですが、原寸で見ればそれ相応のノイズが載っています。しかしノイズ処理も巧みになり、実用に耐えるようになりました。個人的には常用は ISO200 程度、許容範囲はこの ISO800 程度までと感じます。これをどう捉えるかですが、高感度を優先するのであれば他機種をおすすめします。しかし、他機種にはない、補って余りある魅力がこのカメラにはある、その一言に尽きます。

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SIGMA dp3 Quattro, 1/1000, F2.8, ISO 100, Photo by K

濡れ方、一つ。そこには湿度や温度がある。

SIGMA dp3 Quattro with FT-1201, 1/1250, F2.8, ISO 400, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro with FT-1201, 1/320, F2.8, ISO 100, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro with FT-1201, 1/200, F2.8, ISO 400, Photo by K

 

SIGMA dp3 Quattro with FT-1201, 1/200, F2.8, ISO 100, Photo by K

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PHOTO YODOBASHI

あらためて感じる「このカメラなら・・・」と思わされる実力

考えてみると、Foveon センサーの魅力を最もわかりやすく感じられるのが、75mm相当のレンズを搭載した「dp3 Quattro」かもしれません。焦点距離が長い分、ボケ量も大きいためです。そもそもベイヤー配列のセンサーと比較して、いわゆるサンプリングレートが高い Foveon センサー。しかも1画素上で全ての色と輝度情報を取得するため、画に奥行きを感じやすいのだと思います。そこにボケという要素が加わることで、さらに画はわかりやすくなると思うのです。

Merrill 世代から Quattro 世代になって、失われた物は無いだろうか。そんな疑念については、今回最後に Merrill 世代を使ってからの間隔が空いたため、わりとニュートラルに見つめることができました。子細に見れば、階調や色の出方などに違いが多々見られます。はっきり言えることは、色や階調のコントロールについて、デジタル画像とデジタル撮影、ひいては写真撮影そのものについて、より高いスキルを求められるのは Merrill 世代であると言えます。写真は、ありとあらゆる要素を紡いで一枚の光画として結実します。それはシチュエーションやタイミングであったり、撮影者のスキル、果てはメンタルやフィジカル、フィロソフィーに至るまでの全てが色濃く関与してくるものだと思っています。定点観測的な撮影での比較ならともかく、撮影する道具として果たすべき機能は高ければ高いほどよいわけです。そんな意味で、大幅に進化したのが本機、dp3 Quattro だろうと思います。そして、Quattro 世代の本機を、あらためて両世代のオーナーとしてテストしてみて感じるのは、こんなに饒舌な画を叩き出すカメラは他にないということです。大幅に進化したと言えど、もう少し液晶の画素数が上がれば・・等々、まだ改善の余地はあると感じます。しかし初めてシグマのデジタルカメラを使ってみたいという方にもおすすめできるレベルに到達しました。撮って出しのJPGだけで、心動かされるものがあります。そして、RAW 現像後の画を見て「次はあれを撮りに行くぞ」。そんな風にかき立てられるカメラだと心から思います。

( 写真/文:K )



試してみました!「 LCD VIEW FINDER VF-1」。なんだかもの凄い出で立ちになりますが、ピントがきちんと見えることはもとより、これは究極のアイレベルでの撮影になるのです。接眼部をしっかり押しつけることで、ブレ軽減にもつながります。これはオススメのアクセサリーです。ルーペ部分は不要時にスライドして取り外せますのでご安心を。

専用のテレコンバーター「FT-1201」も試しました。作例の下から上方向に4枚は全てテレコンバーターを取り付けての撮影です。約90mm相当となります。使ってみて驚いたのですが、コンバーターを取り付けてもまったく解像力が落ちません。

( 2015.3.3 )




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圧倒的とも言える Quattro センサーの実力を専用設計の 50mm レンズが余すことなく引き出します。dp Quattro シリーズの中望遠バージョンの登場です。

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長持ちするようになったとはいえ、最初から2個目が同梱されているとはいえ、バッテリーは多い方が安心です。

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LCDモニターを拡大表示するファインダー。明るい日中でも見やすいだけでなく、倍率が高いため細かいところまでしっかり確認いただけます。手ブレしにくいため手持ち撮影時にも役立つアイテム。

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dp3q用のフードです。前後分割することでdp1/dp2でもご使用いただけます。

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こちらはdp1/dp2用のフードをお持ちの方がdp3をお使いになる時用の延長フード。

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取り付けるとかなり恰好佳い、ジャケットタイプのカメラケース。

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三脚に取り付け、スローシャッターを切るときに重宝しそうなケーブルレリーズです。

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