実写インプレッション [sd Quattro]

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SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/100, F2.8, ISO 100, Photo by Serow

SIGMA sd Quattro | SHOOTING REPORT Vol.02

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シグマからの素敵な七夕のプレゼント sd Quattro はもうお楽しみでしょうか。ハッキリ言って何より驚かされたのは、このプライスですよね。Foveon Quattroセンサーを搭載したボディが、下手なレンズよりも安いとあっては、SD1 Merrillを所有する人間が手を出さないわけには行きません。編集部内でも「え、SD1持ってたの?(使ってるの見たことないけど)」などと言われましたが、それは単にDPシリーズの稼働率が上がっただけのこと。SAマウントレンズよりも、dp Quattroシリーズを買い増していたということなのです。兎にも角にも手にすることができたこのボディ、全国のFoveonマニアのみなさまと同様に、発売直後の週末を撮り歩いてきました。勝手にはじめたセカンドレビュー、短期間ということに免じてどうかご笑覧ください。(今回のレビューでも、すべての作例で原寸画像を用意しました。画像クリックで等倍画像を表示します)

( 写真 / 文 : Serow )

SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/250, F2.8, ISO 100, Photo by Serow

使いやすさが著しく向上(ただしシグマ的に)

操作体系やインターフェイスはdp Quattroシリーズで培ったものがフィードバックされており、SDシリーズからの進化は顕著です。一眼レフのコンセンサスからいい意味で開放されたというか、dp Quattro以来、突き抜けることに恐れがなくなってしまったというか、色々と面白いアイデアが散りばめられているんですよね。ボディ形状からしてまったく似ているものがない存在ですが、実際かなり「格好いい」と思います。撮影している時のホールド感も上々で、一見した印象よりもおそらく使いやすいボディだと思います。たすき掛けしてぶら下げている時にエッジがぶつかるのは、dp Quattroと同じようなところがあります。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/160, F2, ISO 100, Photo by Serow

背面液晶の出来も良く、撮っても撮っても現場では手応えが得られなかったSDシリーズが懐かしく感じられました。撮影結果を背面液晶で拡大して、きちんと写っているか確認することは、Foveonだからこそ大事なプロセスです。EVFはオマケのようなところがありますが、このプライスのボディに過剰な要求をするのは酷というもの。フォーカスピーキングが搭載されたことは大きく、マニュアルでのピント合わせはぐっとスムースになります。メニューなどのUIは当然dp Quattroシリーズ以来の洗練されたもの。個人的には撮影時の気分に大きく影響する部分で、dpシリーズを手にしてからMerrillボディの出番が減ってしまった要因でもあります。日本語フォントのままでも、大変美しいメニューです。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/200, F4, ISO 100, Photo by Serow

生憎の雨でしたが、濡れた光景はQuattroの本領を発揮するのに最適。難しいことを考えなくとも、シャッターを切れば怖ろしいほどよく写ります。AFについても(シグマ的に)かなり良くなった印象で、決して速くはありませんがビシッと合いますね。フォーカスポイントも柔軟に変更できるので、構図を決めてじっくりと撮影するにはピッタリです。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/160, F2, ISO 400, Photo by Serow

 

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SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/125, F1.4, ISO 100, Photo by Serow

解像力に目が行きがちになりますが、Foveon Quattroセンサーの魅力は被写体の色や質感を余すことなく写しとってくれることにあると思います。光をセンサーで受け止めて、1ピクセルごとに落とす色の正確さと緻密さが、この色や質感を生むのでしょう。特に金属や水、赤などの飽和しやすい色は、Foveonでなければ表現できない世界があります。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/400, F2.8, ISO 100, Photo by Serow

白という色も実は難しいですよね。何の気なしに路傍で撮影したカットですが、花の繊細な色合いを見事に写しとってくれました。露出についてはアンダー目に撮っておいて、SIGMA Photo Pro(現像ソフト)での現像時に調整をするのが良いと思います。Foveonの画は撮影時に追い込もうとするより、現像であれこれと記憶の色を再現していくのが楽しいですね。ソフトもどんどんアップデートしてくれます。


SIGMA sd Quattro, 30mm F1.4 DC HSM | Art, 1/800, F1.4, ISO 100, Photo by Serow

いや、本当にいい色です。写真としてどうなのかは別にして。まあ「どう写るのか」を見たくて無闇にシャッターを切るというのも自然な欲求ですし、実際そうしたくなるカメラだと思うのです。つまらない写真だと揶揄する人がいるならば「記録写真だからねえ」などとうそぶいておきましょう。昔はこういう公衆電話があったんだよと、残しておきたくて撮ったのです。ハイ。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/400, F2.8, ISO 100, Photo by Serow

細かな造形に金色の塗装。こういった被写体こそFoveonで撮っておきたいものです。等倍で鑑賞していると、もっと絞って被写界深度を深くしておくべきだったと思うのですが、あとは光量との相談ですね。感度設定はできるだけ低くしておきたいという気持ちは、フイルムを使っている頃の感覚に近いものがあります。三脚を立てられる場所ならSuper Fine Detailモードを試していただくと、幸せな結果が得られるでしょう。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/1600, F1.4, ISO 100, Photo by Serow

 

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SIGMA sd Quattro, 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary, 1/200, F5.6, ISO 100, Photo by Serow

この写りを楽しもう

Foveonセンサーのカメラについては、昔から「ハマるとすごい」なんて言われてきたものですが、もはや「撮ればすごい」というプロダクトになってきたと感じます。もちろん昨今のカメラと比べて万能ということはないのですが、このカメラを使うにあたって気をつけるべきことは「写真撮影の基本」でしかありません。適切な光のなかで、ブレずに撮ること。あとはカメラが驚くべき画を紡ぎだしてくれるのですから、それほど構えて使う必要もないと思うのです。フイルムの時代、ハイクオリティな写真には中判や大判のカメラが使われました。明るいレンズはそもそも存在しえず、AFも使えない世界で、無数のすばらしい写真が撮影されています。私たちにそれができない理由があるでしょうか。sd Quattroの強烈な写りを、どうぞお楽しみください。


SIGMA sd Quattro, 35mm F1.4 DG HSM | Art, 1/2500, F2.8, ISO 100, Photo by Serow

 

( 2016.07.12 )




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